デラデザインの駅エリア特集、第2回は地下鉄桜通線で「名古屋」駅から6分、栄エリアも徒歩圏にある「高岳」駅をご紹介します。
地下鉄桜通線「高岳」駅
地下鉄桜通線で「名古屋」駅から6分、栄エリアも徒歩圏にある「高岳」駅。
駅周辺にオフィスビルが立ち並んでおり、市内の活気あふれるオフィス街の1つです。
一方、街中には公園や神社仏閣、文化施設も点在しており、マンションや戸建てが混在する住宅地としての表情も持っています。
お洒落なカフェやベーカリー、隠れ家的なレストランなども多く、都心に近接しながらも文化的な暮らしを実現できることから、単身者や共働き世帯に人気のエリア。
また、近隣には東海地区屈指の名門中高一貫校があり、教育機関も充実しているため、ファミリー層にも根強い人気があります。
今回は、そんな都心に近接する住宅地「高岳」エリアの魅力をご紹介します。
駅前は活気ある町並み、北へ進むと町並み保存地区のある閑静な住宅街
駅から北へ進み、空港線の東側、外堀通の北側のエリアは、江戸時代に名古屋城の城下町として発展し、武家屋敷が建ち並んでいた地域。
風格ある門構えと、白さが際立つ漆喰壁の塀、手入れの行き届いた緑樹からなる武家屋敷独特の景観と、明治〜大正時代の優れた近代建築が融合する美しい町並みは、「白壁・主税・橦木町並み保存地区」「都市景観形成地区」に指定されています。
現在も歴史ある文化施設や公園などが点在しており、市内有数の高級住宅街となっています。
編集部イチ推し!ライフインフォメーション
高丘エリアには、歴史の趣を感じる街歩きに最適のスポットがたくさん!
今回はその中から厳選してご紹介します。
布池教会
「高岳」駅から東に12分ほど歩くと、都会の街並みの中に一際目立つ白亜のシンボリックな建物『布池教会』があります。
シンボリックな2本の尖塔が印象的
『布池教会』は「名古屋教区司教大聖堂」とも呼ばれ、ローマ・カトリック教会(総本部:ヴァチカン市国)に属しています。
愛知県・岐阜県・石川県・福井県・富山県の4県にある教会を統括する中心的な教会として、昭和37年(1962年)に建立されました。
2本の尖塔が印象的なゴシック様式の建物は高さ50m。
当時から現在に至るまで、町のシンボル的存在となっています。
教会内部は四方を幻想的なステンドグラスに囲まれており、「国の登録有形文化財」「都市景観重要建築物」に指定されています。
施設概要
住所 名古屋市東区葵1-12-23
TEL 052-935-6305
【ミサの時間】
平日 7:00
土曜日 7:00 18:30
日曜日 7:00 9:30 18:00
教会の近くには布池公園
『布池教会』から西へ50mほどのところにある『布池公園』。
都心にある公園としては比較的規模が大きく、大きな木が街に緑の潤いを与えてくれます。
噴水や広場のほか、アスレチック遊具やコンクリートの山、砂場などの遊具も一通り揃っており、子供たちの日常使いに便利な公園です。
文化のみち二葉館 旧川上貞奴邸
高岳駅から北東へ徒歩10分、橦木町にある『文化のみち 二葉館 旧川上貞奴邸』は、『白壁・主税・橦木町並み保存地区』のなかでも一際存在感のある文化施設です。
東洋と西洋のエッセンスが融合した大正ロマンの趣を感じられる洋館
日本の女優第1号と称される川上貞奴。
日舞の芸に優れ、才色兼備の芸妓として当時の総理大臣・伊藤博文や西園寺公望など著名人から贔屓にされました。
「オッペケペー節」で一斉風靡し、「新劇派の父」と称された川上音二郎と結婚後、新劇で世界を巡演。
パリ万博にも招かれ、ロダンやドビュッシー、ピカソといった当時のパリの新進気鋭のアーティストたちを魅了します。
音二郎の死後、貞奴は福沢諭吉の娘婿であった福沢桃介と名古屋市内で共に暮らしました。
福沢桃介は晩年電力王と呼ばれた実業家で、貞奴の初恋の相手でもあったのです。(!!!)
二人が暮らした邸宅は『二葉御殿』と呼ばれ、政財界などの当時の著名人が集うサロンでもありました。
その二葉御殿が平成17年に現在の橦木町に移築・復元され、『文化のみち 二葉館』としてよみがえりました。
一際目を引くオレンジ色の瓦屋根。
大広間にある真っ赤な絨毯が印象的な螺旋階段。
落ち着いた雰囲気の伝統的な和室や屋久杉の網代が使われた仏間の天井…
随所にこだわりがみられます。
特に印象的なのは、大広間とダイニングルーム、寝室などに施されたステンドグラス。
西洋のものという印象の強いステンドグラスですが、ここにはしっかりと「和」の要素があります。
東洋と西洋の文化を見事に融合させた和洋折衷の「粋」なデザインは、まさに大正ロマンの世界。
電灯もまばらであった当時としては、とびきりハイカラな建物であったことでしょう。
パリ万博でジャポニズムの魅力を西洋に見せつけた川上貞奴。
彼女の生き様そのものを表すようなひとつひとつのしつらえに、「暮らし」とは「人生」であると強く感じさせる、まさに「デラ・デザイン」なスポットです。
施設概要
住所 名古屋市東区橦木町三丁目23番地
開館時間 10:00〜17:00
休館日 月曜日(祝日の場合は直後の平日)
入場料 大人200円(団体160円)定期観覧券 大人800円
文化のみち橦木館 共通観覧券 320円
中学生以下は無料
駐車場 1回300円
オオカンザクラの並木道
東区泉二丁目と三丁目を繋ぐ南北の道にある全長1.4kmの桜並木の道。
ここの「オオカンザクラ」は、毎年市内でいち早く桜の開花が観測されるスポットとして有名です。
3月中旬ごろに開花する寒桜は、天気予報やニュースなどのメディアでも取り上げられています。
市内有数の桜の名所
昭和36年、地元住民の「名古屋で一番早く咲く桜を植えたい」という希望から、当初16本の苗木が植えられました。
現在では淡紅色大寒桜(オオカンザクラ)と 濃い紅紫色寒緋桜(カンヒザクラ)、合計約140本の寒桜があり、名古屋にいち早く春を伝えるスポットとなっています。
桜の開花の時期には、東区公式のTwitter・Facebookで開花状況がチェックできます。
※写真の提供にご協力いただいたsweet_dreams1783さん、ありがとうございました!
ブーランジェリー terre à terre
高岳駅から東へ徒歩5分。
大通りから少し北へ入ったところにあるブーランジェリー『terre à terre』は、地元だけでなく市内のパン好きに愛される行列のできるパン屋さんです。
街に溶け込むグリーンに囲まれたお店の入り口は、隠れ家のような佇まい。
店内に入ると、ショーケースにフォトジェニックな可愛らしいパンが並んでいます。
こだわり
terre à terreのこだわりは、生産者さんの愛情とこだわりを大切に「無農薬」「無添加」「地産地消」を出来る限り意識した素材選び。
国産小麦100%・無農薬野菜と果実・無添加のベーコン・自家製ガナッシュ・オーガニックチョコレートなど、こだわりの食材を使い、素材と味にこだわって1つ1つ丁寧に手作りしています。
また、ショーケースに並ぶ小ぶりのパンたちは、思わずキュンとしてしまう可愛らしいフォルム!
2階にはイートインコーナーもあり、Alajinのトースターで温めていただくこともできます。このトースターかわいい…欲しい…。
おすすめ
ここでは、筆者が実際に食したおすすめのパンをご紹介します!
まず、オリジナルクロワッサン「サリュー」は欠かせない!
トースターで温めると広がる豊潤なバターの香りに思わず顔がほころびます。
ひとくち口に含むと、表面のパリパリした食感と、モチっとした弾力のコントラストが素晴らしい。
口に広がる上質なバターの味わいに、「こ、これが本物のクロワッサンか!」という革命を感じました…(嗚呼、また食べたい…今日の午後買いに行こう。)
「塩サリュー」は、よりもちもちとした食感が特徴的です。
伝統的な製法で作られ、世界中のトップシェフに愛用されるイギリス産・マルドン塩によって、バターの香りをより強く感じることができます。
紅茶のブリオッシュは、SNS映えするトッピングのホワイトチョコパフのフォルムに思わず目を奪われます。
ふんわりとしたパンの食感と香り高い紅茶ガナッシュが優しい味わいです。
そのほかにも、ショーケースには可愛らしいパンがずらり。女子会の手土産にも最適です。
美味しいパン屋さんがある街は、お散歩するだけでもワクワクしますね。
店舗概要
住所 名古屋市東区三丁目28-3
開店時間 9:00~18:00
定休日 水曜日
駐車場 提携あり
取材後記
都心に近い住宅地、高速道路や幹線道路が行き交う賑やかな街という印象だった「高丘」。
駅を降りて脇道に逸れてみると、歴史の趣や季節の移ろいが香る、街ブラにぴったりの駅でした。
天気がいい日には、美味しいパンを求めて、並木道を散歩しに、また歴史の残り香を感じに、「高丘」駅へいってみましょう。