地下鉄鶴舞線「鶴舞」駅
今回は中区と昭和区の区境にある鶴舞エリアについて深掘りしていきます!
「鶴舞」駅周辺の立地環境
地下鉄鶴舞線の名称にもなっている「鶴舞」駅。JR中央線との乗り換え駅でもあります。
「鶴舞」駅は中区千代田と昭和区鶴舞の境界にあり、中区側は飲食店や店舗が多く、鶴舞公園の東側は一軒家の立ち並ぶ閑静な住宅街が広がります。
同じ駅エリアですが、区境という立地もあり、幹線道路や中央線の高架を隔てると街の様相が大きく変化するのも特徴です。
名古屋市中心部にある鶴舞周辺には幹線道路も多く、南北にかけて空港線(国道41号)が通っています。
東西を結ぶ道路は鶴舞エリアの北にある若宮大通、駅前から西に伸びる大須通、南側の山王通があり、車での移動も便利な立地となっています。
公園・図書館・大学病院が揃う名古屋の学生街
鶴舞公園
毎年花見の時期にはとてもにぎわう鶴舞公園。
一時期は公園の形がモンスターボールに似ていることで「ポケモンGO」の聖地にもなりましたね。
鶴舞公園の歴史は古く、明治時代にまで遡ることができますが、最近はツルマガーデンやテラスポツルマがオープンするなど、再開発によって注目を集めています!
取材の時期はバラ園が見頃を迎えていましたが、アジサイの散歩道や緑化センターもあり、四季を通じて楽しめるスポットとなっています。
あーるさんの連載記事でも鶴舞公園の夜桜を紹介しています!
名古屋市鶴舞中央図書館
2023年に100周年を迎えた名古屋市鶴舞中央図書館(以下、鶴舞図書館)。
名古屋の図書館の歴史はここからスタートしました。
現在は各区・支所に合計21ヶ所の図書館がありますが、鶴舞図書館は130万冊以上の蔵書数で群を抜いた規模を誇ります(この数は全国的にもトップレベル)
また、1984年に新築した地上3階・地下1階の建物は中部建築賞も受賞した名建築でもあります。
名古屋市公会堂
1930年に昭和天皇の御成婚を記念して建築された近代建築。2020年には築90年を迎え、国の登録有形文化財に登録されました。
現在はネーミングライツにより「岡谷鋼機名古屋市公会堂」となり、コンサートなどのイベント会場として活用されています。
名古屋工業大学
鶴舞駅より北東方面にある国公立大学です。
1905年創立と歴史は古く、東海地方中心に理系の進路先として多くの卒業生を輩出してきました。
キャンパス内に一本松古墳があり、登ると留年するとの都市伝説があるそうです。
名大病院
名古屋大学鶴舞キャンパス(医学部)に隣接する大学病院。
1000床を超える大規模な入院施設のある名古屋でも屈指の総合病院です。
こちらも1871年に開設された歴史ある病院で、門と塀が登録有形文化財になっています。
駅エリア特集記事
更に詳しく「鶴舞」駅エリアの住環境を知りたい方は、以下の特集記事をご覧ください!
店舗&おすすめスポット
STATION-ai
2024年秋に日本最大級のスタートアップ支援拠点が鶴舞にオープンします。愛知県が策定した「Aichi-Startup戦略」に基づくインキュベーション施設として、多数のベンチャー企業が集結しています。
スタートアップ企業の育成・支援や企業間のコミュニティの創出、大学などの研究機関との連携が進み、ここから新たなイノベーションが生まれることが期待されます。
現在(2024年5月)はPRE-STATION Aiがスタートし、すでに300社を超える入居企業が集まっています。オープンまでに500社のメンバーシップを目標としているとのことです。
鶴舞エリアは先述のように大学も近く、好立地でもあるのでここからますます新しいビジネスが広がりそうです。
場所は鶴舞公園南側にある愛知県勤労会館跡地になります。建物は地上7階建てで、取材日は完成に近づいている様子を見ることができました。
ツルマガーデン
2023年5月にオープンしたツルマガーデン。
建物は愛知県産の木材を使用し、鶴舞公園の自然とも調和する形に。
地下鉄「鶴舞」駅に近い「正面南エリア」、名大病院側の「秋の池エリア」、奏楽堂奥の「熊沢山エリア」の3つのエリアを矢作地所が整備・運営しています。
正面南のarea1には名古屋に拠点を置く山田餅(和菓子店)や、昼間はカフェ、夜は酒場としても利用できるプロント、コロッケや天むすなどテイクアウトも楽しめるお店などがオープン。
area2(秋の池エリア)にも蕎麦店や食料品店ができました。
飲食店のオープンだけではなく、インクルーシブ遊具の設置や歩道などの整備も進み、より滞在しやすい公園にリニューアルしました。
名古屋古書会館
鶴舞公園から北西に徒歩10分ほどのところにある名古屋古書会館では、定期的に古本まつりなどのイベントが開催されています。
ここは名古屋古書組合の市場になっていて普段は組合員しか入れませんが、古書即売会ではとても貴重な書物を手に取れることもあります。
鶴舞は学生街ということもあり、上前津方面に古書店も多い土地柄。
ぜひ本好きな方は訪れてみてください。
「鶴舞」駅周辺の歴史
名古屋初の都市公園・鶴舞公園
鶴舞公園は名古屋市が設置した第1号の都市公園として明治後期に開園しました。
そのきっかけは現在の万博のような一大事業でした。
謎に包まれた八幡山古墳
鶴舞公園の東側に出っ張ったような形の円形の地形は八幡山古墳です。
すぐ北側にある名古屋工業大学のキャンパスにも一本松古墳があるので、このあたりが古くからある土地だということがわかります。
今回は「鶴舞」駅を出発して南から反時計回りに鶴舞公園の周りを歩いてみましたが、古墳のある東側(「荒畑」駅北側や「吹上」駅西側のエリア)は坂道も多く、台地の上にあることが体感できました。
駅前は飲食店も多くにぎわっていますが、このエリアは戸建てが多く閑静な住宅街という印象です。
逆に、新堀川(旧精進川)のあった駅の西側(「上前津」駅側)はこれほど起伏がなく、少し歩いてみても地形の変化が楽しめるエリアになっています。
実際に歩いてみると、土地の成り立ちや歴史を垣間見ることができますね。
編集後記
鶴舞線「鶴舞」駅。地下鉄とJRの2路線が使える便利な路線で、大学病院や大学のキャンパスも集まっていることから多くの人が行き来していました。
ちなみに「鶴舞」駅周辺には「つるま」と「つるまい」の2つの呼び名が混在しているのは名古屋人の間では有名な話(?)
駅名は「つるまい」ですが、図書館や公園は「つるま」だそうです。
今回は鶴舞公園の外周をたどる形で歩きましたが、上前津方面の飲食店や、駅から北方面の高架下のお店など、見どころはたくさんあります。
今後さらなる施設も増えてますます人の流れも増えそうな「鶴舞」駅エリア。ぜひ訪れてみてください。