前回、記事を公開後にハードルを上げられて焦っている名古屋子育て情報局です(汗)。
今回は単身者やDINKSだけでなく、実は子育て世帯にも根強い人気の地下鉄桜通線「高岳」駅周辺のエリアを調査しました。
学区について
今回のエリアも人気学区である『冨士中学区』が含まれているエリアで、
「名古屋に住む事になったけど、どの学区にするべき?」
という質問に対する回答として名前が挙がる事が多いところです。
地区の特徴など、高岳周辺のお話については、以下のdelaDESIGN記事でご紹介しています。
エリア特集【東区高岳】活気あふれる商業地と歴史ある住宅地、2つの表情を魅せる街
学区の位置関係
「高岳」駅周辺に住む場合、冨士中学区となり、小学校は東桜小/山吹小/東白壁小のどこかに通うことになります。
冨士中学区はそこまで広大ではなく、同じ町内でも異なる小学校となるケースもあります。住所(町)だけではどの学校に通うことになるか判別できないため、事前に確認する必要です。
通学路について
通学路に関しては、「歩道橋がない場所がある」というのが気になりました。
これは、以下のマップの黄色い線で塗っているところが名古屋高速が通っており物理的に歩道橋が作りづらい、という事情があります。また、大通りは学区の境界になることが多いが、学区割の関係で大通りの横断歩道を使用するケースはありそうです。
今回の現地確認は夏休み中ということもあり、実際の登校状況は確認できませんでした。最近は分団登校となっており、通学時間には通学路の横断ポイントに保護者が立っている可能性が高いと思うのでそこまで心配する必要はないかもしれませんが、気になる方は事前に確認したほうが良いかもしれません。
各学校の基本データ
各学校の小学校、中学校の基本的な統計データをご紹介します。
比較的都市部寄りの学校ということで、基本的には小規模~中規模の学校です。
また、後述の生徒数の増減率を見ると、人気学区であることがハッキリわかりますね。
小学校
生徒数/学級数
出典:2021年名古屋市教育調査統計より作成
生徒数、学級数に関しては、1学級しかないような超小規模校でなければ、生徒数の多い/少ないで大きな弊害はなく、今回の「高岳」駅周辺にある学校は全て2学級以上は確保できているため、その点はどの学校でも問題はないでしょう。
なお、学校の規模による違いは、一般的に以下のような事が言われる事が多いです。(再掲)
◯生徒数/学級数が少ないメリット
- 担任以外の先生にも顔を覚えてもらいやすく、比較的距離感が近い(細かいケアが期待できる)
- 運動会等のイベントで混乱が起こりづらい(場所取り等)
- 学区がそこまで広大でない事が多く、通学時間が短い事が多い
◯生徒数/学級数が多いメリット
- 運動会等のイベント規模が大きくなり、盛り上がる
- 定期的なクラス変更で環境変化(顔見知りが少ない環境)を経験できる
- 中学受験をする場合、同じ境遇の同級生が多くなる
なお、このエリアは古くからある住宅街ですが、統計で生徒数の増減を確認すると各小学校の生徒数は増加傾向であることが分かります。
何となく古くからの伝統ある住宅街は人の入れ替わりに乏しいようなイメージがありますが、山吹小と東白壁小はここ5年で特に大きく生徒数が増加しています。また、東桜小も長期で見ればしっかりと生徒数が増えています。
▲山吹小・東白壁小はここ5年で特に大きく生徒数が増加。東桜小も長期で見ると増加している。
出典:2021年名古屋市教育調査統計より作成
名古屋市の小学生人口数は減少傾向であるなかで、3校とも10%超の増加率となっているのは人気学区である証拠だと言えるでしょう。
東白壁小と山吹小は特に増加率が高く、200校以上ある名古屋市内の小学校の中で短期増加率は2位と5位となっています。
私立中学受験率
これは、「2020年の公立小の6年生の人数」と「2021年の公立中の1年生の人数」を比較しました。
もちろん、転勤等による引っ越しがあり、私立中学進学を理由としない人数の出入りはあるため多少の誤差は生じますが、大きく外れた数字ではないと思います。
今回の対象となる、冨士中学校学区の私立中学進学率は30.2%となっています。
出典:2021年名古屋市教育調査統計より作成
上記の通り、冨士中学区は名古屋市の中で私立中進学率が3位となっており、これは学区内の教育意識が高い結果であると捉えることができます。
川名駅の時にも触れましたが、3割程度という割合はちょうど良いのではないでしょうか。
(中学受験率3割のイメージとしては「クラスに10人(同性なら5人)程度の中学受験をする生徒がいる」という感覚)
中学校
生徒数/学級数
冨士中の学級数、生徒数は以下の通りです。
出典:2021年名古屋市教育調査統計より作成
さすがに小学校3校が集まる中学なので、小規模校特有の弊害は出ない規模になっていますね。
冨士中学区は上で示したマップの通り、中学校の場所が学区の南西側に寄っているのが特徴的です。
住む場所によっては通学時間が20分以上かかるケースも出てくると思うので、そこは注意が必要かもしれません。
各学校の公式ホームページ
各学校の公式ホームページは以下の通りです。
そこまで凝った作りにはなっていませんが、学年通信等はしっかりと更新されています。
学校の雰囲気や取り組みは学年通信を見るとある程度分かるので、引っ越しを検討する際は確認してみると良いと思います。
東桜小ホームページ→こちら
山吹小ホームページ→こちら
東白壁小ホームページ→こちら
冨士中ホームページ→こちら
また、少し古い(2018年の)情報ですが、山吹小は当時の校長先生に対するインタビュー記事があり、ここからも学校が力を入れているところや雰囲気を知ることができます。(下記リンク参照)
参考ページ:歴史ある穏やかな街並みとそこに暮らす人が共に児童を育てる
周辺環境について
ここからは「高岳」駅周辺の環境について見て行きましょう。
子育て視点でのポイントをまとめると
- 都市部に近い場所だが公園は充実していて心配なし
- 子供が集まるスポットとして公園に隣接する駄菓子屋がある
- 周辺には複数の私立幼稚園・インターナショナルスクールがある
- 隣駅や周辺地区に中学受験塾や高校受験塾が揃っている
- 生活必需施設(スーパー/コンビニ/ドラッグ)も揃っており、恵まれた環境である
- 周辺には小児科が多くあり、大型病院や休日診療所も近いので安心感がある
となります。
公園:中規模の公園が複数ある
この「高岳」駅周辺ですが、隣駅が「久屋大通」駅というだけあって比較的都会の雰囲気も併せ持っているエリアですが、実は子供が遊ぶ公園がたくさんあるのです。
特に、七小公園、山吹谷公園、東白壁公園などはボール遊び用にフェンスに囲まれたスペースも設けられており、「ボールを追って車道に飛び出す」といった日常でありがちなリスクを回避できるのは嬉しいところですね。
それ以外の公園も遊具が充実しているため「子供を遊ばせる場所に困る」という事はないと思います。
また、ボール遊び等はできませんが、「高岳」駅から東に行くと、2020年に久屋大通公園が大きくリニューアルした「Hisaya-odori Park」があります。広大な芝生エリアで日向ぼっこやテイクアウトのフードを楽しんだり、南側のエリアまで足を伸ばせばショッピング等も可能なので、この公園が徒歩圏にある魅力はとても大きいですね。
久屋大通公園以外の各公園の画像は、記事最下部にまとめてありますのでご興味があれば是非チェックしてみてくださいね。
駄菓子屋がある
前回の川名駅にもありましたが、このエリアにも駄菓子屋が残っています。
上のマップの通り、「高岳」駅からそこまで遠い場所ではなく、徒歩10分ほどの距離にあります。
大通りを横断するのが少し心配ではありますが、この周辺に住んでいれば、充分自転車等で子供が行ける場所ですね。
地球堂は「公園の目の前」という好立地で、「買ったお菓子を道路で食べる」といったリスクのある行動にはなりにくい点も魅力。
詳細はこちらのサイトが分かりやすいです。
お店の休みも少ないうえ、駄菓子の種類も豊富で、賑わっているお店のようです。
個人的には
「手持ちのお金の範囲内で買えるように頑張って計算する」
とか
「遠足のおやつをワクワクしながら買う」
という経験を駄菓子屋さんでできる、というのは貴重かつ大きな意味があると思うので、気軽に駄菓子屋さんに行ける環境で生活できるのは魅力的ですね。
保育環境:幼稚園の状況
「高岳」駅周辺には私立幼稚園・インターナショナルスクールがあります。
前回の川名と同様、インターナショナルスクールが複数存在しており、エリアとしての教育意識の高さを感じますね。
なお、詳細なルートは分かりませんでしたが、建中寺幼稚園、名古屋文化幼稚園、東桜幼稚園は、園バスが運行されており、名古屋文化幼稚園と東桜幼稚園はある程度のバス送迎範囲が示されています。
上記の幼稚園(特に東区の幼稚園)は「以前は願書のために前日から並んでいた」と言われるような人気が高い幼稚園です。
そういう事情もあり、入園に際しては幼稚園によっては未就園児クラスの優先枠、在園児/卒園児きょうだいの優先枠があり、一般枠は先着順となるケースがあるようなので、ホームページ等で事前の情報収集は必須と考えた方が良いでしょう。
また、上記以外にもあおいこども園といったこども園や保育園も多数あり、未就学児の教育・保育という面で困ることはないと思います。(明星幼稚園も2023年4月からこども園へ移行予定)
こども園、保育園については名古屋市の公式ホームページで一覧が確認できるのでこちらからチェックしてみてくださいね。
学習環境:駅周辺に充実している
「高岳」駅周辺の学習環境は比較的充実しており、隣駅もしくは駅から1-2km圏内に様々な施設があるため、地下鉄または自転車で容易に通うことが可能です。
公文式
早期教育でよく名前が挙がる公文式ですが、以下のマップの通り、「高岳」駅周辺には複数の教室があります。
どの学区に住んだとしても、徒歩~自転車で通うことが可能だと思います。
中学受験
中学受験を考えた場合、東海地区では一般的に大手4塾(日能研/名進研/浜学園/馬渕教室)のどこかに通うケースがほとんどです。
「高岳」駅と中学受験大手4塾の位置関係は以下の通りとなっており、距離的には1-2kmの間に4校ともありますが、地下鉄で通塾するには乗り換えが必要です。
ただ、千種駅にある日能研と馬渕教室は最上位クラスが設置されている本部的な位置づけの校舎となっており、県外を含めたトップ校を視野に入れた受験を考える場合は良いかもしれません。
また、大手4塾にこだわらなければ隣駅である車道駅に野田塾の中学受験部や西塾車道校もあり、こちらに通うという手もあります。中学受験では高学年になれば市外から通塾する子もいるため、慣れてしまえば問題ないかもしれません。
高校受験
高校受験はかなり充実しており、大手塾であれば河合塾や佐鳴予備校、野田塾が中学生なら容易に自転車で通塾可能なエリア内にあります。
また隣駅の車道駅には「ビリギャル」で有名な坪田塾があるなど、小規模塾も充実しており、選択肢が豊富。
個人的には新しくなった河合塾千種校が近距離にあるのがかなりの強みだと感じます。
単純に設備が新しいという事もありますが、この校舎だけで小学5年生で高校入試向けの勉強から大学受験まで完結することが可能となっています。
千種校は河合塾が開講している高校受験向けの講座はほぼ全て受けられますし、冨士中の定期テスト対策も千種校が対応している旨が明記されているのも心強いですね。
その他
このエリアにはいわゆる「名門」と言われる公立高校や私立中学が近くに複数あり、この学校に通う事となった場合はかなり良い立地であると言えます。
この3校の特徴を簡単に書くと、
- 金城学院中学・高等学校
→名古屋で最も伝統があるブランド校のひとつ - 東海中学・高校
→東海地区の男子における中学受験の最高峰 - 明和高校
→愛知県の公立高校のトップ3に入る進学校
どの学校も入学希望者が非常に多い難関校なため、入学を希望する場合はしっかりとした対策が必要です。
明和高校は中高一貫校化が正式決定されており、結果として上記3校は試験に合格すれば中学から通う事が可能になります。(もちろん、合格するのは簡単じゃありませんが…)
生活必需施設:スーパーは目的別に充実、コンビニは多数
スーパー・コンビニ
スーパーマーケットは多くはありませんですが、「高岳」駅1km圏内に4件あり、さらに後述のドラッグストアも合わせると困ることはないと思います。
また、成城石井やフランテといったどちらかというと高級路線のスーパーも複数あるので、目的に合わせて好きなスーパーを選ぶ事ができる場所でもあります。
コンビニはマップの作成を断念しようかと思うほど充分な数が揃っており(1km圏内に50軒以上!特に南西側に多い)、困ることはなさそうです。
ドラッグストア
ドラッグストアは数が多く、1km圏内に4店舗、そこから少し離れた場所にも多数あります。
駅の北側には大規模な店舗が多く、南側は中〜小規模な店舗が多くなっています。
最近の規模が大きなドラッグストアはスーパーやホームセンターの替わりとなるような品揃えのところも多く、「高岳」駅北側にある3店舗(ウエルシア、スギヤマ、スギ薬局)がこの形態に近いです。
流石に生鮮食品は厳しいですが、医薬品以外にも、冷凍食品や文房具、掃除用品などが揃っており、日常生活の利便性を大きく引き上げていると思います。
小児科
小児科は「小児耳鼻科」が診療科目に含まれている病院も含めると多数あり、大型病院、休日診療所も含めてかなり充実しています。
もはや数が多すぎて地図の意味が無いほどですが、この「高岳」駅周辺で注目すべきは「大型病院」と「休日診療所」が近い事です。
特に休日診療所(名古屋市医師会急病センター)は名古屋市の休日診療所の中心的存在で、平日夜間、土曜日、土日祝日全てに対応しているかなり希少な病院です。
子供は予期せぬタイミングで怪我や病気になることがあるので、こういった「いつでも診てもらえる病院が近くにある」というのは非常にありがたいですよね。
大型の病院も、「中日病院」や「国立病院機構 名古屋医療センター」があるため申し分ありません。
まとめ
以上、「高岳」駅周辺の状況とその魅力についてご紹介してきましたが、まとめますと、
- 都市部に近い場所だが、各地区に中規模の公園があり外遊び面も充実している
- 学校は極端な小規模校はなく、中学受験率も良い割合である
- 塾等の学習に関する選択肢は豊富に用意されており、1-2km圏内で中学受験、高校受験、さらには大学受験まで対応できる
- 生活面も、地区内に充分な数のスーパー・コンビニ・ドラッグストア・小児科があり、さらに休日診療所もあるため利便性が高い
という感じです!
「高岳」駅周辺は伝統のある地区ですが、子育て環境としても魅力の多いエリアであると言えるのではないでしょうか。
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【参考】各公園の様子
各公園の状況をご紹介します。
尼ケ坂公園
東白壁公園
主税町公園
山吹谷公園
七小公園
建中寺公園
布池公園
【参考】町名と学区のリスト
2021年5月時点における町名と学区の関係については以下の通りです。
(名古屋市ホームページ:「市立小・中学校の通学区域一覧」より)
東桜小学区
泉一丁目(※1)/泉二丁目(※1)/泉三丁目(※2)/東桜一丁目/東桜二丁目(※3)/東外堀町/久屋町
※1:山吹小/東桜小学区が混在
※2:東桜小/山吹小/東白壁小/葵小学区が混在
※3:東桜小/葵小学区が混在
山吹小学区
相生町(※4)/飯田町/泉一丁目(※1)/泉二丁目(※1)/泉三丁目(※2)/上竪杉町/三の丸四丁目/橦木町/白壁一丁目/白壁二丁目/白壁三丁目(※4)/白壁四丁目(※4)/白壁五丁目(※4)/主税町2~3丁目/主税町4丁目(※4)/東片端町/芳野一丁目(※4)
※1:山吹小学区/東桜小学区が混在
※4:山吹小/東白壁小学区が混在
東白壁小学区
相生町(※4)/赤塚町/泉三丁目(※2)/白壁三丁目(※4)/白壁四丁目(※4)/白壁五丁目(※4)/主税町4丁目(※4)/芳野一丁目(※4)/芳野二丁目
※2:東桜小/山吹小/東白壁小/葵小学区が混在
※4:山吹小/東白壁小学区が混在