今回は東山線「本郷」駅周辺のエリアを調査しました。隣駅が「藤が丘」駅という事であまり目立つ駅ではない「本郷」駅ですが、子育て環境としてはどうなのか?というところを掘り下げていきます。
では、さっそくみていきましょう!
学区について
「本郷」駅周辺は駅北部に本郷小学区、駅南部に上社小学区が隣接しています。
本郷小学区が含まれる藤森中学区は藤が丘特集でも一部ご紹介していますが、今回初登場となる上社小・上社中と併せてご紹介します。
【名東区本郷】学区の位置関係
冒頭でも触れた通り、「本郷」駅周辺は以下の2学区が南北に分かれています。
- 本郷小(→藤森中)
- 上社小(→上社中)
「本郷」駅は上記2学区の境目付近に位置していますが、進学する中学校が異なります。

マップを見ると分かりますが、両学区とも小学校は比較的駅から遠くない場所にあります。一方、中学校は駅東の少し離れた場所にあるため、駅の西側に住んだ場合は通学に時間がかかります。
駅から小中学校それぞれまでの距離と所要時間は以下の通り。
やはり中学校はそれなりに時間がかかりますね。
- 本郷小:約0.5km/所要時間約7分
- 藤森中:約0.8km/所要時間約12分
- 上社小:約0.7km/所要時間約9分
- 上社中:約1.1km/所要時間約13分
※NAVITIME調べ
ちなみに、本郷小学区の南東の端にはブティックホテル(いわゆる”大人のホテル”)が2軒あります。これまで紹介してきたような行政が指定している文教地区周辺ではこのような施設はありませんでした。今回のエリアは文教地区ではないのでこのような施設もあります。
とはいえ、学区の端なので通学の際に前を通るような状況はあまり無いと思うので、そこまで心配する必要は無いと思います。
各学校のホームページ
各学校の公式ホームページは以下の通り。
藤森中ホームページ →こちら
本郷小ホームページ →こちら
===
上社中ホームページ →こちら
上社小ホームページ →こちら
藤森中のホームページはレトロ感満載で、HPを開くと”藤森中のゆるキャラ「藤ちゅう」”が表示されるシュールさがありますが、更新されていないわけではなく、部活動の種類が確認できたり、学校評価が公開されているなど、情報は充分。
特に学校評価は生徒や保護者から見た学校評価の点数や、どの点に不満を持っているかの意見などがチェック可能。実際に住むことを検討をされる方は必見の資料となっています。
本郷小のホームページは学年だよりだけでなくタブレット端末の使い方まで公開されているなど、内容が充実しています。
上社中のホームページは藤森中同様、レトロ感がありますが情報はしっかり更新されているようです。
部活動の種類も紹介ページがあり、現時点ではソフトテニス部(女子)、野球部(男女)、バスケットボール部(男女)、伝承芸能部の4種類のみと少し少なめであることも確認できました。
上社小のホームページは年度の切り替わりのタイミングだったので、掲載情報は少なかったですが内容自体は充実していました。
通勤と通学について
前回の名古屋大学駅の際に作ってしまったので、今回も通勤通学について細かく調べたものをご紹介します。
かなり手間がかかるので気が進まないんですが、編集部が怖いので…
通勤時間
「本郷」駅から以下の6駅までの所要時間をNAVITIMEで調べました。
- 名古屋駅
- 伏見駅
- 栄駅
- 久屋大通駅
- 丸の内駅
- 金山駅
なお、検索条件は
“2023年5月10日(水)の朝8時に該当駅に到着する”
という内容で統一しています。
また、グラフは左から乗車順に並べています。
例えば、「久屋大通」駅なら、
東山線に15分乗車→東山線から桜通線の乗換に5分→桜通線に6分乗車→久屋大通駅着
という感じ。

上図の通り、「金山」駅以外は30分以内には到着可能な立地という事が分かります。
名古屋のメイン路線である東山線の駅だけあって、乗り換えなしで行けるところが多いですが乗車時間は長め。
「本郷」駅は始発駅ではないので座れる可能性が高くない事を考えると、人によっては疲れを感じる時間かもしれません。
ちなみに、東山線始発駅である隣駅の「藤が丘」駅まで定期券を購入しても、名古屋駅、伏見駅、丸の内駅、金山駅の4駅が目的地の場合は値段が同じです。
そのため、”時間がかかっても良いから座りたい”という場合や、「藤が丘」駅前にある商店に頻繁に行く、という方は「本郷」駅でなく「藤が丘」駅まで定期券を買うのも良いかもしれません。
通学時間
通学時間は主要中高一貫私立校と、公立高校の市内上位8校(尾張1群・2群のA/Bグループそれぞれ2校)を調べました。
なお、中高一貫私立校には遠方の学校もあるので、グラフを分けています。
中高一貫私立校
まず、市内にある比較的近い中高一貫私立校の結果です。

市内の私立中学は東山線沿線の学校が少なく、「本郷」駅は東山線でも端の方に位置しています。そのため、比較的通学時間が長めの学校が多くなっています。
それでも40分以上かかる学校はないので、通学が苦痛に感じるケースは少ないのではないでしょうか。
なお、殆どのケースは一般的なルートを採用していると思います。
ただ、東海に関しては、今回の検索結果では「千種駅から歩く」というルートになっています。時間帯や条件を変えると「車道」駅のルートも出てくると思います。
中高一貫私立校・遠方
若干距離がある、滝と春日丘の結果は以下の通りです。
なお、滝は「江南」駅からバス、春日丘は「神領」駅からバス、という想定です。

やはり物理的な距離がある分、時間がかかっていますね。
滝は鶴舞線へのアクセスが不便だと時間がかかる傾向があります。今回の「本郷」駅は特に距離も離れているので、70分弱かかってしまいます。
春日丘は「千種」駅からJRに乗れるのでアクセスが容易な部類に入りますが、それでも1時間弱はかかってしまいますね。
公立高校
公立高校8校の結果は以下の通りとなりました。
なお、旭丘高校は「ナゴヤドーム前矢田」駅から徒歩の想定です。

公立高校の場合は菊里高校、千種高校、名東高校の3校は物理的な距離が近く、15分以内に到着できるなど便利な立地です。
一方、都心に近い明和高校等の他の高校は40分前後。それなりに通学時間がかかってしまうようです。
とは言え、今回ご紹介した学校の場合は最大でも40分前後で到着できるので、通学に困るような立地ではなさそうです。
【名東区本郷】各学校の基本データ
では、各小学校・中学校の基本的な統計データをご紹介します。
中学校に進学した際の他の小学校との生徒比率も気になると思いますので、各中学校学区の全学校のデータをご紹介します。
小学校の生徒数、学級数
小学校の生徒数、学級数のデータは以下の通りです。


出典:2022年名古屋市教育調査統計より作成
上記の通り、本郷小、上社小ともにそこまで大きな規模の学校ではなく、基本的に1学年2-3学級程度の中規模程度の学校です。
本郷小学区の小学生が進学する藤森中は藤が丘小、豊が丘小からも進学しますが、本郷小出身の生徒は1/4程度は居るので”クラス内に極端に知り合いが少ない”という環境ではなさそうです。
一方で、上社小学区の小学生が進学する上社中は上社小出身者しか居ないため、場所は離れていますがある意味「小中一貫校」に近い形。
そのため、中学には”ほぼ知り合いしか居ない”という環境になりそうです。
私立中学進学率
これは、「2021年の公立小の6年生の人数」と「2022年の公立中の1年生の人数」を比較して作成しました。
もちろん、転勤等による引っ越しがあり、私立中学進学を理由としない人数の出入りはあるため多少の誤差は生じますが、大きく外れた数字ではないと思います。
※ただし、1位の白山中のように「そもそも人数が少ない学区で誤差が大きい」というケースもあるのでそのあたりは注意が必要
今回対象としている3学区の私立中進学率は以下の以下の通り。

出典:2021年および2022年名古屋市教育調査統計より作成
藤森中は25位で約15%、上社中はランキングには載っていませんが33位で約13%という結果になりました。
同データで名古屋市全体の数字を出すと約11%なので、上位ではあるもののそこまで比率は高くないと思います。
このことから”公立中から公立高校の上位層を狙う”家庭が多いエリアなのかもしれません。
以前の一社特集でご紹介しましたが、名東区は転勤族が多いことも影響している可能性が高いのではないでしょうか。
転勤を踏まえると、どんなに優秀な子でも中学受験は視野に入れられなくなります。
詳細は後のパートでご紹介しますが、隣駅まで含めれば「本郷」駅の中学受験環境は十分整っていますので、このエリアに住んで中学受験を考えることは充分可能です。
中学校
藤森中、上社中の学級数、生徒数は以下の通りです。


こちらは学校間で規模の差が大きく、特に上社中は1学年で2学級しかない小規模校になっています。
名古屋市の基準では全校で5学級以下でなければ”小規模校”という扱いにはなりません。(※)ですが、上社中は前述の”中学校進学時に他校との合流がない”という状況も考えると環境変化に乏しいのは少し不安要素ではあります。
(※:名古屋市HPナゴヤ子どもいきいき学校づくり計画より)
また、HPのパートでも触れましたが、上社中は生徒数が少なく、部活の種類があまりないため、「中学校で特定の部活をやってみたい」という希望がある場合は注意が必要です。
一方で、藤森中は小学校3校の生徒が集まる中学校だけあって規模の問題は無く、心配する要素はないと思います。
次のページでは、「本郷」駅周辺の周辺環境についてご紹介します。
公園、幼稚園、学習塾、買い物施設、小児科など、子育てには欠かせない各種施設の充実度をグイグイ深掘りしていきます!