伝説の超ナゴヤ人に訊く

伝説の超ナゴヤ人に訊く【東区高岳】駅徒歩2分―空港線沿いの隠れ家的な割烹料理店『趣肴あおき』青木裕和さん

地元の住み心地は、地元の主に訊くのが一番!穏やかな心を持ちながら、激しい地元愛によって目覚めた名古屋最強の伝承者。それが〝超ナゴヤ人〟だ!『伝説の超ナゴヤ人に訊く』第2回は【東区高岳】です。

今回お話を伺ったのは、高岳駅から2分の好立地で割烹料理店『趣肴あおき』を営む青木裕和さん。

前回の反省から、ちゃんとお仕事モードの服装で行ってまいりました(汗)。

こだわりの地元食材とシンプルな調理法が人気の「趣肴あおき」は、今年創業12年を迎えます。

イチョウの木の一枚板カウンター天板と、落ち着いたクラッシックピアノのBGMが特徴の隠れ家的なお店。

青木さんの料理に対する熱くて芯の通ったスピリッツと、高岳という街に対する思いを伺いました。

高岳の地で愛されて12年

高級住宅地としても人気の高い高岳エリア。

この地で12年お店を営業されている青木さんですが、青木さん御自身はこの地にゆかりはなく、元々は奥様のご実家が高岳エリアにあったそうです。

――元々この高岳エリアに馴染みがあったんですか?

いえ、僕はこの土地に全然ゆかりはないんです。
ただ、嫁さんがこのあたりが地元で、すぐ近所の富士中学校出身なんですよ。

もともと店を始めるときに、伏見とか栄で探したんですが、賃料が高くてなかなか条件に見合う物件がなかったんです。

そんなときに、たまたまここのマンションの1階が、ポンと空いたんです。
ただ、当時は内装が何もなくて、ただのコンクリートの箱の状態でした。

キッチンの設備や内装も全部一から作らなきゃいけないし、初期投資がめちゃくちゃかかるじゃないですか。

そのせいで2〜3年ぐらい空いてたみたいなので、それを踏まえて家賃交渉して、なんとか折り合いがつきました。

――実際、このお店の内装ってかなりお金がかかっていすよね?カウンターも素敵ですが、壁も聚楽だし、1000万じゃ足りないぐらいですよね?

そうですね、実際2000万かかりました(笑)(やはり!!!)
もう言い訳できないように、腹を括ってやりましたね。

実は、嫁さんのお父さんが建築士なんですよ。
だから、設計料は少し安くしてもらえたんです。

嫁さんもその設計事務所で働いてたのである程度知識もあって、建築士の免許はないけど簡単な設計図ぐらいは描けたし、子供の頃からのこだわりの理想の空間があったみたいです。

――内装のこだわりはどんなところですか?

僕のこだわりはこのカウンター天板です。
材木屋さんに家族みんなで見に行って選びました。

あとは、全体的にごちゃごちゃしない、シンプルなデザインですね。

他には、僕は素材にこだわった料理で勝負したいので、照明はあえて明るくしてます。

他は設計をお願いした嫁さんのこだわりも強いです。

聚楽の壁に陰影が出るようにしたり、その辺にもこだわってますね。

▲こだわりの一枚板のカウンターと明るい照明

 

▲個室は4〜10名まで対応可能
▲陰影が印象的な聚楽の壁
▲侘び寂びを感じる照明

――高岳エリアで営業されていて、お客様は特徴はありますか?

うちの店は、会社関係の会食と接待が一番多いですね。

会社経営者、医者、弁護士…若い子はあんまり来ないし、和食店としては高い方じゃないですが、BGMもクラッシックなんで、あんまりカジュアルには使われてないかもしれません。

錦や栄は賑やかだけどちょっとガヤガヤしてるから、ちょっと落ち着いた大人の雰囲気のお店で、ゆっくり喋りたいときに選ばれてるんじゃなかな。

あとは、僕は酒が好きなので、日本酒はかなりの種類を取り揃えてます(笑)

▲王道の日本料理と日本酒に舌鼓
▲夏酒 水芭蕉

高岳エリアの日常と子育て

筆者と同じく小学生の子育てに奮闘する青木さんとは、子育ての話題で共感することも多々。

実はお店の近所に住まれており、子育て世代としての高岳エリアについての感想を伺いました。

――今はお店のお近くにお住まいなんですよね。

そうですね。子供が小学校に上がるタイミングですぐ近所に引っ越してきました。

嫁さんが店に出なきゃいけない時があるので、すぐ子供を見に行けるように近くに住むことにしたんです。

お店をやってると、地元の人からいろんな話を聞けるんですよ。

ずっと「この地域の学校は子育てするのにとてもいい」と言う話を聞いてたんです。

たまたまお客さんの繋がりで先生の知り合いもいて、東桜小学校の校長先生を店に連れてきてもらったんですよ。

顔が見えるのもいいし、実際に先生と話してみて、すごくいい人だし、めちゃくちゃ安心しましたね。

――実際にこのエリアで子育てされてみて、どんなことを感じますか?

子育てしやすい街かどうかって、高級住宅地かどうかよりも、結局「人」じゃないですか?

「ちゃんとした人」が住んでる街かどうか、みたいな。

そう言う面では、とても子育てしやすいと感じますね。

驚いたのが、授業参観にお父さんの出席率が高いことです。

僕は店でランチをやってないから、子供の行事も問題なく出席できますけど、普通のサラリーマンのお父さんでもちゃんと来ていて。

時代かもしれないけど、地域柄というか、ちゃんとしっかり子育てしてる人が多いなと思います。

月並みな言い方ですけど、ほんとに「ちゃんとした人」が多いですよ。

僕が一番ちゃんとしてないかもしれないです(笑)

――休日はご家族とどのように過ごしていらっしゃいますか?

休日はほとんど外食です。
うちは嫁さんも酒飲むし、休みの日にまで料理させたくないので。
料理って、買い物してきて、作って食べて、片付けまでやらないといけない。

普通に大変じゃないですか?
片付けなきゃいけないと思うと楽しく飲めないっていうか。

自分がやっててよくわかるので、休みの日くらい二人とも楽しく過ごしたいし、その方が子供も喜びますしね。

(優しい!感動!)

栄に遊びに行くことも多いですよ。

オアシス21まで歩いて10分くらいなので、どこに何があるかも子供の方がよく知ってるくらいです。

車で行くと駐車場探すのに大変ですけど、栄が近いのはほんとに便利ですね。

公園も「名城公園」まで歩いて行くことが多いかな。

学校もいいし、大きな公園もあるし、栄も徒歩圏内だし、住宅地としても環境いいし・・・便利すぎて、もう他のところには住めないですね(笑)

修行時代と南極観測隊の経験からたどり着いた答えは「王道の日本食」

青木さんの経歴の中でも一際目を引くのが「南極観測隊」の経験。

「珍しいだけ」と謙遜される青木さんでしたが、筆者はその中に「趣肴あおき」のコンセプトに通じるスピリッツを感じました。

――お店をオープンされるまでのお話を聞かせてください。

高校卒業してから専門学校に2年行って、寿司屋で1年くらいと、あとは10年くらい地元の和食店で修行しました。

今思えば生意気だったと思いますね(笑)

10年修行して、30歳のときに南極観測隊に参加したんです。

第48次南極観測隊で、全国から35人が集まって、1年間共同生活を送りました。

僕はそこで日本食を担当して、日本人の原点というか、当たり前の日本食の大切さを強く感じたんです。

▲南極の経験から辿り着いた「王道の日本食」

――そうした経験から、今のこだわりが生まれたのでしょうか?

そうですね。

元々そう言う考えではありましたが、南極での生活で強くなったかもしれません。

大切にしたいのは「地元の天然の魚と、四季の野菜」という、時代に流されないシンプルイズベストの日本食です。

地産地消というか、料理の素材はなるべく地元のもの。

器も、東海地方の作家さんのものを自分で探しに行ってますね。

わかりづらいものや奇をてらったものは苦手で(笑)

焼いたり、焼いたり、蒸したり、調理法も極力シンプルに。

僕の料理はインスタ映えしないかもしれないけど、流行り廃りもない。

例えば、「鮎はシンプルに塩焼きが美味しいよね」という考え方で、最終的に王道に戻るみたいな感じですね。

▲鮎は塩焼きが一番

――割烹料理店としては、比較的リーズナブルな価格設定ですよね。

まともなものをそれなりの値段で」っていうコンセプトです。

あんまり儲けたいっていう気持ちがないですよ(笑)

経営者としては良くないかもしれませんけど、自分の考える通りの仕事をして、楽しく生活できてりゃ、それが1番かなと。

記念日デートにふさわしいコスパ満点のコースを堪能

取材から1週間後の7月某日、夫と二人で趣肴あおきのコースを堪能してきました。

実は、私と夫はオープンして2年ほどの頃に一度お店を訪れていたのです。

子育て真っ最中の結婚記念日デートで、まだ小さな子供たちを義両親に預けての束の間のひととき。

当時は経済的にも心許なかった私たち夫婦も、少し背伸びすれば手が届く割烹料理は、子育ての疲れを吹き飛ばしてくれるものでした。

今では留守番もできるようになった子供達。

10年ぶりに訪れた思い出のお店で、お互いの労をねぎらうようにコースを堪能しました。

いただいたのは、一番リーズナブルな4400円のコース。

それでは、取材も撮影もズブの素人である筆者の渾身の食レポをどうぞ!

▲10年ぶりに夫婦で思い出のお店へ

静岡県産の生しらす

全く臭みがなく、つるんとした喉越しで食べやすい!アクセントに生姜がしっかり効いていました。

▲爽やかな喉越し!静岡県産の生しらす

カレイの昆布締めの握り

何もつけずにいただきました。夏はカレイがおすすめだとか。器はお店のいたるところに隠れる瓢箪の形。

▲カレイの昆布締めの握りは何もつけずに

とうもろこししんじょのお吸い物

とうもろこしのほのかな甘味に、ズッキーニの爽やかな青味がベストマッチ。
じゅんさいの繊細な舌触りがアクセントになっていました。

▲ほのかな甘味のとうもろこししんじょのお吸い物

お造り(カツオ・甘海老・マコガレイ)

夏におすすめというマコガレイは淡白ながらプリプリの食感!
鯛やヒラメとはまた一味違う味わいに感動し、「夏はマコガレイ」とメモする私。

▲お造りの盛り合わせ

鮎の塩焼きとおつまみ5種

「夏が来た!」と感じさせてくれる季節のお魚といえばやっぱり鮎。
魯山人が「容姿端麗な魚」と称賛するのも納得の、日本人のスピリットを刺激してくれるお魚ですよね。

香ばしい香り、パリパリの皮、淡白でフワフワの身の食感、ほろ苦いわたも味わい深い。

やっぱり鮎は塩焼きに限る!

おつまみは、湯葉・めかぶ・玉蒟蒻のきんぴら・卵焼き・枝豆。

ちなみに、卵焼きには少々うるさい私ですが、ここの卵焼きはマジで美味しいです。

▲鮎の塩焼きとおつまみ5種

丸茄子の肉味噌田楽

熱々で、トロトロ!おいしすぎる!
もう茄子が言葉にならないくらいトロットロで、肉味噌とチーズがやばい!(ライターなのに語彙力が崩壊)

▲とろける熱々の茄子と味噌がたまらない

素麺

〆は素麺とちりめん山椒のごはんからセレクト 。

素麺は四日市の大矢知の手延べそうめん。一口食べて「!?これ、素麺ですか?」となるコシの強さ。

素麺なのにツルツルシコシコで、生姜とネギのシンプルな薬味で小麦の香りを味わいました。

▲そうめんなのにツルシコ?!大矢知の手延べ素麺

夫はちりめん山椒のごはんをセレクト 。

ソフトタイプのちりめん山椒はほのかな甘みが感じられました。

▲ほのかに甘みを感じるちりめん山椒

ドリンクも豊富

ソフトドリンクも充実しており、私は奥様手作りの「手作りライムジュース」を炭酸割でいただきました。

▲皮まで美味しい!奥様手作りのライムジュース

お酒も豊富な品揃えで、日本酒は25種、焼酎は24種、泡盛や梅酒など戻り添えています。

――夏におすすめの日本酒は?

【播州一献 夏のうすにごり 純米吟醸】
辛口でないのにキレがあり、後味がさっぱりしているのが特徴です。

▲播州一献 夏のうすにごり 純米吟醸

*   *   *

「インスタ映え」と言う言葉が流行りはじめて数年。この時代にビジネスを成功させようと思うと、まずは原価を抑えて魅せ方や珍しさを訴求してしまいそうです。

素材で勝負し、王道を行く「趣肴あおき」のコンセプトは、まさにその逆のイメージ。

青木さんの実直なスタンスが、地元の経営者の方にも信頼されてるのかもしれませんね。

趣肴あおき 店舗概要

名古屋市東区東桜1丁目5番10号 KD X レジデンス東桜II 1F

TEL 052-972-7767

営業時間 17:30~23:00 (LO 22:00)

定休日 日曜日

店舗前 P2台あり

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veronica
名古屋在住の不動産ライター。方向音痴の宅建士。大学卒業後不動産仲介営業を経験し、結婚で名古屋に転居。現在はポータルサイトで不動産コラムの執筆や企画などを中心に活動中。自称和装が似合うマダム。中学生と小学生のママで、星野源が好きです。