駅エリア特集

駅エリア特集【中区大須観音】伝統文化・多国籍・サブカル…「ごった煮」が魅力の街

今回は、市内随一の繁華街である地下鉄鶴舞線「大須幹音」駅をご紹介します。

地下鉄鶴舞線「大須観音」駅

市内随一のオフィス街「伏見」駅から1駅、伏見通り沿いにある「大須観音」駅。

駅周辺の8つの商店街に約1200店もの店舗があり、歴史ある老舗や多国籍グルメ、近年はサブカルなどさまざまな文化の拠点となっています。

東京にたとえるなら、浅草・上野・秋葉原・新宿をごちゃ混ぜにしたような下町情緒にあふれる街。

今回は、そんな新旧文化の発信地でもある「大須観音」駅エリアの魅力をご紹介します。

駅エリア特集【中区大須観音】
  • 伝説の超ナゴヤ人
  • 名古屋子育て情報局dD版
  • 駐車場×筋トレ調査レポ
  • 銘店探訪!あまなトラン
  • ブリヨンのレトロ喫茶店
  • かきみんの家具雑貨店めぐり
  • 東海圏㍇なんでも相談室

「清須越し」によってこの地に集まった神社仏閣

大須エリアの大きな魅力の1つに神社仏閣があります。

江戸時代初期、徳川家康公が名古屋城の築城を決めた際、現在の愛知県北西部にある清須の街から人や店、神社仏閣などが街ごと名古屋城の周辺へ引っ越しました。この歴史上の一大イベントを「清須越し」といいますが、これによって「名古屋」という街が生まれたのす。

現在の中区南部(大須観音〜東別院)エリアには数多くの神社仏閣が移転され、寺町周辺に豊かな下町・町人文化が栄えました。

大須観音

後醍醐天皇にゆかりのある大須観音の正式な寺号は「北野山真福寺宝生院」。

もとは尾張国長岡庄大須郷(いまの岐阜県羽島市大須)にあった寺院が、江戸時代の清須越しの一環として現在の地に移転されました。

本堂は明治時代の大火と第二次世界大戦中の戦災で二度焼失。現在の本堂は昭和45年に再建されたものです。

▲県内だけでなく県外・国外からも多くの参拝客が訪れる「大須観音」
▲正面の仁王門

毎月18日は御本尊、聖観音様の縁日。

毎月18日と28日には境内で骨董市が開催されています。
味わい深い器類などの骨董品や古道具、昭和レトロな雑貨や着物まで、さまざまな品揃えが楽しめます。

客層も幅広く、年配の骨董付きの方から、新たな若い女性まで多くの人で賑わう様子はさながら「蚤の市」。織田信長公の「楽市楽座」のスピリッツを感じることができるでしょう。

▲楽市楽座という言葉がぴったりの大須観音骨董市(Instagram @junna5217 さんの写真)
▲骨董品や着物まで様々な品揃え(Instagram @junna5217 さんの写真)

また、4月には花祭り、7月には夏祭りなど年中行事も豊富にあり、市内の伝統文化の発信地となっています。

※Instagram @junna5217 さん 写真のご提供ありがとうございました!

亀岳林 万松寺

天文9年(1540年)、尾張地域を支配していた古渡城主・織田信秀公(織田信長公の父)が織田家の菩提寺として建立した寺院。

創建時の場所は現在の中区錦から丸の内あたりにありましたが、名古屋城築城にあたって現在の地に移転されました。

当時の寺域は2万2千坪余りと広大でしたが、大正元年にその大部分を市民に開放したことで、このエリアが名古屋最大の繁華街として発展したのです。

大戦時の大空襲では大きな被害を受けましたが、商店街と相互反映を図り見事に復興を遂げました。
現在も大須一帯の大地主である万松寺は、商店街全体の発展に欠かせない存在となっています。

▲現在も大須一帯の大地主である万松寺

總見寺(そうけんじ)

大須公園の目の前にある、荘厳な門構えと睨みを利かせる仁王像が印象的な總見寺。

織田信長公亡き後、次男の信雄が伊勢国の安国寺を引き取り、信長公の菩提寺として再興したもので、江戸初期の清須越しにより大須に移転しました。(宗教法人の登記名は新字体「総見寺」としています。)

この寺院の門が開かれるのは1年に1度、6月2日の信長公の命日だけ。
その日は御朱印をいただける数少ないチャンスということで、多くの人が参拝に訪れます。

▲仁王像が印象的な荘厳な門構え

「ごった煮感」が魅力!活気あふれる『大須商店街』

大須観音周辺の最大の魅力は、年齢・性別・国籍を問わず、さまざまな文化の発信地となっている『大須商店街』。

縦横に8つの商店街通り(万松寺通・新天地通・東仁王門通・仁王門通・大須観音通・門前町通・大須本通・赤門通)にはアーケードが設けられており、約1200店もの多種多様な小規模商店が軒をつらねています。

また、通りをつなぐ路地が迷路のように張り巡らされており、線ではなく面としてのエリアが「ごった煮」と評される多種多様な文化を発信しています。

伝統文化の拠点

新しいものも、昔ながらのものも楽しめるのが『大須商店街』の大きな魅力。
ここでは、伝統文化の発信地としての側面を紹介します。

大須演芸場

寄席や落語など、本格的な古典芸能を楽しめる中京地区唯一の歴史ある演芸場です。

享保の改革(8代将軍・徳川吉宗)によって江戸が質素倹約を強いられていた時代、尾張藩では規制緩和と開放政策を行い芸術や芸能を厚く保護したため、町人文化が大きく繁栄しました。芝居小屋が建ち並ぶ大須の界隈は「芸どころ名古屋」の中心地として発展。

その意思を引き継いで戦後誕生した大須演芸場ですが、経営難や建物の老朽化のため2014年に惜しまれながら閉館しました。

しかし、閉館の翌年、名古屋青年会議所の会員を中心としたメンバーが一般社団法人大須演芸場を設立。ボランティア団体として『大須演芸場』をリニューアルオープンさせています。
コロナ禍で苦境が続く中でも、クラウドファンディングなどで資金を募り、定席寄席を続けています。

▲リニューアルした『大須演芸場』
▲2015年に一般社団法人として再出発

春香堂

室町時代の後半に栄えた東山文化の中で芽生えた香道。8代将軍足利義政が香を愛で、芸道としての体系を作りました。

『春香堂』は、大正10年創業、100年もの間この大須で営む老舗のお香専門店。

戦前は漢方薬も販売していましたが、戦後はお香の専門店として伽羅・沈香・白檀・線香・焼香・ろうそく等を販売しています。
店内には一番人気の白檀のお香「沙羅双樹」を始め、リーズナブルなものから高級品まで多種多様なお香の品揃え。
最近は若者の間でも人気が出ていることから、若者に向けたスタイリッシュな商品もあります。

現在は本店社屋を改築中のため、仮設店舗で営業中です。

▲現在は仮設店舗で営業中
▲お香だけでなく香炉もかわいい
▲一番人気の白檀香「沙羅双樹」

●店舗概要
住所:名古屋市中区大須2丁目15-32
営業時間:平日・土9:00-18:00 日祝10:00-18:00
年中無休(年末年始、臨時休業を除く)

KOMEHYO きもの館

日本最大級のリサイクルショップを経営するコメ兵のきもの専門店。

1階部分は本格的な​​着物や帯、和装小物、ゆかたなどの新品や中古品を販売。2階は気軽に着物を楽しめる格安な中古品を中心に販売しています。

▲KOMEHYO きもの館
▲訪問着から普段着まで幅広い着物がお手頃価格で一式揃う

名古屋のサブカルの発信地

大須商店街のもう1つの魅力は、フィギュアやアニメ関連、ユニークな雑貨店などディープなサブカルの発信地でもあること。
そんな若者を惹きつけるサブカルスポットをご紹介します。

大須モノコト

大須観音・仁王門の正面にある雑居ビル久の2階にある、カフェ・ショップ・ワークショップが一体となったお店。
さまざまな作家さんの「モノ」や教室やライブなどの「コト」を扱い、「ヒト」をつなぐスポットになっています。

店内は「サブカル好きにはたまらない」独特の雰囲気。個性的な雑貨が所狭しと並んでおり、それでいてどこかまとまりを感じる…まさに大須の「ごった煮感」を体現しています。

▲大須観音仁王門前にある『モノコト』
▲異国情緒あふれる店内の様子
▲一目惚れして買ってしまった横開き式の中国の扇子

実は、店長は筆者の義妹がかつて働いていた雑貨店の同僚だった方!
取材の際に判明し、「名古屋って狭い!」を実感するのでありました。

●店舗概要
住所:名古屋市中区大須2丁目25-4久野ビル 2階
開店時間:12:00〜21:00
定休日:不定休(毎月カレンダーで表示)

7ツ寺共同スタジオ

アンダーグラウンド文化の勃興期であった1972年に創立、今年創立50周年を迎える小劇場。
演劇・新劇・舞踊・実験映像・パフォーマンスなど、さまざまな表現活動のための開かれた空間です。
名古屋だけでなく、日本全国の現代演劇や舞台芸術の活動を支え続けています。

▲窓の手書き文字は硬派な「ゲバ字」

●スタジオ概要
住所:名古屋市中区大須2-27-20
※貸館は要予約

幅広いグルメ文化

大須の商店街では、気軽な定食屋さんから本格的なイタリアン、食べ歩き向けの軽食、スイーツ店、高級喫茶まで幅広いグルメが満喫できます。
今回は、筆者が取材と称して本気で堪能した大須グルメをいくつかご紹介します!

創業50年以上!『串平』

大須観音通りにある創業50年以上の串カツ屋さん。
この日は1000円のちょい飲みセット(ヒレ串、どて煮、ドリンク)をいただきました。
(最高のビール日和でしたが、夕方に運転を控えていたのでジンジャーエールになってしまったのが残念!)

▲大須観音通りにある老舗の串カツ屋さん
▲1,000円のちょい飲みセットはワンドリンクにヒレカツ串と土手煮

●店舗概要
住所:名古屋市中区大須2-17-1
営業時間:12:00~19:00
定休日:月・火曜(不定休あり)

インスタ映えならこだわりクロッフル『yokubaru』

焼きたてクロッフルとオリジナルドリンクのテイクアウトカフェ。
インスタ映えを意識して、紅芋のクロッフルをいただきました。

映える!かわいい!気持ちが10歳は若返る!
焼きたてのもちもちクロッフルは意外と甘さ控えめ。紅芋の間の生クリームも軽い口当たりで、紅芋モンブランも甘さ控えめで紅芋の味がしっかりと出ていました。

▲鈴鹿店・東山店に次いで8月10日にOPENしたばかりの大須店
▲心が10歳は若返る!?見た目もかわいいクロッフル

●店舗概要
住所:名古屋市中区大須2-26-8
営業時間:11:00~18:00

贅沢な時間を堪能できる珈琲専門店『CAFE CEREZA』

筆者が知り合いのカフェオーナーに「大須に行くなら必ず行くべし」と激推しされたCAFE CEREZAさんのコンセプトは NO COFFEE NO LIFE。
マスターが農場から直接仕入れたこだわりの珈琲を、時間をかけてじっくり堪能できます。

店内はほとんど照明がなく、灯はカウンターの席にあるキャンドルのみ。

どう考えても数万円しそうなマイセンのカップで提供される漆黒のブラックコーヒーは1杯1,500円!
深い苦味、芳醇な香り、時間が経つごとに味わいが変わる味わい、大人の階段をまた一歩登りました。
高い!と感じるのか、至高の時間に対する当然の対価と感じるかはあなた次第です。

▲珈琲専門店『CAFE CEREZA』
▲ずらっと並んだカップはどれも高級そう・・・
▲漆黒のブラックコーヒーは深い苦味と芳醇な香り

●店舗概要
住所:古屋市中区大須3-27-32
営業時間:月曜日~土曜日 12:00~20:00 (L.O19:30)
祝日      12:00~18:00(L.O17:30)

定休日:日曜日&不定休

編集部イチ推し!ライフインフォメーション

「住む街」としての「大須観音」駅周辺の魅力

賑やかな商店街のイメージが強い大須観音エリアですが、実は住む街としても非常に機能的です。

『大須商店街』内に飲食店は豊富にあるので、「食べるものには困らない」ということは間違い無いでしょう。
商店街には生鮮食品なども取り扱うスーパー「サノヤ」をはじめとして、大型のドラッグストア、100円ショップなどもあり、車を持たない生活でも生活に必要なものが一通り揃います。

また、商店街のコアタイムは11:00〜20:00で、朝と夜はとても静かなことが特徴です。

▲『生鮮食品館サノヤ』
▲『生鮮食品館 サノヤ』の臨場感ある商品陳列

 

▲ドラッグストアも大型店が数店出店している
▲100円ショップも大型店のため豊富な品揃え

編集後記

さまざまな文化が交錯する『大須商店街』は「ごった煮」が大きな魅力です。

オフィス街である「伏見」駅や「丸の内」駅、繁華街である「栄」駅までも徒歩10〜15分圏内。近年発展が著しい名駅エリアも自転車があれば10分ほどの距離にあります。

他のエリアへのアクセスが良いことも大きな魅力といえるでしょう。

駅エリア特集【中区大須観音】
  • 伝説の超ナゴヤ人
  • 名古屋子育て情報局dD版
  • 駐車場×筋トレ調査レポ
  • 銘店探訪!あまなトラン
  • ブリヨンのレトロ喫茶店
  • かきみんの家具雑貨店めぐり
  • 東海圏㍇なんでも相談室
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veronica
名古屋在住の不動産ライター。方向音痴の宅建士。大学卒業後不動産仲介営業を経験し、結婚で名古屋に転居。現在はポータルサイトで不動産コラムの執筆や企画などを中心に活動中。自称和装が似合うマダム。高校生と小学生のママで、星野源が好きです。