駅エリア特集

駅エリア特集【千種区昭和区名古屋大学】広大なキャンパスの存在感と美しい並木道がシンボリックな街 ~ 古川記念館・千代保稲荷神社

今回特集するのは、地下鉄名城線「名古屋大学」駅。「名古屋大学東山キャンパス」内を通る山手グリーンロード沿いにあります。

地下鉄名城線「名古屋大学」駅

全国的にも珍しい大学キャンパス内にある「名古屋大学」駅。
駅が開業する前の『名古屋大学』は、地下鉄東山線の「本山」駅が最寄り駅でした。「名古屋大学」駅は2003年に開業。2004年に名城線が環状化したことで周辺エリアの利便性が飛躍的に向上しました。

▲駅を降りてまず目に着くのは中央芝生の奥に立つ「豊田講堂」1960年築の名建築です。
駅エリア特集【千種区昭和区名古屋大学】
  • 伝説の超ナゴヤ人
  • 名古屋子育て情報局dD版
  • 駐車場×筋トレ調査レポ
  • 銘店探索!はこなトラン
  • 中古マンション漂流記

「名古屋大学」駅周辺の街並み

広大な『名古屋大学東山キャンパス』と山手グリーンロードの美しい並木道

「名古屋大学」駅の所在地は千種区。ただ、地図上で確認してもわかるように、千種区内の駅徒歩圏はほぼ大学のキャンパスで占められています。

▲用途地域マップより。名古屋大学駅徒歩圏の千種区エリアは、ほぼ大学の敷地。薄黄色の部分は第一種住居地域=大学の敷地となっている。その周辺エリアは第一種低層住居専用地域(深緑色)のため、一戸建てが中心の閑静な住宅街。

そのため、名古屋大学駅を最寄駅とする住宅地は昭和区が中心。
キャンパスを横切る山手グリーンロードは、初夏になると緑が鮮やかに繁る並木道となっています。

▲山手グリーンロードは歩道や並木が整備されていてウォーキングやランニングにも最適

のんびりお散歩する人、ウォーキングやランニングする人の姿も多く見られ、この街に住む人が誇りに思う風景の1つです。

通りを彩るのは、学生向けの割安な飲食店や、ペルシャ絨毯の専門店、おしゃれなブティックやカフェ、人気のスイーツ店など。

▲山手グリーンロードを彩るお店

といっても、店舗数はそこまで多くありません。ガヤガヤとした「学生街」ではなく、あくまで閑静な「住宅地」。
学生さんにとってはお店が少なく少し物足りないかもしれませんが、住むにはちょうど良いと言う印象です。

キャンパス中央芝生の南側の道向かいに位置するマンション『シャンボール山手』は1977年築。

▲山手通り沿いのヴィンテージマンション『シャンボール山手』の存在感は格別!

飲食店やブティックなどが入居する白亜のヴィンテージマンションは、街のシンボル的存在です。(『シャンボール山手』については、こうさんの「中古マンション漂流記」でも特集しています!)

一戸建て中心の閑静な住宅地

山手グリーンロードがから一歩奥に入ると、ややアップダウンのある地形となります。

▲山手グリーンロードの両脇はやや起伏の多い地形。急勾配の坂道のコンクリート舗装に使われる、あの「輪っか」を発見。

通り沿いと大学の敷地以外は大部分が第一種低層住居専用地域となっており、基本的には商業施設が建てられないエリア。

文教地区のため、もちろん青少年の教育にふさわしくない店舗(ゲームセンターなど)もNGです。

▲用途地域マップより。山手グリーンロード以外はほぼ第一種低層住居専用地域(低層マンションか一戸建てしか建てられない)

大学周辺は、丘陵地ならではの一戸建てや低層マンションを中心とした緑豊かな住宅街が広がっています。

駅の南東部にある「高峰町」は昭和区を代表する高級住宅地。以前は中京テレビの本社がありました。
一戸あたりの敷地面積も広く、素敵なデザインの豪邸と呼ぶにふさわしい家々を眺めながらお散歩するだけでも心躍ります。

▲高峰町は昭和区を代表する高級住宅地で、瀟洒なデザインの立派な邸宅が並んでいます。
▲敷地が大きくて、石垣も立派・・・

キャンパス南西部にある「福原町・宮東町・神村町・伊勝町・八雲町」あたりも、第一種低層住居専用地域に指定された戸建中心の住宅街。このエリアには、学生向けのアパートもいくつかあります。

▲名古屋大学〜伊勝小学校の中間エリアも戸建中心の住宅街。このエリアには学生アパートもちらほら。

本山駅や川名駅へもギリギリ徒歩圏、名古屋高速四谷ICも近く、交通利便性は抜群のエリアです。

そして、キャンパスを横切れば、駅からの距離が実は物件情報の表示より近いというのも重要なポイントですね。
地形としてはややアップダウンはあるものの、キャンパスを横切れば駅からの道のりはかなりフラットです。(これ、ナイショですよ🤫)

グローバルな大学・グローバルな街

旧帝大の1つである名古屋大学は、文部科学省が指定するスーパーグローバル大学事業のトップ型指定校。
海外の大学と連携して世界レベルの教育研究を行っているため、世界中から夢を持った学生やハイレベルな学生が集まる大学なのです。
(なんと、全学生の10%以上を占める16,000名が外国人留学生!)

キャンパス内だけでなく、山手グリーンロード沿いや住宅街を歩いていても外国人の姿がちらほらと見られます。
留学生として来日し、この住環境が気に入ってそのまま大学周辺に住み続ける人も多いそう。

山手グリーンロード沿いにあるペルシャ絨毯専門店『ペルシャギャラリー』の看板娘・梨納さんに街の印象を伺いました。

私はこの街で生まれ育っていますが、小学校時代の登校分団は半分が外国人でした。
研究員として来日している方や、ドクター(博士課程)を取りに来ている方のファミリーも一緒に来ているし、かつて名古屋大学で留学生として学んでいた方がこの街を気に入って住み続けているという話も聞きますね。

名古屋大学だけでなく、山手グリーンロード沿いには南山大学、中京大学、名城大学と大学がたくさんあって、留学生や外国人の先生がたくさんいます。
それが『普通』だから、外国人も住みやすいのかなというイメージですね。

特に輸入食材店が充実してるってわけでもないけど、日本に関心があって留学に来ている人は、日本が好きで住んでいるのかも。

あと、私は大学院にいるのでよくわかるのですが、名古屋大学の留学生は特に夢を持って来ている人が多い印象です。
学ぶこともそうだし、ここで学んだことを活かして成功して、自分の国で一旗揚げたい!という意欲的な人がたくさんいます。

とても刺激を受けますし、自分も頑張ろう!と思いますね。

イラン人の父と日本人の母を持つ梨納さんは、名古屋大の大学院で学ぶ学生さんでもあります。

▲『ペルシャギャラリー』の看板娘として、InstagramやYoutubeでペルシャ絨毯の魅力を発信する小島梨納さん

この街で生まれ育ち、この街で学び、この街で働く彼女の快活な笑顔の源は、徒歩5分圏内に揃うグローバルな環境なのかもしれませんね。

伝説の超ナゴヤ人記事では、『ペルシャギャラリー』店主・アリさんへのインタビュー記事がご覧いただけます。)

編集部イチ推し!ライフインフォメーション

『名古屋大学東山キャンパス』内のアカデミックな施設

『名古屋大学東山キャンパス』内には、地元民も親しめる施設があります。
ここでは、いくつかの施設をご紹介します。

▲図書館前の広場の脇道。歩道の両脇に並木があるので緑のシャワーが気持ちいい。

豊田講堂

駅を降りてまず目につくのは、東側にある芝生の向こうに建つ『豊田講堂』

▲正門のない名古屋大学東山キャンパス。『豊田講堂』はまさに大学のシンボル的存在。

地元を代表する世界的企業「トヨタ自動車」の寄付により、1960年に建設されました。
コンクリート打ち放しのモダンなフォルムはキャンパスのシンボル的な存在で、建築学会で大きな評価を得ている名建築です。(1962年に日本建築学会賞を受賞)

大学や附属中学校・高校の入学式・卒業式に加え、近隣中学校(川名中学校・城山中学校)の合唱会などでも使われています。

名古屋大学博物館(古川記念館)

2000年に建設された国内5番目の総合大学博物館。
前身となる「古川記念館」は地元の名士である古川為三郎夫妻より寄贈され、「古川図書館」として親しまれてきました。

▲市民が気軽に利用できる名古屋大学博物館は地元の名士による寄贈

小学生も参加できる「地球教室」などのイベントなども定期的に開催されており、知る人ぞ知るアクティビティスポットです。

▲GWまでは岐阜大学との博物館コラボ展を開催中

2008ノーベル賞展示室

名古屋大学博物館の別館として、2008ノーベル賞展示室があります。

2008年にノーベル物理学賞を受賞した3名の博士は名古屋大学を研究の拠点としていました。
小林・増川理論の解説パネルや、下村博士の「緑色蛍光タンパク質 GFPの発見と開発」についての研究内容、ノートの実物などが展示されています。

(一生懸命読んで詳しい人に解説してもらったりした結果、私には1000年くらい早い内容であることがわかりました。)

▲別館のノーベル賞展示室では、2008年にノーベル賞を受賞した研究内容が展示されています。

学内のカフェ

キャンパス内には、スターバックスコーヒーを始めとして様々なカフェやレストランがあります。中には学生向けのリーズナブルな価格設定のお店も。

▲ノーベル賞受賞者を輩出していたり、地元企業からの寄付もあってか、キャンパス内のカフェや飲食店が何気にいい感じ。大学の敷地が広いからこそ、1人あたりのスペースも広い!お金あるんだなぁ・・・

リーズナブルな学生向け飲食店

学生が多く住んでいることもあり、キャンパス周辺には学生向けのリーズナブルな飲食店やファミリーでも使いやすいお店が点在しています。

その中でも、筆者がよく行くお店を3店ご紹介。

ハロキ

学生街の飲食店に期待することといえば、やはりボリュームとコスパ。
その代表格が手こねハンバーグ ハロキです。

▲駅徒歩1分の距離にある手こねハンバーグ専門店

なんと、ランチは700円から!
鉄板で提供される熱々でグツグツのハンバーグに食欲がみなぎる。

▲チーズハンバーグ(ライスとスープはお代わり放題) は900円。目玉焼きを+50円でトッピング 。

お肉は粗挽きで、「肉」を感じたい学生も大満足のはず。
それでも足りない!という食いしん坊さんは、+400円で倍量にできます。

Cafe Miura

名古屋大学から西へ徒歩11分、住宅街にひっそりと佇む筆者お気に入りの純喫茶。


今月は『ブリヨンのレトロ喫茶店』がお休みのため、駅エリア特集担当の独断で急遽ねじ込みご紹介します!

内庭があって、朝から光が差し込む爽やかな店内。

▲どうしても紹介したかった筆者行きつけの純喫茶。

モーニングには卵だけでなくスライスチーズ1/2とバナナ1/2もついて来ます。(コ○ダより豪華!)

▲ミックスジュースと豪華なモーニングセット

コーヒーも美味しいです。

ランチはザ・喫茶店!のメニュー。筆者は鉄板ナポリタンがお気に入り。

▲ランチメニューもザ・喫茶店の定食。鉄板ナポリタンをヘビロテしています。

CAFE BLANC

キャンパス内にあるものの、山手グリーンロード沿いなので一般のお客さんも入りやすいカフェ。
建物は『名古屋大学ジェンダー・リサーチ・ライブラリ』という大学内の図書館。

▲落ち着いた雰囲気の学内カフェ

このカフェにあるパンは、東山に本店がある人気のブーランジェリー『BLANC PAN』のもの。
ベーグルサンドやフォカッチャサンド、パニーニが人気です。

このカフェのカウンターから外の景色を眺めながら、仕事(のふりしてTwitter)をするのが私の日常です。

▲山手グリーンロードを眺めながら仕事してるふりしながらTwitterしながらコーヒー飲んでる人がいたらたぶん私です。

神社

暮らしやすい街には、どこか心が癒される神社があるもの。(筆者の偏見?)
このエリアにある2つの小さな神社をご紹介します。

千代保稲荷神社

日本三大稲荷の一つである岐阜県の千代保稲荷神社(通称おちょぼさん)の名古屋支所。
赤い鳥居が連なる風景は、さながらジブリの映画に出てきそうな雰囲気。
小さいながらも趣のある神社です。

▲岐阜のおちょぼさんの名古屋支社。赤い鳥居が印象的。

節分の日の豆撒きが人気ですが、春になれば桜やツツジを楽しめるスポットでもあります。

▲毎年節分の豆撒きが人気

伊勝八幡宮

伊勝町にあるこじんまりとした佇まいの神社。
御神木であるアベマキは独特の存在感です。

▲どこか神秘的な雰囲気を宿す御神木のアベマキ

閑静な住宅地内にあり、隣接する「伊勝小学校」の子供たちの声が時折聞こえてくる以外は、心地よい静寂に包まれています。

▲総檜造の社殿。手入れの行き届いた境内は静かで爽やかな空気が流れている。

社殿は総檜造。参道や境内はいつも美しく保たれていて、気持ちいい空気が流れるスポット。
陶製の狛犬がいくつか残っており、愛知県の指定文化財となっています。

取材後記

全国でも珍しい大学キャンパス内にある駅。

名古屋市を代表する国立大学のキャンパスは、その規模や存在感、実績や佇まいまで、この街に住む人々の誇りでもあります。

特に、世界中から優秀な人材が集まっていることで、多様性を育む街として成長していることも、この街の大きな魅力と言えるでしょう。

教育環境が素晴らしいだけでなく、住宅地としても美しく綺麗な街です。

新緑の季節になったら、ぜひ一度山手グリーンロードをドライブしてみてくださいね。

駅エリア特集【千種区昭和区名古屋大学】
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veronica
名古屋在住の不動産ライター。方向音痴の宅建士。大学卒業後不動産仲介営業を経験し、結婚で名古屋に転居。現在はポータルサイトで不動産コラムの執筆や企画などを中心に活動中。自称和装が似合うマダム。高校生と小学生のママで、星野源が好きです。