駅エリア特集

駅エリア特集【千種区東山公園】市内屈指の観光地でありながら閑静な住宅地 ~ 東山動植物園・千種スポーツセンター・千種図書館

市内でも最も人気の高い地下鉄東山線沿線。
名城線との乗り換え駅でもある「本山」駅と、三越百貨店や星が丘テラスなど商業施設が充実した「星ヶ丘」駅。
市内でも人気の住宅地であるこの2駅の中間にある「東山公園」駅は市内随一の観光スポット『東山動物園』の最寄駅でもあります。

地下鉄東山線「東山公園」駅

「東山公園」駅ホームの壁面には動物や植物のイラストがあり、観光客も含め1日平均8,000人前後が乗降します。

▲駅構内には動物のモチーフが多々
▲地下鉄案内図がLEGOでした!
▲町のシンボルでもある東山スカイタワーは地上134m
駅エリア特集【千種区東山公園】
  • 名古屋子育て情報局dD版
  • 駐車場×筋トレ調査レポ
  • 銘店探訪!あまなトラン

「東山公園」駅周辺の町並みの特徴

地下鉄東山線が地下を走る「広小路通」は「東山公園」駅以西の呼称。この駅より東側は「東山通」と呼ばれます。
動植物園に近い3番出口は、学習塾などが入居する東山ビルと直結しています。

▲駅前の東山ビルは建て替え予定とのこと。

広小路通(東山通)が最も標高が低く、その南北がすり鉢状の地形になっているため、北側は綺麗な南垂れの台地。
通り沿いは賑やかな印象ですが、一歩奥に入るとびっくりするほど静かな町並みが広がっています。

▲用途地域マップより。広小路通(東山通)沿いは商業地で、その南北は主に住居専用地域。南側は戸建中心、北側はマンションと戸建が混在する閑静な住宅地が広がっている。

千種区は東西で町の雰囲気が大きく異なり、西は繁華街、東へ行くに連れて住宅街の印象が強くなります。

「本山」駅や「星ヶ丘」駅の場合、駅を起点に四谷通りや星が丘テラスなど南北方向にも商業地が発展しています。
一方、東山公園駅周辺で商業化しているのは主に広小路通(東山通)沿いのエリアのみ。

南側には『東山動植物園』を含む広大な「東山公園」と「名古屋大学東山キャンパス」が広がり、
北側には「平和公園」内の新池とグラウンド、千種スポーツセンターがありますが、公共施設や公園を除けばほとんどが住宅地で形成されています。

閑静な住宅街のなかに、ときどき隠れ家的なパン屋さんやお蕎麦屋さん、喫茶店などが点在していますが、動物園のお客さんで混雑している様子でもありません。

▲住宅街にひっそりと佇む純喫茶はサンドイッチが美味しい支留比亜珈琲店
▲サイフォンコーヒーが美味しい「喫茶BON」は東山通沿いのビルの地下にある
▲新池公園向かい、マクロビランチが食べられる「旬菜カフェ おてあて」
▲広小路通(東山通)沿いは車通りも多く、通り沿いも賑やか

戸建は1件あたりの区画が広く、「高級住宅地」と言う雰囲気。
道路もすっきりと区画されており、整然とした町並みです。

▲東山通から一歩奥に入ると驚くほど静かな環境
▲道路はすっきりと区画されており、一方通行が多いので車通りも少なめ

マンションも1970年代から最近までコンスタントに分譲されています。
全体としては総戸数80戸くらいまでの小〜中規模マンションが中心。
落ち着いた瀟洒なデザインのマンションが多い印象です。

個人的に大好きなアウトフレーム工法の綺麗なタイル張りマンションが多く、
街歩きをしていて非常にテンションが上がりました。
東山線沿線にこんな楽園があったのか…と思わせる上質な住環境の街です。

▲東山通の北側は南垂れの緩やかな台地で、日当たりの良いマンションが並ぶ
▲マンションオタクの筆者。どストライクの外観(アウトフレーム工法&タイル張り)のマンションがたくさんあるのでお散歩が楽しみ。

東山動植物園

東山公園の整備計画ができたのは、大正15年のこと。
大正11年に発生した関東大震災を受け、全国的に避難地としての公園整備の必要性が叫ばれていました。

当時の名古屋の公園計画のおよそ半分を占めるのが、現在の東山公園です。(約81万坪)
当時の名古屋市の市街地はせいぜい覚王山あたりまで。それより東側は山林が広がっていました。

▲東山動物園(正門)

東山動物園の歴史

東山公園といえば、やはり一印象が強いのは動物園。
東山総合公園管理課の阿部さんにお話を伺いました。

ーー東山動物園はいつからあるのでしょうか?

動物園の開園は昭和12年です。
それまで鶴舞公園にあった動物園をこちらに移転してきました。

当時は山林や農地が中心の地域だったそうですが、開園のために土地を寄付していただいたり、地元のご協力があって開園できています。
今ではすっかり高級住宅地という感じですよね。

ーー昭和12年開園ということで、戦時中の被害はなかったのでしょうか?

空襲については、植物園の温室ドームに被害があったようですが、幸い動物舎には大きな被害は出なかったそうです。
ただ、やはり餌の確保が難しく、寒さや飢えで多くの動物が亡くなってしまいました。

また、戦時中には全国の多くの動物園で虎やライオンなど危険な動物の殺処分が行われました。
上野動物園のゾウの殺処分のお話は有名ですが、東山動物園ではゾウを守りたいという意志が強く、なんとか2頭のゾウが生き残り…。

全国で生き延びたのは東山のゾウだけだったそうです。

戦後は昭和21年の3月に再開園。昭和24年6月から、全国の子ども達にゾウを見せるゾウ列車を運行し、延べ1万1千人もの子供たちの希望となりました。
「ぞう列車が走った日」

▲東山動物園の象徴的な存在となったゾウ。ゾージアム(アジアゾウ舎)は2013年にリニューアル。

近隣住宅地との関係

ーー周辺の住宅地は「高級住宅街」というイメージですが、鳴き声や匂いなどのトラブルはないのでしょうか?

園内に入れば生き物ですから多少の匂いはあるかもしれませんが、園の面積自体がかなり大きいからか、ご近所からの匂いに関するクレームは全くありません。

また、動物の鳴き声に関してもクレームになったことはありません。
個性的な鳴き声としてはフクロテナガザルが有名ですが、昼間に耳をすませれば園外でも聞こえるそうです。平和公園の辺りまで聞こえるという話も。ただ、園外までうるさいというものではなく、鳥の鳴き声のような日常の環境音になっているのかもしれませんね。

現代の動物園の役割と見どころ

ーー動物園として、現在の主な取り組みについて教えてください。

動物園は、かつては「見たことない動物が見られるレクリエーション施設」でした。
ですから、開園当時はゴリラのショーやゾウを使ったサーカスなどもやっていました。

しかし、1970年代くらいから「野生動物を連れてきて動物園で暮らす意義」というものが、動物倫理の観点から見直されてきました。

現代の動物園は、「環境教育」に重きを置いており、「動物をめぐる環境に何が起こっているのか」というところまで深い理解を促す施設になっています。

例えば、絶滅危惧種について調べてみると、結局は人の経済活動や社会活動によって生息地が脅かされているんですね。

動物達のことを知ってもらうだけでなく、その生息地域の環境にも目を向けてもらう。
動物に触れ合うことを通じて、地球や環境について考えるきっかけとなる施設を目指しています。

▲名古屋の老舗企業brotherの協賛によるプロジェクト:東山動植物園ホームページより

もう1つの役割は、「種の保存」のための施設です。
「生息・生きがい保全」という言葉があるのですが、東山動物園では「ツシヤマヤマネコ」という長崎県の津島にしかいない日本固有の種を飼育しています。
もし現在の生息地に災害などがあって野生のツシマヤマネコがいなくなってしまったとしても、動物園が「ノアの方舟」の役割を果たすことができるわけですね。

▲絶滅危惧種に指定されているツシマヤマネコ

これは環境省の取り組みとして、日本全国の動物園が行っています。
これからの取り組みにはなりますが、いずれは繁殖して野生に返すことを目標にして活動しています。

ーー現在、東山動物園で見られる動物の赤ちゃんはいますか?

今は、コアラの赤ちゃんが3頭同時に見られる状態です。
コアラも絶滅危惧種に指定されています。
数年前にオーストラリアで大規模な森林火災があり、コアラの生息地も大きな被害を受けました。

ゾウの赤ちゃんも昨年6月に生まれました。
ゾウの繁殖はとても難しいんです。
体の大きな動物で、発情期も短いのでペアリング自体が難しい。さらに2年間の妊娠期間がありますので無事に生まれてくるかという課題もあります。
ただ「動物園といえばゾウ」というイメージもあるくらい象徴的な動物ですから、繁殖していくことも大きな役割だと考えています。

人気のイケメンゴリラ「シャバーニ」も繁殖に成功して、オスメス1頭ずつ子供がいます。

▲コアラの赤ちゃん🐨 名前は「おもち」 写真提供:名古屋市東山動植物園
アジアゾウの赤ちゃん🐘 名前は「うらら」。姉「さくら」母「アヌラ」と。写真提供:名古屋市東山動植物園

編集部イチ推し!ライフインフォメーション

生活利便施設

千種区役所仮設庁舎

池下駅前にある千種区役所(昭和45年竣工)の建て替え工事のため、2023年1月4日より新池公園北側にある「東星ふれあい広場」に仮設の庁舎を移転しています。
新庁舎は2027年度に完成予定のため、5年ほどは利用することになる模様。

期間限定ではありますが、区役所での手続きが身近にできるようになるのば便利ですね。

▲千種区役所の仮庁舎

住所:名古屋市千種区星が丘山手103番地(東星ふれあい広場)

千種スポーツセンター

東山通り沿いにある市営のスポーツセンター。
「東山公園」駅「星ヶ丘」駅いずれも徒歩5分ほどの距離にあり、交通の便が良い立地です。
有酸素マシンやウエイトマシンのほか、クライミングウォールもある充実した設備が特徴。
プールが大人500円、マシンジムが大人300円と安価な料金も魅力です。
新池公園のグラウンドも隣接しているため、部活動の大会などにもよく使われている様子。
詳しいレポートは駐車場×筋トレレ調査レポをお楽しみに!

▲クライミングウォールなど珍しい設備が充実している
▲隣接する新池グラウンド

住所:名古屋市千種区星が丘山手121
営業時間:10:00〜22:00 (日祝は〜18:00)
定休日:金曜日

千種図書館

千種スポーツセンターの向かいにある市営図書館で、古くからある図書館です。
現在は耐震改修工事中のため、2023年9月7日まで一部開館しています。

▲現在は耐震工事中の千種図書館

住所:名古屋市千種区田代町字瓶杁1番地の137
営業時間:火〜土(祝日除く)9:30〜19:00 日・祝 9:30~17:00
定休日:月曜日 他月1日 ※図書館カレンダーで確認

コノミヤ 東山店

駅徒歩圏のスーパーはコノミヤ東山店のみ。
ただ、駅から徒歩2分の好立地であり、23時まで営業しているため、共働きの家庭も買い物しやすいのもポイントですね。
(以前は東山ビルの1階にもうヒバリヤフードフロントがあったのですが、建て替え工事のために退去しています。)

比較的リーズナブルな価格帯のスーパーですが、毎週月曜日は全品1割値引き(酒類除く)、水曜日に2品が1割引になるクーポンがあるとの情報も。

▲コノミヤは23時まで営業。駐車場が少ないので徒歩か自転車での利用がおすすめ。

住所:名古屋市千種区唐山町二丁目3番地
営業時間: 9:00~23:00

勝手に新春パン祭り@東山公園

「住みやすい街には美味しいパン屋さんがある」が筆者の持論。
東山公園駅周辺には筆者のお気に入りのパン屋さんがいくつかあります。
というわけで、本山特集で個性的なカフェ、一社特集で雑貨屋さんを巡ったノリで、
早春パン祭り@東山公園を開催します!

boulangerie L’Equipe de Koganei(ブーランジェリー レキップドコガネイ)

ここは、筆者のお気に入りのパン屋さん。
東山動物園の正門から西へ3分ほど歩いたところにあります。

▲見逃してしまいそうなほどさりげない佇まいの小さなパン屋さん。感染症対策のため店内は2組までの入店となっています。

オーナーは「CLUB HARIE(クラブ ハリエ)」の製パン総括シェフをされていた方。

ショーケースには、毎日およそ30~40種類のパンをランダムに入れ替えているそう。
こだわりのパンは見た目も可愛く、休日の朝の贅沢なモーニングにぴったりです。

筆者のお気に入りはシンプルな食事パン「キタノカオリ」と「季節の気まぐれパイ」
フルーツや野菜を使った季節ごとのスイーツパンも楽しみの1つ。ケーキより手軽なおやつとして、手土産にもおすすめです。

▲筆者のお気に入り「キタノカオリ」はお食事パンにぴったり
▲毎回買ってしまうアップルパイ
▲手土産にもおすすめのスイーツパン ポムドテールとシトロン

住所:名古屋市千種区唐山町3-27 1F
営業時間:9:00〜17:00
TEL:052-753-7234

BOULANGERIE SUN(ブーランジェリー サン)

昨年12月にOPENしたばかりの新しいベーカリー。

▲昨年OPENしたばかりのパン屋さん。感染症対策のため、店内は3組までの入店となっています。

ショーケースに並ぶのは、生地に合う小麦粉選びから始まり、天然酵母など原材料からとことんこだわった手作りパンたち。

ドイツ製の石窯を使用することで、通常よりも1割程度焼き時間を短縮。そうすることで水分量の多いもっちりとしたパンに焼き上がるそう。

▲ショーケースにはかわいいパンがずらり

見た目も可愛い!

ランチや小腹が減ったときに食べたいお惣菜パンも豊富にあります。
お店のおすすめのクロワッサンはサクサクもちもちの食感でした!

▲お店のイチオシはクロワッサン!芳醇なバターの香りで幸せなモーニングに🥐
▲サクサクの皮が最高のカレーパンは食べ応えもあり、ランチにも◎

住所:名古屋市千種区新池町3丁目43
セレニティ東山 1階
営業時間:9:00〜18:00 (定休日 月曜)
TEL:052-734-8634

Boulangerie ぱんのいえ

星ヶ丘駅と東山公園駅の中間にある昔懐かしい雰囲気のパン屋さん。

▲ジブリの映画に出てくるような印象的な外観とどこか懐かしさを感じる店内。

どこか懐かしさを感じるアットホームな印象の店内にあるパンは、ほとんどが200円以下とリーズナブル。

人気の「もちっとフランス」はチョコとキャラメルの2種類。
どちらもトースターで軽く焼くと、「サクッ&もちっ」の食感に甘くて香ばしい香りを楽しめます。
休日のブランチに、たっぷりミルクのカフェオレと一緒に楽しみたいですね。

▲一番人気のもちっとチョコフランスは軽くトーストしてカフェオレと共に☕️

 

シャウエッセンが入った「パリぱりっとシャウエッセン」は、食べ盛りの子供達の塾前の腹ごしらえに大好評でした!

▲パリぱりッとシャウエッセンやハムとチーズが入ったクロワッサンは食べ盛りの子供のおやつにも◎

住所:古屋市千種区星が丘元町1-4
営業時間:8:00~20:00
定休日:月曜日・火曜日

取材後記

子供達が小さい頃には年パスを買って何度も通った東山動植物園。
市内随一の観光スポットでもありますが、同時に市民の学びの場でもあることがわかりました。

その周辺に広がるのは本当に静かな住宅街。
マンションと戸建がバランスよく配置され、お散歩していれば常に緑が目に入ります。
街中には隠れ家的なお店が点在。
市内屈指の観光地でありながら、全く観光客に媚びていない。
圧倒的な静けさと、美しい街並みと共存していることが、この街の魅力です。

駅エリア特集【千種区東山公園】
  • 名古屋子育て情報局dD版
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ABOUT ME
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veronica
名古屋在住の不動産ライター。方向音痴の宅建士。大学卒業後不動産仲介営業を経験し、結婚で名古屋に転居。現在はポータルサイトで不動産コラムの執筆や企画などを中心に活動中。自称和装が似合うマダム。高校生と小学生のママで、星野源が好きです。