ナゴヤ街ブラ都市デザイン

ナゴヤ街ブラ都市デザイン【中区金山】総合駅化で躍進した金山駅はアスナル・市民会館建て替えでさらに発展!都市センターも必見!

こんにちは、お久しぶりです。みー@飛翔です。都市デザインの記事は4回目となります。

今回は金山の特集をしたいと思います。名古屋の南のターミナル駅である金山は、1日50万人近くが利用する駅です。これは博多駅よりも多い水準です。

とはいえ都心に遊びに行くとなると名駅か栄で、金山に行く人は少ないのではないでしょうか。しかし実は金山には面白いスポットがあり、将来的に大きく変わっていく街でもあるのです。もちろん総量では名駅や栄には敵いませんが、金山は都市を見るの場所としてはとても面白いところです。

必見!名古屋都市センター

まず金山と言えば名古屋都市センターは絶対外せません。都市好きの人以外はいきなり聞いたこともないスポットかと思いますが、行って後悔することはないです。

金山駅徒歩1分。屋根付き通路で雨でも濡れずに行ける立地

場所は金山南ビル(上層部ホテル、中層部はかつてボストン美術館があったビル)の11階と12階です。エレベーターで案内が出ているのでわかりやすいです。

ここは名古屋のまちづくりや都市に関する資料がたくさん集まった場所です。ただの資料館ではなく、巨大な模型や臨場感ある航空写真、都市に関する企画展などがあります。軽食コーナーもあるので疲れたときはここでひといきつくこともできます。

小規模ながら喫茶コーナーもあり

企画展では将来の名古屋の都市計画やまちづくりの取り組みなど、ボリュームのあるパネル展示が並んでいます。これらは定期的に内容が変更されるので、何度来ても飽きません。

ときどき街並みの風景写真が展示されていることもあります。一般の方が撮った素敵な写真も並びます。もしかしたらあなたの撮った写真もここに飾られるかもしれませんよ!

制作は実は森ビル

そして圧巻なのはこの1/1000の模型です。めちゃめちゃ精巧にできています。名古屋の都心をほぼカバーしています。名古屋城もテレビ塔も名駅地区もしっかり再現されています。中日ビルなど一部のビルは未対応なので今後の更新が待たれますね。

さらに面白いのは南側に模型と実物が重なって見えるポイントがあることです。ここから見ると特に名駅ビル群がわかりやすいですが本当におお~となります。あえて写真は載せないことにしますのでぜひ実際に行って確かめてみてください。

こちらの制作は日建設計

そしてさらにさらに10月1日から栄地区に特化した1/400の巨大模型が登場しました。スケールが大きくものすごい迫力です。こうやって鳥瞰で都市を見ているの本当に楽しいですよね~

これまで都市センターに10年くらい通っている私でもこれは初めて見たのでめちゃくちアツいです。期間限定かもしれないのでつべこべ言わず早く都市センターに行きましょう(笑)

名駅~栄の東西軸に高層ビルが多いのが見て取れる

あと何と言っても景色がいいです。金山から北側、名古屋の中心側を一望できます。こうしてみると三大都市に相応しい大きな名古屋の都心を感じ取ることができます。ちなみに空気の澄み渡っている日は御嶽山も見えるので探してみてください。

今まで紹介していたのは11階ですが12階は図書館になっています。もちろん都市や交通、まちづくりに関する本がいっぱいです。好きな人なら1日いられるでしょうね。

ということで名古屋都市センターは控えめに言って最高です。他の街で都市に関する資料を集めたここまで大きな空間というのはないのではと思います。都市センターはまさに都市に関する知が結集した他にはない名古屋の財産と言ってもいいと思います。

こんなすごい空間果たして入場料はいくらなのかと思った方、なんと入場無料です。神すぎますね。もちろん気張らず金山で時間を持て余したときにふらっと入るのもOK。とにかく都市センター、素晴らしいですよ。

昔は総合駅ではなかった金山駅

金山駅と言えば総合駅です。これは名鉄、JR、地下鉄が一か所に集結しているからこその名前です。名古屋駅はもっと集結していますがばらばらなので総合駅とはよばれません。

しかしその金山駅は昔は総合駅ではありませんでした。今の見通しの良いコンコースからそれぞれの路線にアクセスできるスタイルになったのはデザイン博のときだったのです。

デザイン博は1989年に開催された博覧会です。愛知万博のような規模ではありませんが、期間中に1500万人以上を集めた大規模な博覧会でした。

トラス大屋根の大空間はターミナルとしての風格がある

デザイン博前の金山駅は地下鉄はあったものの、JRは中央線しか駅がありませんでした。名鉄に至っては駅自体がありませんでした。わずか35年ほど前のことで信じられないかもしれません。

金山が名古屋の南のターミナルになるとして整備が必要というのは認識されていましたが費用などの面で長らく難航。今も昔も再開発系はお金(だけではありませんが)が理由でなかなか進まないようですね。

そこでデザイン博の開催が決まり、その会場が白鳥公園になりました。こうなればくすぶっていた金山駅をいい加減この機会に整備しようという機運が高まるのは必然でした。いわばデザイン博は金山総合駅化の後押しをしたというわけです。

かつてはここに駅があった

ちなみに名鉄の金山橋駅は写真のあたりにありました。今の金山駅とイオン熱田の中間くらいの場所ですこのあたりは商店街もあったようですが、今はその面影は全くありませね。

この総合駅化がなければ今ほど金山は発展していなかった可能性が高そうです。名古屋駅や栄に次ぐ第3の拠点ではなく、大曽根や八田とかと同じだったかもしれません。

なお名鉄は金山駅整備とともに神宮前からの複々線化も達成しました。こんな形で総合駅化は名古屋の発展に大きく寄与したのです。

将来はアスナルも市民会館も建て替えへ!

さて総合駅化で発展した金山駅ですが、今後さらに進化していく見通しです。その中心となるのが何と言ってもアスナル金山と市民会館の建て替えです。

賑わい絶えないアスナルが建て替えで進化

まずはアスナル金山の建て替え。こちらは既存の低層の建物を壊して複合ビルを建設します。既存の賑わい機能を残しながらオフィスなど都市機能を集積させるビルになるようです。

もともとアスナルは2020年に閉鎖するという計画でしたがコロナもあってか延期しています。最新の予定では2032年着工、完成は2035年くらいだと思われます。

そしてその北にある市民会館も建て替え予定。先日初めてパースが示されました。まだ変更がある可能性が高いですが、一歩一歩計画が進んでいることが実感できます。

新しい建物は3つのホールが入る予定。他にもスタジオ、練習室、会議室、にぎわい・交流スペースが設けられます。

こちらも2035年予定。まだまだ10年以上先ですが、立派な施設が完成していることを期待したいですね。

曲線をメインにした新しい駅前施設の整備に期待

この一連の再開発でもうひとつ特筆すべきはアスナルと市民会館の間が広場になることです。現在、金山駅の北口は見通しが悪いですが、先の再開発と合わせて歩行者空間を拡大し、なんとアスナルと市民会館の間にあるビルは市が撤去予定だとか。一気に市民会館まで見えるようになります。

名古屋市はウォーカブルなまちづくりを標榜しており、金山駅周辺が歩きやすい空間に生まれ変わります。これは総合駅化したときに匹敵するインパクトがあると思いますね。金山はまさに総合駅化に次ぐ第2の変革期と言ってもいいかもしれません。

名古屋の第3の拠点となった金山の未来は明るい!

いかがでしょうか。総合駅化によって名古屋の第3拠点の地位を確実なものとした金山は、アスナルや市民会館の建て替えでさらに発展しようとしています。中部国際空港へのアクセスも抜群の金山、未来は明るいと思います!

ところで告知なのですが、名古屋で毎年秋に開催している文化の祭典「やっとかめ文化祭」でまち歩きのガイドをやることになりました。私なんかが大丈夫なんかと思ってしますがやるからには頑張ります。

日時は11月9日14時~2時間程度、栄の街をめぐる予定です。久屋大通を中心に栄の再開発について語ります。気になった方はぜひ参加してみてください。

詳細はこちら

次回もお楽しみに!

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みー@飛翔
1996年名古屋生まれ。物心ついたころから都市開発を追っかけています。専門ブログ「飛翔~リニア時代の新しい名古屋へ」を運営しています。地形や街の成り立ちも好き。ここではビルを中心に、街を歩くのがちょっと楽しくなる街ブラ記事をお届けします。