名古屋子育て情報局dD版

名古屋子育て情報局dD版【昭和区天白区八事】の気になる「育児・教育環境」総まとめ ― 市内屈指の人気学区が集結するエリアの住みやすさとは…?

今回は地下鉄鶴舞線・名城線「八事」駅周辺のエリアを調査しました。

前回の「上前津」駅と同様に鶴舞線と名城線の2路線が使用可能な「八事」駅。
こちらは文京地区にも指定されている名古屋屈指の人気住宅地です。

学区としても子育て世帯であれば検討対象として必ず名前が挙がる学区が集結しているエリア。

今回はそんな「八事」駅周辺の住環境・教育環境を徹底調査しました!

学区について

前述の通り、「八事」駅周辺は人気学区である『汐路中学区』『御幸山中学区』『川名中学区』が含まれているエリア。

ここまで人気エリアが密集しているエリアも珍しいですが、逆に住居選びの際は、少し場所が違うだけで進学する学校がぜんぜん違う、という事も起こりえるため注意が必要です。

名古屋市指定の文教地区にある

今回のエリアは、名古屋市が指定している文教地区の内部または隣接しているエリアのひとつ。
具体的なエリアをざっくりと書くと以下の通りで、概ね本山-八事間と星ヶ丘駅周辺が文教地区として指定されています。
※文教地区は明確な区切りが示されていないため100%正確ではありません。詳細はこちらからどうぞ。

▲名古屋でも希少な”文京地区”に隣接している

名古屋市民の多くは「名古屋市が文教地区を指定している」という事を知らないかもしれません。

文教地区には「教育に支障を及ぼすおそれのある施設は建築できない」という制限があります。(名古屋市文教地区建築条例)

例示されている施設は以下のようなもの。

  • キャバレー、マージャン屋、パチンコ屋等
  • 旅館、ホテル
  • 公衆を入浴させる施設
  • 個室付浴場等

私自身、名古屋子育て情報局を始めて気づいたのですが、名古屋の街を沢山巡っていると、いわゆる「嫌悪施設」が住宅地内でも突如出現することがあります。

しかし、少なくともこの文教地区内ではその心配は不要。その点は安心感がありますね。

【昭和区天白区八事】学区の位置関係

冒頭でも触れた通り、「上前津」駅周辺は以下の4学区が隣接しています。

  • 滝川小(→川名中)
  • 表山小(→御幸山中)
  • 陽明小(→汐路中)
  • 八事小(→駒方中)
▲なんだか色彩検査みたいになってますが、青系、赤系、黄系、緑系のエリアそれぞれで進学する中学校が異なる

上のマップを見ると分かる通り、駅に近い小学校は無いです。
さらに言えば、滝川小(→川名中)/陽明小(→汐路中)/八事小(→駒方中)は中学校学区が南北や東西に細長いため、公立中に進学すると更に通学時間が長くなります

具体的な駅からの距離と徒歩所要時間を見ると以下のようになっています。

  • 滝川小:約1.0km/所要時間約13分
  • 川名中:約1.8km/所要時間約24分
  • 表山小:約0.8km/所要時間約12分
  • 御幸山中:約1.1km/所要時間約15分
  • 陽明小:約1.8km/所要時間約22分
  • 汐路中:約2.4km/所要時間約31分
  • 八事小:約1.6km/所要時間約22分
  • 駒方中:約1.7km/所要時間約21分
    ※NAVITIME調べ
    ※陽明小学区の場合は駅から学区範囲まで少し距離があるため実際の通学時間はもう少し短い

駅近物件に住んだ場合、御幸山中以外は各中学校まで20分以上かかってしまうという結果になりました。

昨今の夏の猛暑のなか20分徒歩で…というのは結構な覚悟が必要。さらに、比較的アップダウンがあるエリアのため”小中学校の通学”というのはこのエリアの課題と言えそうです。
また、御幸山中はかなり勾配のきつい坂の上にあるため、その点も注意が必要でしょう。

各学校のホームページ

各学校の公式ホームページは以下の通り。

滝川小ホームページ  →こちら
川名中ホームページ  →こちら
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表山小ホームページ  →こちら
御幸山中ホームページ →こちら
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陽明小ホームページ  →こちら
汐路中ホームページ  →こちら
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八事小ホームページ  →こちら
駒方中ホームページ  →こちら

どの学校も更新自体はされており、”学校だより”など、必要な情報は掲載されています。

なかでも、駒方中、汐路中は生徒と保護者の学校評価のアンケート結果が掲載されています。生徒や保護者から学校がどう思われているか、というのが分かるのは好印象ですね。

一方で、今回見た限りでは各学校の部活動についての記述がほとんどなかったのが気になりました。

“中学校ではこの部活がやりたい!”という希望がある場合は、その部活があるかどうか自力で確認する必要がありそうです。

通勤と通学について

今回も頑張って通勤、通学の詳細について調査しました。(誰か褒めて)

やはり2路線使えるだけあって、概ね優秀な結果に。「八事」駅の交通利便性の高さがよくわかると思います。

通勤時間

「八事」駅から以下の6駅までの所要時間をNAVITIMEで調べました。

  • 名古屋駅
  • 伏見駅
  • 栄駅
  • 久屋大通駅
  • 丸の内駅
  • 金山駅

なお、検索条件は
“2023年8月10日(月)の朝8時に該当駅に到着する”
という内容で統一しています。

また、グラフは左から乗車順に並べています。
例えば「名古屋」駅なら、
鶴舞線に5分乗車→鶴舞線から桜通線の乗換に5分→桜通線に15分乗車→名古屋駅着
という感じです。(御器所駅で乗り換え)

▲最長でも25分以内というのは場所を考えれば立派な結果

上記の通り、全ての主要駅へ25分以内に到着という結果となりました。

「上前津」駅のような都心と比べると見劣りするように感じますが、「八事」駅は都心から東に離れた緑豊かな住宅街。それを考えると充分優秀な結果と言えます。

通学時間

通学時間は主要中高一貫私立校と、公立高校の市内上位8校(尾張1群・2群のA/Bグループそれぞれ2校)を調べました。なお、中高一貫私立校には遠方の学校もあるため、グラフを分けています。

中高一貫私立校

まず、市内にある比較的近い中高一貫私立校の結果です。

▲南山への反則的なアクセスの良さが光る

上記の通り、1校以外概ね30分以内に到着可能となっています。

通常であれば愛知中はなかなかアクセスし辛い場所にあるのですが、名城線が使えることで30分以内に到着できるという珍しい結果に。

最も時間がかかる金城でも37分となっており、”通学が辛い”とはなりにくいと思います。

南山女子、南山男子へのアクセスの良さはこの学校を目指す場合は非常に魅力的ですね。

なお、殆どのケースは一般的なルートを採用していると思います。ただ、東海に関しては、今回の検索結果では「車道駅から歩く」というルートになっています。時間帯や条件を変えると「千種」駅から徒歩のルートも出てくるでしょう。

中高一貫私立校・遠方

若干距離がある、滝と春日丘の結果は以下の通りです。
なお、滝は「江南」駅からバス、春日丘は「神領」駅からバス、という想定です。

▲滝中学へのアクセスは数字から受ける印象よりも良好

ともに55分という結果ですが、中身は少し異なっており、滝中学は直通で最寄り駅まで到達できるため、数字から受ける印象よりも通いやすいと思います。

一方で、春日丘は乗り換えが2回かつ若干中途半端な乗車時間のため、少し億劫に感じるかもしれませんね。

公立高校

公立高校8校の結果は以下の通りとなりました。
なお、旭丘高校は「ナゴヤドーム前矢田」駅から徒歩の想定です。

▲公立高校へのアクセスも良好!

こちらも非常に優秀で、名東高校以外はほぼ30分以内に到着できる、という結果になりました。

公立高校は都心に近い学校とそうでない学校が混在していますが、この「八事」駅はどちらにもアクセスしやすい、という場所であることが分かりますね。

【昭和区天白区八事】各学校の基本データ

では、各小学校・中学校の基本的な統計データをご紹介します。

中学校に進学した際の他の小学校との生徒比率も気になるポイント。そこで、各中学校学区の全学校のデータをご紹介します。

小学校の生徒数、学級数

小学校の生徒数、学級数のデータは以下の通りです。

出典:2022年名古屋市教育調査統計より作成

上記の通り、”6年間クラス替えがない”といったような小規模校は無いため、学校の規模という観点では懸念はありません。

また、数字の上での各中学校の生徒バランスも概ね良好。八事駅に近い小学校である陽明小、表山小、滝川小は中学校に進学した際に”クラス内に極端に知り合いが少ない”という環境ではなさそうです。

八事小に関しては若干人数・クラス数が少ない気はしますが、極端に少ないわけではないためそこまで気にする必要はないでしょう。

※”数字の上で”と注釈を入れたのは、今回の学区(特に滝川と陽明)後述の私立中進学割合が高く、もしかしたら「私立中に進学する生徒が多くて少数派になるかも」という懸念が残るからです。

私立中学進学率

これは、「2021年の公立小の6年生の人数」と「2022年の公立中の1年生の人数」を比較して作成しました。

もちろん、転勤等による引っ越しがあり、私立中学進学を理由としない人数の出入りはあるため多少の誤差は生じますが、大きく外れた数字ではないと思います。

今回対象としている学区の私立中進学率は以下の以下の通り。
※前津中や白山中など人数が少ない学区については転勤等による誤差が大きくなる傾向があるのでその点はご留意ください

▲私立中学進学率は4校とも上位で教育熱の高さを感じる

出典:2021年および2022年名古屋市教育調査統計より作成
上図の通り、4校とも20位までに入っており、名古屋市全体平均である約11%を大きく上回っています。

つまり、かなり中学受験が盛んなエリアである、と言えるでしょう。

また、先程も少し触れましたが、汐路中学区の陽明小学校は「非常に中学受験が盛んで、同中学校学区の汐路小との私立中進学率の差がかなりある」という話も聞きます。
そのあたりは少し気になるところかもしれませんね。

中学校

汐路中、御幸山中、川名中、駒方中の学級数、生徒数は以下の通りです。

前述の通り、中学受験で一定割合の生徒が抜けるものの、規模としては全く問題なく、4校とも適性な規模の中学校。

ただ、ホームページのパートでも触れていますが、各中学校の部活動についての情報が公開されていないため、そのあたりは少し気になるところです。

次のページでは、「八事」駅周辺の周辺環境についてご紹介します。
公園、幼稚園、学習塾、買い物施設、小児科など、子育てには欠かせない各種施設の充実度を深掘りします。

特に「八事」駅周辺は学習塾のメッカとも言える非常に塾が多い場所。
そのあたりの状況も調べています。

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1984年生まれ。企画職や事業コンサルを経て、数年前に名古屋に戻ってきた2児の父。名古屋では学区や受験などを含めた「子育て情報」があまりオープンになっていない事に気づき、名古屋の子育て情報をまとめ始める。実は良好な名古屋の子育て環境の魅力を伝えられるよう尽力中。