こんにちは。みー@飛翔です。今回は伏見特集ですね。
さて今回は初めてのド都心駅です。これまでも【東区高岳】【中区上前津】など、そこそこの都心駅は特集していました。しかし【中区伏見】はオフィスが集積する完全な都心駅となります。
というわけで、もちろん開発ネタ多めで行きますよ!!
そもそも「伏見」駅って?
「伏見」駅は名古屋市営地下鉄の東山線と鶴舞線の交差駅です。言わずと知れた名古屋の2大繁華街である名駅と栄の中間。両繁華街が商業の割合が多めなのに対して、伏見はオフィスが中心の街。大阪で言えば梅田と難波の中間である淀屋橋や本町に相当します。
東山線の「伏見」駅は1957年の開業当初からある駅。当時から伏見エリアが名古屋の中で重要な立地であったことがわかります。その後鶴舞線も開業し、今では1日利用客数が10万人以上。【中区伏見】は名古屋屈指の業務エリアとして確固たる地位となりました。
伏見エリアの景観です。高層のオフィスビルが林立していますね。まさにサラリーマンの街という感じ。道路が広いのが名古屋っぽいです。
しかし【中区伏見】が持つ魅力は業務機能だけではありません。
劇場があったり、科学館があったり、休日を過ごすにもとても良い場所なのです。
そんな「伏見」駅周辺を街ブラしていきましょう。
駅を降りると趣向の異なる2つの地下街
交通局肝いりのおしゃれ駅ナカ「ヨリマチ伏見」
「伏見」駅を降りると駅と直結している地下街に入ることができます。
まずは東山線の名古屋方面ホームを降りると見えてくるのが「ヨリマチFUSHIMI」です。正確には地下街ではなく駅ナカになる(この辺の定義はあいまいなところがあります)らしいですが、きれいな商業エリアです。
もともとここは殺風景なコンコースでした。そこを名古屋市交通局が収益向上と美装化を兼ねてリニューアルを実施したのです。
過去にしょぼいリニューアルをした実績のある交通局のことなのでどんなものになるか不安でしたが、かなり美しく仕上がっていると思います。ヨリマチの第2号が他の駅にも広がってほしいと思います。
コンコースの途中にある大きな段差を使って、視界にロゴが入ってくるのが面白いです。ちなみにこのロゴ、四方に伸びる線は交差する2つの路線をイメージしているそうです。
ネーミングは、何か良いこと(利)がありそうな、あた(与)えてくれそうな、そんなマチを予感させる様を、漢字とカタカナの組み合わせで表現しているようです。
(どうしても縦に積まれた「マチ」が「子」とか「予」に見えちゃいますが…笑)
店舗構成もなかなかよく、飲食軽食や薬局などまんべんなく配置されています。トイレもめちゃめちゃきれいなのもポイント高いですね。
反対側にあるのは超ディープな地下街
次は「伏見地下街」です。東山線栄方面の改札とつながっています。先ほどとはうって変わって名古屋きってのレトロ、ディープ地下街です。
開業は東山線と同時の1957年。今でも開業当初の雰囲気を色濃く残しています。色使い、むき出しの配管、通路の狭さ・・・名古屋の地下街で随一の雰囲気です。
かつてこのエリアは繊維産業が盛んだったため、繊維問屋が並んでいました。国内繊維産業衰退後は空き店舗が増えていましたが、近年は立ち飲みの飲食店が増加。周辺はサラリーマンが多く、このディープすぎる雰囲気が逆に人気なんだとか。
なお営業しているのは平日のみ。土日は開いていないのでご注意ください。地下街自体も原則通れなくなります。
オフィス街だけじゃない!実は休日を過ごすのにも抜群
「伏見」駅から南へ徒歩3分も歩けば「白川公園」という大きな公園があります。都心でこれほど大きい公園はここしかなく、緑豊か。都会のオアシス的存在と言っていいでしょう。
そして公園内には「名古屋市科学館」と「名古屋市美術館」があります。どちらも規模や見どころなど第一線級の施設なのです。
世界最大級のプラネタリウムを誇る「名古屋市科学館」
まずは「名古屋市科学館」。なんといっても目を引くのは右に見える巨大な球体でしょう。ご存じの方も多いと思いますがこれはプラネタリウムです。世界最大級の施設となっています。ちなみに直径は35mで有名なフジテレビの球体(32m)より大きいんですよ!
個人的にはこの球体が北側(長島町通)から見ると道路の先に鎮座して目立つのもポイントです。非日常感を思わせる巨大な球体は、知らない人が見たら「あれはなんだ!?」と強く思わせる力があります。
計算された配置なんでしょうね。こういうのに私はグッときます(笑)
それ以外にも生命館、理工館など見どころたくさん。暑い日でも雨の日でも1日過ごせる施設です。
黒川紀章の名建築「名古屋市美術館」
お隣にあるのが「名古屋市美術館」です。こちらは愛知県出身の巨匠、黒川紀章の代表作の一つです。建物が有機的で今にも動き出しそうな感じはしませんか?このような黒川紀章に代表される建築様式をメタボリズム(※)と言います。
※メタボリズム:新陳代謝を表す生物学用語で、1960年ごろに日本から発信された建築運動
他にも【中区伏見】には「でんきの科学館」もあります。こちらは広小路沿いで規模はやや小さいものの魅力的なコンテンツがいっぱいです。小さな子供には特に向いています。
名古屋の芸どころを支える最新鋭の劇場「御園座」
続いてご紹介するのは「御園座」。低層部に劇場や商業施設が入る40階建てタワーマンションです。かつて名古屋は芸どころと呼ばれ、さまざまな劇場がありました。しかし、近年次々に閉鎖し、中日劇場や名鉄ホールもなくなってしまいした。そんな中、「御園座」も存亡の危機に瀕していましたが、なんとか建て替えを経て劇場が存続しました。
「御園座」は歌舞伎専用と思っている方も多いのですが、歌舞伎だけでなくミュージカル、コンサートや宝塚など多種多様なコンテンツが楽しめる劇場です。都心の大規模劇場としては唯一と言えます。低層部には演劇図書館やおしゃれな飲食店舗も。しっかり楽しめますよ。
ちなみに外観はナマコ壁という日本の伝統的な様式が採用されています。
デザイン監修は有名建築家の隈研吾が携わっています。隈研吾といえば、オリンピック会場となった新国立競技場などが有名ですね。
さらにさらに!左手前に見える異彩を放つおしゃれなビル「碧海信金ビル」も隈研吾の設計なのです!「御園座」建て替え後に設計されたもので、両ビルの格子を際立たせた和モダンのデザインは一見の価値あり。
先ほどの黒川紀章の美術館と言い、有名建築家の建物が近接する贅沢なエリアです。
【中区伏見】はオフィス街で、休日を過ごす場所ではないと思っていませんでしたか?
実は科学館、美術館、劇場など文化施設が盛りだくさん、都心のオアシス白川公園と合わせて伏見で1日過ごすのも十分可能なんですよ!
相次ぐ再開発にも期待!
最後は再開発で締めくくります。やはり【中区伏見】は名古屋きってのビジネス街。再開発計画が盛りだくさんのエリアなのです。それも高グレードのオフィスビルが中心。再開発好きとしても楽しめるエリアです。
錦通桑名町ビル計画
まずは「錦通桑名町ビル計画」。錦通のりそな銀行のビルがあったところの跡地計画です。老朽化していたビルを解体し13階60m、延床2.6万平米のオフィスビルができます。既に着工しており、今年後半くらいに鉄骨が出てくるかと思います。
駅直結で、縦のスリットが入ったガラス張りの近代的ビルになります。1階には店舗も入ると思います。街の移り変わりが楽しみですね。完成時期は公表されていませんが、2026年ごろと思われます。
錦二丁目18番街区
そしてその南、錦二丁目18番街区です。こちらは手前に見えている雑居ビルを解体して24階130m級のオフィスビルを建てる計画です。延床55600平米。130mともなると60m級や100m級とは一線を画する大きさで本当に楽しみです。
イベントスペースなどを備えた交流施設として再整備される予定です。2025年解体開始、2028年完成予定です。
なお、名古屋市の都市景観重要建築物である三井住友銀行名古屋支店が南にありますが、このビルは保存されます。
さて2028年が待ちきれないので、予定地にビルを建ててみました(笑)
おーーーーー!!!(歓声)
130mはさすがに大きいですね。【中区伏見】で一番高いビルは先ほどご紹介した「御園座」で150mですが、それに次ぐ大きさです。
栄三越が雲行き怪しいので、今計画が具体化されている再開発の中ではここが一番の楽しみな物件ですね。
新ビルは1階~3階に商業施設やビジネス支援店舗、4階以上がオフィスになる予定です。
続報に期待です!
まとめ:オフィス街だけど休日も楽しめる街
【中区伏見】はオフィス街ながらさまざまな文化施設が集まる街です。
名駅か栄しかないと思っていた方は、休日を過ごすのに「伏見」で降りてみてはいかがでしょうか?
そして個性豊かな地下街と期待高まる再開発も。
特に錦二丁目18番街区は伏見エリアの、いや都心のリーディングプロジェクトになるでしょう。
地上も地下も、【中区伏見】から目が離せませんね。次回もお楽しみに!