ナゴヤ街ブラ都市デザイン

ナゴヤ街ブラ都市学会【熱田区神宮前/熱田/熱田神宮西】駅周辺を再開発マニアが歩いてみた|実はポテンシャルの塊?熱田神宮周辺は市内有数の開発エリアだった!

こんにちは!みー@飛翔です。今年最後の更新です。11月末に名鉄名古屋駅の特大ニュースが出てこっちの記事書くのが遅くなり、てんやわんやでした。

さて今回は「熱田神宮西・熱田・神宮前」駅周辺の街ブラです。やはりなんといっても「熱田神宮」が有名ですよね。その歴史をお伝えしていってもいいのですが、今回はナゴヤ街ブラ都市学会の原点に立ち返って再開発中心の記事で行きます。

「熱田神宮」で再開発?全然イメージわかない・・・という方もいるかもしれません。
しかし、実は今、「神宮前」駅や「熱田」駅周辺は、名駅や栄を除けば名古屋市内有数の再開発注目エリアなのです!

それでは行ってみましょう!

そもそも「熱田神宮西・熱田・神宮前」駅って?

「熱田神宮」の周辺にはいくつかの駅がありますのでおさらいしておきましょう。

まず地下鉄名城線の「熱田神宮西」駅。その名の通り「熱田神宮」の西側にあります。以前は「神宮西」駅でしたが観光客へのわかりやすさなどに配慮して改名されました。

「熱田神宮」の南にあるのは同じく地下鉄名城線の「熱田神宮伝馬町」駅。正門に近いのはこちらです。しかし、基本的に「熱田神宮」へ行く場合は「熱田神宮西」駅で降りればよいかと思います。

次に「熱田神宮」の北にはJR「熱田」駅があります。普通のみの停車駅ですが、実は隣にある大ターミナルの金山よりも歴史がある駅です。

最後に、「熱田神宮」の東にあるのが名鉄「神宮前」駅です。こちらは名鉄の中では少ない特急全停の主要駅です。

ということで「熱田神宮」を取り囲むようにさまざまな駅があります。今回はその周辺を歩きつつ街並みと再開発についてお伝えします。

沿線価値向上へ 名鉄が取り組む商業施設開発

「神宮前」駅東口のおしゃれ商業施設『ミュープラット』

まずは名鉄の開発から見ていきましょう。2019年、「神宮前」駅東口に新しい複合施設ができました。低層部が商業施設、上の方が住宅の『ミュープラット神宮前』です。

ご存じの方も多いかもしれませんが、ミュープラットと言えば名鉄が力を入れている駅ナカ商業施設。「金山」駅を中心に現在6か所展開中です。厳密には駅の中ではないのですがまあ細かいことは置いといてください(笑)

▲休憩スペースもたくさん。くつろげる『ミュープラット 神宮前』

こちらが内観です。大きな吹き抜けが特徴的ですね。今までの名鉄のミュープラットシリーズの中で一番気合が入っているのではないでしょうか?かなりおしゃれですね。

1階にはスーパー『パレマルシェ 神宮前店』があって便利です。地元住民の普段使いを意識した内容になっています。

2階3階は飲食物販店、4階は医療モール中心。開放的なテラスもありますよ。

▲ミュープラットへは改札を出て右側へ

この建物は「神宮前」駅から直結しています。雨にぬれずに行けるため利便性は最高ですね。

ちなみにミュープラットシリーズは今後東岡崎にも展開予定です。名鉄がなぜ商業開発に力を入れるか。それはやはり鉄道沿線の価値向上です。選ばれる移動手段になるために、おしゃれな商業施設が沿線に増えているんですね。

そして名鉄が手掛ける神宮前の沿線開発はこれだけにとどまりません。次は西口です。

「神宮前」駅西口に「熱田神宮」と調和する木造の商業施設

もともと「神宮前」駅の西口には駅ビルがありました。しかし老朽化により解体。跡地に商業施設ができる予定なのですが、内容が数か月前に明らかになりました。

▲食べ歩きも楽しめるお店、地元の文化を感じられるお店等が開業予定

木造平屋の商業施設。連続している屋根の感じ、なんか格調高くていいですよね。
「伊勢神宮」には「おかげ横丁」という人気のエリアがありますが、それに近いイメージでしょうか。

再開発と言えば高層ビルばかりではありません。

この木造平屋は「熱田神宮」の雰囲気に合っており、他の再開発と差別化もできていますね。なかなかいいんじゃないでしょうか。(もしかして名鉄は名古屋駅再開発に金がかかるので経費削減という意味でも平屋ですかね(笑)名駅180m3棟は期待したいですね~)

コンセプトは「地域で継がれる魅力を嗜み、再発見できる場所」です。敷地内には複数のワゴンショップやキッチンカー等も誘致し、賑わいを創出する予定です。

▲工事のための仮設なので、現在駅へ向かう通路はぐねぐね

現在の様子です。手前の更地に木造ができる予定です。奥の建物は再利用でしょうかね。(これは残さなくてもいいと思うんですが・・・)

さらにさらに、名鉄はこの南側でも再開発を計画中です。具体的計画は未定ですが、沿線価値向上のために名鉄が進める「神宮前」駅周辺の再開発はまだまだ終わりませんよ〜!

木造平屋の商業施設完成は2024年秋の予定です。楽しみですね!

再開発の波の中でも残るディープな街

昭和の香り漂う神宮小路

引き続き「神宮前」駅の西口を散策しましょう。
実はこのエリアには、昭和の香りが色濃く残るディープなエリアがあるのです。

▲周辺が再開発中のため、ギャップが際立つ

それがこちら神宮小路です。昭和から、あるいは戦前からある店も多く並んでいるようです。古びた自転車や所狭しと並ぶ洗濯物などが生活感を感じさせて、またいいです。昭和にタイムスリップしたよう。

少し入りにくい感じと思われる方もいるかと思いますが、全然そんなことはありません。いい感じの飲食店も何軒かありましたね。

名古屋市内でこんな雰囲気が残っている場所はなかなかないのではないかと思います。しかも特急停車駅から徒歩1分。先ほどの木造ができるところからも見えます。ぜひ行ってみてください。

商店街や区役所に近い未利用地も再開発計画あり

▲人通りが少ない「準シャッター街」の様相

こちらは「熱田神宮」側の大通り沿いにある商店街の様子。閉店している店舗も見られ、現時点ではあまり賑わいはありません。そこで、ここも再開発する計画が出ています。

もともと開発の計画はあったのですが、約30年前に頓挫。それ以来動きがなかったのですが、2007年に名古屋学院大学が熱田区にキャンパスを開設し学生によるまちづくり活動が開始されました。

2014年には『あつた蓬莱軒』など地元の名店がまちづくりNPO「あつた宮宿会」を立ち上げるなど、徐々に再開発への機運が高まっています。

そして2020年には地元の街づくり協議会が構想をまとめ、老朽化の進んだ商店街の一部を取り壊し再開発する案を計画しました。

▲数十年にわたってこの状態。未利用地が眠り続ける

これは熱田区役所の南側の土地です。普通に通りを歩いていると気づきませんが、商店街の切れ目からこのような景色を臨むことができます。こんな広い未利用地があるのか、という感じですね。

街づくり協議会の構想策定範囲にはここも入っており、熱田神宮の観光客を見据えたバス駐車場や、中層の住宅や商業施設を整備する計画です。続報は聞きませんが、計画は進んでいるのでしょうか。

ちなみに先ほどの神宮小路は取り壊されず残る予定です。耐震の問題もありますが、補強して使うのだとか。令和の時代に全部新しくするのではなく、昭和の雰囲気を少しくらい残すのもいいかもしれませんね。

まだまだある!広大な未利用地

 

▲夏になると草が生い茂る広大な敷地

再開発用地はまだあります。こちらはJR「熱田」駅の東側です。かなり広い敷地ですね。実はここ、名古屋に本社を置く美容機器メーカーMTG(”SIXPAD”た”Re-fa”などが有名)がビル建設用地として取得した土地なのです。

しかし、2019年に同社は不祥事を起こしてしまい、続報を聞きません。実は夏ごろボーリング調査らしき機器を見たので、ついに建設かと思いましたが音沙汰なし・・・果たしてビルは建設されるのでしょうか。

まあそうでなくても相当広い敷地には間違いないので何か有効活用されてほしいです。今後に注目ですね。

まとめ:熱田神宮周辺はポンテンシャルの塊だった!

いかがでしょうか。

【熱田区神宮前/熱田/熱田神宮西】この3つの周辺にはいろいろな再開発があるということがわかりましたね。

都市開発は高層ビルばかりではありません。駅前の木造平屋もとっても楽しみですね。

そして具体的な計画が決まっていない広い土地もかなりあることが見えてきました。

もともと「熱田神宮」の存在で多くの観光客を集める場所。未利用地の再開発でさらに集客の相乗効果を生むことができそうです。まさにポテンシャルの塊と言っても過言ではありませんね!

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ナゴヤ街ブラ都市学会の年内更新は最後となります。つたない文を読んでくださりありがとうございます。来年もいろんな駅特集書いていきます。次回もお楽しみに!

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みー@飛翔
1996年名古屋生まれ。物心ついたころから都市開発を追っかけています。専門ブログ「飛翔~リニア時代の新しい名古屋へ」を運営しています。地形や街の成り立ちも好き。ここではビルを中心に、街を歩くのがちょっと楽しくなる街ブラ記事をお届けします。