【千種区千種】の暮らしやすさを専門家が分析！JRと東山線の2路線利用可という市内屈指の利便性を誇る街、その真の実力とは？

こんにちは。名古屋子育て情報局です。

今回のデ・ライフインフォメーションは、地下鉄東山線・JR中央本線「千種」駅周辺にスポットを当ててみようと思います。

名古屋の人に「千種駅のイメージ」を聞くと、”河合塾”と答える人が多く、実際に河合塾の本部機能は千種駅横にある河合塾千種校に置かれています。

河合塾のイメージが強い「千種」駅ですが、実は東山線・JR中央本線の2路線が使用できる利便性が高いエリア。

そんな「千種」駅の生活環境はどうなっているのか徹底的に分析しました！

【千種区千種】どんなエリアなのか？
【千種区千種】駅周辺のライフインフォメーション
まとめ

【千種区千種】どんなエリアなのか？

「千種」駅はどこにある？

「千種」駅エリアの場所をマッピングすると以下の通りで、名古屋駅の東にあります。

▲千種駅は名駅から地下鉄で4駅

車で走ると約5.2km、概ね20分程度で到着できる、という感じ。
(平日朝8時に千種駅を出発する想定)

上のマップでも分かる通り、意外と名駅⇔千種間は近いですが、朝の時間帯は交通量が多いところもあるので少し時間がかかります。

通勤:主要駅へは15分あれば到着できる

「千種」駅から以下の6駅までの所要時間をNAVITIMEで調べました。

「名古屋」駅
「伏見」駅
「栄」駅
「久屋大通」駅
「丸の内」駅
「千種」駅

なお、検索条件は
“2025年4月15日(火)の朝8時に該当駅に到着する”
という内容で統一しています。

また、グラフは左から乗車順に並べています。
例えば「千種」駅から「久屋大通」駅なら
［東山線線に4分乗車→東山線から名城線の乗換に4分→名城線に2分乗車→「久屋大通」駅着］
という見方です。

▲通勤環境は本当に良い！

上の図を見れば分かる通り、千種駅は名古屋市内でも通勤利便性は最強クラス。
前回の金山駅もそうでしたが、どの主要駅へも15分あれば到着できます。

なお、余談ですが、別記事でご紹介している通学利便性についても安定しており、中高一貫私立・公立高校の上位校のどこに進学することになっても突出して通学が長くなるという事はありません。

水害:かなり良好

千種駅周辺のハザードマップを確認すると
「これ以上の望むのが難しいほど良好」
と言って良いほどよい環境だと思います。

なお、以下に掲載するハザードマップは、エリアイメージを掴むための概要マップで100%正確なものではありません。
実際にエリアの安全性を確かめる際には、以下のハザードマップの詳細図を必ずご確認ください。
洪水ハザードマップ→こちら
内水氾濫ハザードマップ→こちら

出典:名古屋市ホームページ掲載のハザードマップより作成(洪水ハザードマップ/内水氾濫ハザードマップ)

上のマップを見ると単純な洪水リスクという観点では「千種」駅周辺は色が塗られておらず、低リスクであることが分かると思います。
また、内水氾濫の状況を見ても、全くのノーリスクというわけではありませんが、内水氾濫に関してはノーリスクの場所は存在しないので、「かなり良好」と言って良いと思います。

前回ご紹介した「金山」駅も洪水リスクが低い場所でしたが、それよりもさらに良好な環境と言えます。

ちなみに、各ハザードマップの定義としては、

洪水ハザードマップ
→大雨などが原因で堤防が決壊してしまった場合、浸水する恐れのある範囲や浸水の深さを知ることができるもの
内水氾濫ハザードマップ
→大雨時に下水道や水路などから浸水が想定される区域や浸水する深さなどの情報をまとめたマップ

という感じです。

近年はゲリラ豪雨が増加し、短時間に大量の雨が降った結果、内水氾濫(※)が増加傾向にあります。
そのため、後者の内水氾濫ハザードマップも重要になってきているのは覚えておいた方が良いです。

※内水氾濫:雨の量が下水道管などの排水能力を超えた時や、河川などの排水先の水位が高くなった時に雨水を排水できなくなり浸水すること

(参考)下水の排除方式:合流式

詳細は名古屋子育て情報局の特集ページを見ていただければと思いますが、以下のマップの通り、「千種」駅エリアの下水の排除方式は”合流式”です。
ただ、名古屋市でリスクの低い分流式となっているエリアは八事や本山より東で、街の中心部から離れたエリアに限られているので、仕方がないとも言えます。

合流式エリアに住んで直面するリスクを簡単に言うと、
大雨による内水氾濫等によりトイレ排水等の生活排水を含めた汚水が逆流する
という感じです。

逆流は頻繁に発生するものではありませんが、ゲリラ豪雨が近年増加していることを考えると、こういった下水の排除方式も頭の片隅に入れておいた方が良いかもしれません。

治安:駅周辺は犯罪発生件数が多い

治安については、千種駅周辺は犯罪発生件数が多いエリアです。
以下のマップは、愛知県警が公開している”犯罪オープンデータ”を使用して作成したものですが、「千種」駅は名古屋市営地下鉄全87駅中73位で名古屋の中で良好とは言えないエリアとなっています。
(愛知県警の該当ページはこちら)

“犯罪オープンデータ”がどんなデータかというと、以下の7項目の犯罪がどこで発生したか、というデータです。

ひったくり
車上ねらい
部品ねらい
自動販売機ねらい
自動車盗
オートバイ盗
自転車盗

今回は、これを用いて令和4年の1年間で発生した犯罪数を町丁目単位(xx2丁目という単位)で塗りつぶしています。

▲ちょっと気になる状況ではある

具体的な数字を出すと、上記マップの駅半径800m以内で発生している公開7項目犯罪は約127件/年という感じ。
前回の「金山」駅も多い方でしたが、「千種」駅はその1.5倍の件数が発生しています。

だいたい3日に1件前後という計算になるので、気になる方も出てくるような水準だと思います。

※詳細な計算方法等はこちらの名古屋子育て情報局の記事をご覧ください。

交通事故(人対車):駅周辺は気になるほどの多さではない

交通事故の状況も人対車に限定して分析してみました。
使用しているデータ等の詳細はこちらの名古屋子育て情報局の記事をご確認いただければと思いますが、以下のようなデータを使って分析しています。

警察庁が公開している2020年～2022年の3年分の交通事故データ
自動車専用道路(高速道路)の事故は除外
人対車の交通事故に限定
駅半径800m内で発生した事故を集計

他のエリアの状況と比較するため、少し広めの範囲をマッピングすると以下のようになりました。
なお、負傷事故のプロットは半透過化処理をしているので、同一ポイントや近隣ポイントで事故が複数発生していると青色が濃くなります。

▲数字は多く見えるが駅周辺はそこまで多くない

具体的な数字としては駅半経800m内で発生した20年～22年の人対車の交通事故は50件(76位)という感じで、ランキング的には下位。
ただ、マップをよく見ると、千種駅周辺でも発生していますが、特に多いのは隣の今池駅周辺であることが分かるので、実態としては千種駅周辺はそこまで多くないと言えるかもしれません。

【千種区千種】駅周辺のライフインフォメーション

ここからは「千種」駅周辺の生活必需施設についてご紹介します。

具体的には、

役所・郵便局との位置関係
公園の状況
コンビニの状況
スーパーマーケットの状況
ドラッグストアの状況
医療の状況(内科・整形外科・皮膚科・眼科・耳鼻科・歯科)

をご紹介し、「生活しやすい場所なのか？」というのを考えてみたいと思います。

なお、各施設のデータは2024年と2023年に抽出したデータを使用しています。
閉店、新規開設等で現在の状況とは異なる可能性があることにご留意ください。
(病院・役所・郵便局は2024年、それ以外の店舗は2023年時点のデータ)

ただ、今回は24年5月にオープンした”ロピア”だけはエリアに対するイメージを大きく変える店舗なので、無理矢理マップに追加して対応しています。

郵便局・区役所:少し苦労するかも

意外と利用機会が多い区役所と郵便局の状況ですが、以下の通りとなっています。

▲千種区役所は遠い…

上図の通り、駅前に郵便局郵便局は無いため駅周辺に住んだ場合は少し面倒かもしれません。
ただ、隣駅にある”千種郵便局”はいわゆる「本局」と言われる郵便局で、平日夜間や土日も営業する”ゆうゆう窓口”が設置されている郵便局でもあるので、ある意味便利と言えるかもしれません。

また、役所は”どの区役所に行く必要があるか”で状況が異なります。
というのも、千種駅は区の境界付近にあり、駅の北・北西は東区、南西は中区、東は千種区という状況であるため。

もちろん、最近はどの区役所でも対応可能な手続きが多いですが、マイナンバーカード更新手続きなどは”住んでいる場所の役所”で行う必要があるので、行く頻度は高くはないものの、近隣に役所があったほうが便利なので少し気になります。
(例えば、住んでいるのが千種区だった場合、近くても中区役所でマイナンバーカードの電子証明書更新はできない)

特に千種区在住の場合、区役所改築の影響で2029年までは仮庁舎が東山公園駅付近となっていて結構距離があるので注意が必要です。

公園:良好な環境

「千種」駅周辺の公園の状況としては、駅から徒歩10分圏内(800m)にある1,000㎡以上の公園数は”7″となっており、充分な数があります。

▲公園の数は充分ある

なかには今池西公園のように「これは遊べる公園なのか？」みたいな公園もありますが、そこそこの規模の公園が揃っており、困ることは無いと思います。

▲今池西公園はちょっと異質

コンビニ:充分店舗がある

「千種」駅周辺のコンビニの状況は以下の通り。

▲駅前に沢山店舗がある

「千種」駅周辺のコンビニ数は多い方で、駅前に加え、それ以外の場所にも複数の選択肢があります。
やはり塾等が多く、人の出入りが激しい場所なのでコンビニの数も多くなっている感じですね。

強いて言うのであれば、駅の南エリアの少し離れたところはコンビニ密度が若干薄い気がしますが、そこまで気にするほどの少なさではないと思います。

スーパー:ロピアの存在が大きい

「千種」駅周辺のスーパーの状況は以下の通りで、やはり何と言っても冒頭で触れた”ロピア”が24年5月にオープンしたのが大きいです。

▲ロピアが駅至近に出来たのが大きい

ロピアは支払いは現金のみではあるものの、食品ディスカウントストアとして扱われることもあるほどの低価格路線のスーパー。
品揃えも精肉を中心とした生鮮食品部門に特に力を入れており種類も豊富なうえ、評判の良いプライベートブランドも取り扱っています。

▲結構存在感がある

これまでは「千種」駅に近いスーパーは駅西のバローのみでしたが、ロピアが出来たことで選択肢が増え、利便性がかなり上がったと思います。
唯一の難点は駐車場で、駅に近い場所という事もあり駐車可能台数が少なめなため、満車になることもしばしば。
しかも1,000円以上購入しないと駐車料金がかかってしまうところは、名古屋民的にはちょっとマイナスポイントかもしれません。

ちなみに、車を利用する前提とはなりますが、駅の南西約1kmところにイオンタウンがあるので食品以外の買い出し等も困ることは無いと思います。

ドラッグストア:複数の選択肢があり充実

徒歩10分圏内のドラッグストアは7店舗あります。

▲ドラッグストアも充実している

上図の通り、駅前に1店舗あり、少し離れたところにも複数の店舗があります。

コンビニと同様、駅の南側には店舗が無いところは要注意ですが、これだけ店舗があれば困ることは無いと思います。

ホームセンター:近くにはない

「千種」駅の2km圏内には大手ホームセンターありません。
もともと名古屋市内に大手ホームセンターの店舗は33店舗しか無いため、2km圏内に無くても仕方がないのですが…

子どもの自由研究の工作等でホームセンターに行く必要が出てきた場合は、砂田橋のコーナンに行くか、川名駅近くのDCMに行く事になると思います。

病院の状況

「千種」駅周辺の病院(内科・整形外科・皮膚科・眼科・耳鼻科・歯科)をマッピングしてみました。

出典:名古屋市医師会HP病院一覧および愛知県歯科医師会HP病院検索の住所より作成

上図の通り、整形外科・耳鼻咽喉科が駅の近くにありませんが、そこまで頻繁に行く科でもないので、目立った不便さは感じないと思います。
なお、詳細は子育て記事の方で触れますが、千種駅の北西1kmぐらいのところ(高岳駅の南東すぐ)には「名古屋市医師会急病センター」があり、日曜・祝日・年末年始も内科・小児科・外科・眼科・耳鼻咽喉科の診察が受けれるのは非常にマグマれていると思います。