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【西区】【春日井市】城北線特集 ー 都会の中をディーゼルのワンマン車両が走る…でも沿線は魅力がたくさん!将来生まれ変わる可能性は?

こんにちは!みー@飛翔です。久しぶりの記事ですが今回は城北線沿線を特集します。おそらくトップクラスに影が薄い路線なのでどこ?という方もいるかもしれません。しかしこの城北線、なかなかポテンシャルある路線なのです。

さて2025年は蛇年です。城北線沿線には蛇池神社という蛇にまつわる神社も存在しています。ということで謎多き路線、城北線に迫っていきます。

そもそも城北線って?

まず県外の方は聞いたこともないかもしれませんが、城北線は名古屋の北部を通るれっきとした鉄道路線です。運営は東海交通事業という会社。JR東海の子会社ですね。

東海道線の枇杷島駅から北東方面に伸びており、中央線の勝川駅方面に向かいます。途中大部分を国道302号線+名二環と並行します。

▲名古屋北部を走る謎多きローカル路線

こちらが地図です。全6駅があります。開業は1993年と比較的新しい路線です。もともとは貨物列車の迂回路目的で作られました。この路線があれば中央線からくる貨物列車が荒子のターミナル駅に最短で行くことができます。城北線ルートがないと、名古屋駅を通過し稲沢まで行って折り返し、また名古屋駅を通ってようやく荒子につくルートになってしまいます。後述する諸事情によって実際には城北線があるのに活用されず、そのルートになっていますが・・・

そんな城北線は普通の列車も走らせれば便利だろうと旅客用の列車が走っています。しかし本数がとても少なく、ラッシュ以外は基本1時間に1本しかありません。しかも来るのは1両のディーゼルカーです。周辺に住宅も数多く並んでいる中、この閑散ぶりは異常です。

しかもこれも後述しますが、勝川駅は乗り入れスペースは確保されていながら城北線の線路は不自然なぶつ切り。不便な状態が強いられていますが、これもずっと放置されています。

他方、線路そのものは全線高架でしかも複線というハイスペックです。本数を考えれば単線でも十分です。このアンバランスぶりも異様です。なんだかただものではない雰囲気を感じますね。まあ百聞は一見に如かず。実際に行ってみましょう。

城北線に乗ってみよう!

起点となる枇杷島駅は名古屋駅から1駅です。ここから簡単に乗り換えられるので、まずは枇杷島駅まで行きましょう。ただし先ほども書いたように本数が少ないので、事前に時刻表は調べてから行く必要があります。目の前で乗り継げなかったら次は1時間後です。

▲超高層ビル群を背景に1両のディーゼルカーが停まる

東海道線を乗り換えると周辺と不釣り合いな単行列車が停まっていますね。これこそが城北線です。支払い方法に注意が必要です。改札はなく、manaca、TOICAなどICカードは一切使えません。整理券をとって車内で清算する田舎ローカル線スタイルです。運賃も距離の割に少し高めです。

全線高架で景色はいいです。おすすめは南側の座席です。名古屋都心方面のビルが見渡せます。北側は名二環の高架に阻まれてあまり景色が見えません。

動き出すとディーゼルのエンジン音がうなります。地方のローカル線という感じです。全6駅で比較的短いですが、普段なかなか味わえないローカル感から、ちょっとした旅気分になれるのではと思います。

▲豪華すぎる高架のため駅に上るのも大変

先ほどの枇杷島駅はJRと乗り換え可能ですが、あとは無駄にハイスペックの高架式のため、上り下りは結構大変かもしれません。一部の駅を除いてエレベーターはありません。エスカレーターはもちろんありません。

尾張星の宮駅をすぎると小田井駅に着きます。名鉄と鶴舞線に上小田井駅というのがありますが、それとは500mくらい離れており、乗換駅としてはほとんど使えません。mozoワンダーシティの最寄り駅でもありますが、これまた500mくらい離れており、微妙に遠いです。この微妙なアクセスしづらさが、本数の少なさ、利用の少なさにつながっているのでしょう。

▲駅は高いところにあるので景色はいい

こちらは駅からの景色です。先ほど紹介したように高架が立派すぎてマンション5~6階くらいの高さがあるため、ずいぶん遠くまで見渡せます。名駅のビル群もよく見えます。左で建設中なのはザ・ランドマーク名古屋栄ですね。

小田井駅を出発すると次は比良駅につきます。ここには2025年の干支、蛇にまつわる神社がありますよ!

▲半分池に突き出す形でたたずむ神社

駅から徒歩5分のところに蛇池神社があります。正式には龍神社という名前なのですが、上の写真のように池があり、これを蛇池というのですが、そのほとりに拝殿が建てられているため、通称の蛇池神社という名前の方が有名なようです。

なぜ蛇池というのか。それは当時この池で大蛇を見たという村人の証言が元になっています。しかし結局蛇は見つからなかったようです。蛇の捜索には村人の知らせを聞いた織田信長が自ら池に飛び込んで探したという逸話も残っています。

2025年は蛇年。初詣には蛇にまつわるこの神社に行ってみてはいかがでしょうか。その際はぜひ城北線を使ってみてください。

▲高速道路と並行する都会的な風景に1両のディーゼル

さて駅に戻ってさらに東を目指します。この区間は車窓が面白いです。ジャンクション特集でも登場した楠ジャンクションの中をすり抜けていきます。複雑に絡み合うランプに閉口しながら列車が駆け抜けます。結構楽しいです。

そして次は味美駅。こちらも名鉄に同名の駅がありますが・・・これまた1km近く離れており、乗換駅としては使えません。

▲右は城北線、左はJR中央線

さて次の味美駅を越えると早くも終着駅の勝川駅に着きます。勝川駅といえば中央線もあるので簡単に乗り換えできる?と思うかもしれませんが、乗り換えは非常にしにくい構造になっています。写真のように線路がぶった切られています。城北線はこの切られた高架の先、階段を歩くことを余儀なくされます。線路のものは近接しているのになんと不便な・・・

味美駅も小田井駅も微妙に他の駅から離れており、勝川駅もこの状況です。これでは利用が少ないのも仕方ないかもしれません。

ということで城北線6駅はこれで乗りとおせました。わずか15分ほどの旅ですが、普段利用している人めったに少ないどころか存在すら知らない人もいるかと思いますので、ちょっとした小旅行に使ってみてください。

なぜこうなっているのか

さてレポートはこれで終わりですが、いったいなぜこんなことになっているのでしょうか。路線のハイスペックぶりに対して車両や設備のロースペックぶりが目立ちます。まあそれはもともと貨物の予定だったので仕方ないのですが、なぜ車両の増発や設備投資がされないのでしょうか。都会の近郊路線ということを考えると投資されてもいいはずです。しかしこれには訳がありました。

実は城北線は建設した鉄道・運輸機構からJR東海が借りている形をとっています。そのためJR東海は鉄道・運輸機構に賃貸料を払わなければなりません。しかももし城北線に設備投資をしたら、鉄道・運輸機構に支払う貸付料はその分加算されるというシステムなのです。

よって車両や設備に投資をすると返済金が増えてしまうのです。そのため最低限の設備でだましだまし運行しているのです。この契約は2032年までは続くので、少なくとも同年までは現在の運行形態が続くものと思われます。

なんと理不尽というか大人の事情が根深いというか・・・しかしこのスキームは変わらないでしょう。なのでこのアンバランスを味わえる期間がしばらくは続くとプラスにとらえ、都会のハイスペック規格路線をディーゼルの単行が走る不思議感を存分に味わっておきましょう(笑)

▲勝川駅は城北線の乗り入れを前提とした空間が確保されている

勝川駅に注目すると高架の形が不自然になっています。これは城北線の駅からみた中央線の勝川駅方面ですが、謎のスペースが確保されています。そう、将来の城北線接続を見据えたスペースなのです。ここに複線幅の線路を通し、中央線と対面乗り換えができるように設計されています。

2032年になったらぜひとも投資を行い、少なくとも勝川駅は乗り入れを果たしてほしいです。また枇杷島からもうひと一駅で名古屋駅なので、こちらも接続してほしいですね。本数ももう少し増やしてほしいと思います。もともと沿線は住宅街ですから、本数が増えれば乗ろうという人が増えるはずです。今は本数が少なすぎて使い物にならず、城北線でどこかにでかけるという発想が生まれないでしょう。

鉄道・運輸機構の「呪縛」から解き放たれるとき、城北線が便利な路線として生まれ変わることを期待したいです。

*  *  *


いかがでしょうか。今回は都会のローカル線、城北線に注目してみました。住宅が密集する周辺の環境に対し不自然なほどのアンバランスさが残る城北線ですが、そこにはこんな裏事情がありました。当面はこのままですが将来どうなるかも期待したいです。

また2025年らしい蛇にまつわる神社も比良駅からほど近くです。城北線の旅にぜひ行ってみてください。

次回もお楽しみに!

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みー@飛翔
1996年名古屋生まれ。物心ついたころから都市開発を追っかけています。専門ブログ「飛翔~リニア時代の新しい名古屋へ」を運営しています。地形や街の成り立ちも好き。ここではビルを中心に、街を歩くのがちょっと楽しくなる街ブラ記事をお届けします。