今回の特集は、名古屋市の東の玄関口である「藤が丘」駅です。
地下鉄東山線「藤が丘駅」
市内で最も人気の高い地下鉄東山線の始発駅。
「藤が丘」駅の最大の魅力は、なんと言っても市内随一の人気沿線で座れることでしょう。
また、「栄」駅「名古屋」駅まで乗り換えなしでアクセスできる点もポイントです。
愛・地球博の会場アクセスを目的に建設された東部丘陵線(リニモ)の始発駅も隣接。
昨年秋にオープンした「ジブリパーク」へのアクセス拠点としても重要な駅です。
駅周辺は賑やかな商店街。
駅から少し離れると、穏やかな住宅街が広がっています。
緑豊かな環境を維持しつつ、都心への快適なアクセスが可能。
子育て層や転勤族にも人気のエリアです。
周辺には大学も多いため、学生の歩く姿も多く見られます。
ちなみに地下鉄東山線の「上社駅」以東の駅は高架式のため、「藤が丘駅」も地上にあり、逆にリニモの駅が地下にあります。
「藤が丘」の歴史
長久手市と隣接する名東区は農地や山林が中心の地域でした。
1960年台に地下鉄東山線が整備されたことによって開発が進みました。
「藤が丘」駅は、地下鉄延伸工事により1969年に完成。
市の中心部まで乗り換えなしでアクセスできる魅力から、ニュータウンとして急速に発展しました。
都心への軽快なアクセスを叶える緑豊かなベッドタウン
駅前周辺は商業地域・近隣商業地域に指定されており、名東区内では最も市街化しているエリア。
スーパーや飲食店、金融機関の支店など生活を支えるお店だけでなく、ファッション関係のお店も充実しています。
駅から少し歩くと、落ち着いた住宅街が広がっています。
もともとは丘陵地であったエリアを開発したニュータウンのため、すっきりと区画された美しい町並みであることや、景観の良い並木道が多いことも特徴。
お散歩するにも気持ちいい街並みが続きます。
なお、駅東側の「朝日ヶ丘」には地下鉄東山線の車庫があります。
編集部イチ推し!ライフインフォメーション
生活利便施設
藤が丘中央商店街
名古屋市東部の開発が進むにつれ、地下鉄・市バス・名鉄バスの乗り換え駅として乗降客が増加し、1976年に商店街が発足。
「愛・地球博」の際にはリニモが建設され、長久手市や豊田市からの乗降客も増加しています。
そんな活気ある「藤が丘」駅前を彩る『藤が丘中央商店街』。駅前の広場では毎年4月に商店街主催の「藤が丘さくらまつり」が開催されています。
片屋根式のアーケードになっているため、雨の日でも快適な買い物が可能。
マックスバリュや成城石井といったスーパーやドラッグストアはもちろん、マクドナルドやミスタードーナツなど大手外食チェーンをはじめとした飲食店も揃っています。
(個人的には、フレシネスバーガーがあるのはポイント高い!)
また、クリニックや金融機関の支店など多種多様な店舗が集まっており、一通りの生活に困ることはないでしょう。
特徴的なのは、近隣大学の学生や地元のライブハウスと協力して、若い世代の顧客獲得に力を入れていること。
こうした取り組みについて、商店街理事長の山田直之さんにお話を伺いました。
「藤が丘駅」の大きな魅力は、バスやリニモとの連携によって、近隣の学生さんの利用がとても多いということ。
つまり、商店街の顧客は地元住民だけではないんですよね。その強みを生かすために、愛知学院大学経営学部の地域連携センターと協力してさまざまな取り組みをおこなっています。「リニモどらやき」をはじめとした地域独自の商品の開発には、若い世代のアイデアが必要不可欠でした。
また、地域住民と大学生が協力してアンケートを集めてまちづくりの参考にしています。街はほっとくとどんどん高齢化していくので、大人だけで話し合ってもいいアイデアは出てこない。
駅を利用する大学生の声を積極的に取り入れることで、より魅力的なまちづくりが可能になります。
また、商店街と協力してまちづくりに取り組んでもらっているのが地元のライブハウス「MUSICFARM」さん。さくら祭り(4月)と大文化祭(11/3の文化の日)で、連携してイベントを運営しています。
お祭りでは、地域の方の演奏や学生のブラスバンドの演奏に音響関係で協力してもらったり。
MUSICFARMに出演するアーティストさんがライブイベントに出演することもあります。
また、ライブハウス主催の音楽イベントに場所を提供したり、道路使用の許可を得る際に商店街として協力したりしています。
老舗のライブハウスですから、ライブ目的に県内だけでなく県外からもライブ目的で藤が丘駅に人が来てくれるわけですね。
商店街のマップを作成してもらったのですが、ライブに来たお客さんにもうちの商店街のお店を楽しんでいただけているようです。
地域住民だけでなく、利用してくださる方全てにとって魅力的な商店街にしていくことが、地域の活性に繋がっていきますからね。
「来るもの拒まず」「ごった煮」が魅力の大須商店街とは一味違う、独自の取り組みを続ける『藤が丘中央通り商店街』。
地元住民だけでなく、学生や地元ライブハウスの力を取り込むことによって、あらゆる世代にとって魅力的な商店街に発展していることに感動を覚えました。
※ライブハウスMUSICFARMについては、伝説の超ナゴヤ人でも特集しています。
藤が丘effe
藤が丘effeは、商業施設と駅前駐車場を兼ねた複合商業ビル。
キャッチフレーズは、「Daily生活彩館」。
1階は多彩な店舗が入った食品フロアとなっています。
- 輸入食材なども豊富な「成城石井」
- 農家から直接仕入れたとれたての野菜や果物を扱う「カネトク」
- 高島屋など大手百貨店にも多数出店している鮮魚店「中島水産」
- ブランド肉も取り扱う対面方式の精肉店「ニュー・クイック」
- 神戸生まれのベーカリー「Cascade」
などなど…こだわりの食材が調達できるスポットです。
2階は、「サイゼリヤ」などの飲食店のほか、クリニックも入っています。
おすすめスポット
駅前通りの桜並木
「藤が丘駅」駅前の魅力といえば、1969年に駅が完成したころから植樹されてきた桜並木。駅前の商店街や北西側を中心に、道の両サイドに約1000本ものソメイヨシノが植えられています。
春になれば見事な桜のトンネルが出現。
お花見のお散歩をする方の姿も多くみられ、街のシンボル的な存在と言えるでしょう。
明が丘公園
「藤が丘駅」から北西へ桜並木が続く通りを5分ほどのところにある「明が丘公園」。
この公園は雑木林に囲まれた小高い丘になっており、駅徒歩5分という立地を忘れそうになるほど豊かな自然を感じられるスポット。
階段や緩やかな坂道で気軽に頂上へ登ることができます。
頂上からの見晴らしは最高!
公園の西側には、炉や洗い場などが備え付けられたデイキャンプ場があります。(炉は2基設置されています)
取材に訪れた日は家族連れがバーベキューを楽しんでいました。
バーベキューの利用詳細はこちら
公園の東側にはブランコや滑り台、砂場、ジャングルジムなどが揃う遊具の広場があり、小さいお子さんの遊び場にぴったり。
また、公園の南側にあるグラウンドは少年野球やソフトボール、サッカーチームの練習や試合などに利用されています。スポーツの盛んな名東区ならではの施設ですね。
意外と穴場!?「藤が丘駅」まで徒歩圏の「長久手市」
名古屋市の東の玄関口である「藤が丘駅」には、隣接する長久手市から徒歩でアクセスできるエリアがあります。
「ほぼ名古屋市」と言ってもいい(?)このエリア。
実は、名古屋市内よりも良い条件で物件が見つかるかもしれない穴場スポットなのです。
「日本一若いまち」長久手市の魅力とは
名古屋市と豊田市の中間に位置する長久手市は、高齢化や人口減少が進む中で人口が増え続けている希少な自治体。平均年齢「40.2歳」と「日本一若いまち」の異名をとっています。その背景は、愛・地球博前後から区画整理が進み、若年層が急増したことにあります。
区画整理で販売されたハウスメーカーの住宅は、当時としては強気な価格設定だったそう。
しかし、まちづくりのコンセプトが名古屋市や豊田市の大企業に勤務する子育て世代に強く支持されました。
それは、ゆったりとした区画や平均150㎡〜の敷地計画、自然と共生する緑豊かなまちづくり。
長久手市には高校や大学など学校も多く、教育環境が充実している点も子育て世代に人気の理由です。
イオンやイケアなど大型店もあり、車があれば買い物も便利。
ジブリパーク(愛・地球博記念公園)など子育て世代に人気のスポットもあり、ますます注目を集めています。
大規模マンションが集まる子育て世代に人気のエリアとは?
長久手市といえば敷地の広い戸建中心のエリアというイメージが強いかもしれません。
しかし、今回の特集である「藤が丘駅」に徒歩10〜15分で歩ける「原山」「南原山」「西原山」「東原山」「荒田」の周辺には、大規模マンションが多く集まっています。
ちょうど「藤が丘駅」と「香流川」の中間に位置するエリア。
このエリアには、同じ「藤が丘駅徒歩圏」でも、名古屋市内よりも比較的買いやすい価格帯の中古マンションが揃っています。
便利なところに住みたいものの、自然環境は身近に欲しい。
ある程度の広さも欲しいけど、これから色々とお金がかかる・・・
そんな子育て世代におすすめしやすいスポット。
マンションの構造や性能といったスペック・広さ・価格のバランスが取れている物件が多いのです。
マンションを購入する場合、修繕費や管理費は住民同士で分割して負担するため、長期的な経済負担を考慮すると大規模マンションがおすすめ。
長久手市は若年層に人気が高い自治体であることから、マンションの資産価値の維持という面でもメリットが大きいと言えるでしょう。
敷地内に公園があるようなマンションも多く、お子さんを遊ばせるのにちょうど良い印象。
スーパーやドラッグストアなど生活利便施設も揃っています。
取材後記
地下鉄東山線の始発駅の魅力は、「座れる」だけじゃありませんでした!(ゴメンナサイ)
「藤が丘駅」周辺を実際に歩いてみて、ニュータウンならではのすっきりとした区画や美しい街並みはイメージ通りでした。駅前はおしゃれなお店も多く、こだわりの食材からファッションまで揃う便利な街。
今回の取材では、隣接する長久手市と併せて「若年層」に人気の高い街であることを再発見。実際に、若者に訴求する取り組みをがんばっていることには新鮮な驚きを感じました。
名東区は全体的に転勤族(よそ者)の多い街でもあるため、「名古屋らしくない街」とも言われます。
昭和後期に開発されたニュータウンは全国的に高齢化が進んでいます。
「オールドニュータウン」「ゴーストニュータウン」という言葉も聞かれる今日この頃。
「藤が丘」は、そのようなニュータウンとは一線を画しています。
地の利だけでなく街の人々の創意工夫を活力にして、若者と一緒に進化し続けているのです。
先日訪れたイベントで、愛知県知事が言っていた印象的な言葉を思い出しました。
「イノベーションを起こすのは『若者』『よそ者』『ばか者』である」
そんな可能性に満ち満ちた街、それが「藤が丘」の魅力です。