こんにちは!みー@飛翔です。最近更新がなくてすみません。
今回はdelaDESIGNエリア特集に合わせて再開発が進む名城公園駅周辺を解説します。
名城公園駅といえばどんなイメージでしょうか。その名の通り名城公園はありますが、基本周りは住宅地で、10年くらい前なら何もないイメージだったと思います。用がなければわざわざ名城公園の駅で降りようとはあまりならなかったでしょう。
もちろん桜や藤の季節は素晴らしいです。都心に近いながら自然に触れあえる貴重な空間です。名古屋城との共演を楽しめるのはここだけです。写真を撮るのも楽しいですよ!

ですが今は桜や藤だけではありません。最近施設が次々と完成して、名城公園駅の利用客数も大幅に増加しています。そしてその動きはさらに加速し、再開発が進んでいます。ここ10年弱で2つの大学、商業施設、そしてアリーナまでもが完成間近。住宅街の駅としては異例の進化を遂げているのです。
かつては住宅街、今では学生街
かつて名城公園駅の直上に広がっていたのは公務員の待機宿舎。しかし何年も前から使われずに、駅前に近い土地ながらもったいない利用のされ方が続いていました。そこに進出したのは2つの大学です。

1つは愛知学院大学。駅からやや南のところに10階建ての大型校舎が2棟建っています。1期2期に分けられて建設されました。レンガ色とガラスが融合した建築です。
この結構広い敷地には商学部・経営学部・経済学部・法学部が存在します。周辺の歩道にはかつてはなかった学生の姿を多く見かけるようになりました。
実はここ最初は中国の総領事館ができる話もありました。いろいろあった末に大学に決定したわけですが、結果的に大学でよかったと思います。街への賑わい効果が大きいですからね。

そしてもう1つは名古屋造形大学。芸術系の大学とあって独特のつくりをしています。
設計者は山本理研。先日建築界のノーベル賞とも呼ばれるプリツカー賞を受賞した有名な人物です。世界各国の集落を回り、プライベートとパブリックな空間のつながり方を主に研究し、それを建築に生かしてきました。そのため空間が壁などで明確に仕切られた建物ではなく、空間同士があいまいなつながりの構成の建物が多くなっています。
これらの大学はいずれも郊外から移転してきたものです。かつて都心に機能集積が進んだ時代、大学は広い敷地を求めて郊外に移転するのが流行りました。これは東京など他の大都市圏も同様です。しかし今は少子化が進みアクセス面で不利な郊外から都心に回帰する動きが進んでいます。
愛知学院大学は日進、名古屋造形大学は小牧から、それぞれ移転してきました。今では都心からもアクセスが良好な駅徒歩1分の都市型キャンパスになりました。
今最注目のアリーナ開業が迫る!
続いてはいま最も注目度の高いアリーナを見ていきます。名城公園のかつて野球場があった場所に建設されているのが愛知県新体育館「IGアリーナ」です。1万7000人の人数を収容でき、コンサートなどに対応した本格的な音響設備も設置。国内最高レベルのアリーナが今、誕生しようとしているのです。

外観が特徴的です。隈研吾の設計です。この人物は木材をいろいろな形で建築の外装材に利用するのが特徴です。IGアリーナではのっぺりした外観に斜めの木材をランダムに取り付けることで、ダイナミックな形態が実現しています。
もともとIGアリーナは名古屋城駅からほど近いドルフィンズアリーナが老朽化したものの、土地が狭いため名城公園に移転拡張したという経緯があります。アリーナやライブハウスが少なすぎて名古屋でイベント開催されない名古屋飛ばしという現象がありましたが、その対策の意味もあるのです。先ほども述べたようにIGアリーナは収容人数もアクセスも設備も最高クラス。名古屋飛ばしが過去のものになったらいいなと思います。
IGアリーナの完成は2025年7月、大相撲名古屋場所でこけら落としとなります。本当に楽しみですね。

大津通から見た名城公園の様子です。左に山本理研の名古屋造形大学、右に隈研吾のIGアリーナ。有名建築家の携わった2つの大型施設が道路を挟んで建っているこの景色はすごいと思います。
あと奥にはザ・ランドマーク名古屋栄も見えますね。(再開発好きとしてこれは言っておきたい!笑)

そして忘れてはいけないのが名城公園そのものも進化中ということです。IGアリーナの建設に伴って東側の芝生広場が大幅リニューアル。こちらのアリーナの開業と合わせて夏に開放予定です。
ちなみにかつてオランダの風車があったのですがあれはなくなってしまいました。老朽化に伴い修理するのも大変とのことで・・・まあ残念ですが、新しい開放的な芝生広場の完成を楽しみにすることにしましょう!

こちらはIGアリーナのすぐ南にあるtonarinoです。2018年に完成しました。公園になじむ木材を多用した外観です。右の大階段ではイベントも想定したつくりになっています。木材を多用する感じはIGアリーナと近いですが、隈研吾は木材を離散的に取り付けるイメージなので若干違うと言えば違いますね。
テナントはカフェやレストランなどが中心ですが、ヨガやランニングを支援する施設が入るなど、名城公園をスポーツの場として利用する客をターゲットにしているのも特徴です。ふらっと気軽に行けるのでぜひ行ってみてくださいね。
地上だけではない?地下も進化中!
さて名城公園の進化は地上だけにとどまりません。次は地下を見ていきましょう。

実は地下鉄名城公園駅も地上の進化に合わせて大幅リニューアルが進んでいるのです。名古屋市交通局は駅の老朽化の対策として、栄や千種や上前津といった都心の駅を大規模にリニューアルしてきました。壁や天井などの塗装も大幅変更し、都心に相応しい清潔で洗練された空間をつくってきました。
そして名城公園駅もそのリニューアル対象に選ばれました。昔の感覚で行けばただの住宅街の名城公園駅がなぜ?となるでしょうが、それだけ施設の集積が進み名城公園が主要駅とみなされてきたということでしょう。

こちらはホームの様子です。まだ工事は完了していませんが、完成が近づいてきています。昔の雰囲気と全然違いますね。というか昔の姿が思い出せないくらいなのですが(笑)
以前はこの辺に家がある人くらいしか使っていなかったのが、大学生、アリーナの観客などさまざまな利用者が増え、その玄関口として相応しい設えになっていると感じます。
さらに今進んでいるのは先ほどのIGアリーナに地下で直結する連絡通路の建設です。これができれば雨にぬれずに、道路の横断もせずに、安全にアリーナに向かうことができます。
名城公園は今最もアツいエリア!
いかがでしょうか。名城公園エリアは名駅や栄など都心を除けば、今最も注目のエリアと言ってもいいでしょう。そして名城公園の再開発はまだあります。

先ほどの愛知学院大学の南側に位置するこの広い敷地は名古屋市交通局の旧名城工場跡地です。かつて名城線の東半分が開通していないころはここが車両繰りの基地となっていました。しかし名港工場の拡張によって約20年前にその役目を終えました。
今では交通局の関連施設も撤去されて再開発待ちの土地になっています。進化が止まらない名城公園界隈、ここには何ができるでしょうか。
これまで名城公園駅周辺の再開発を紹介してきましたが、周辺は閑静な住宅街というのは今でもあまり変わっていません。駅周辺こそ賑わい施設の相次ぐ完成で雰囲気が変わりましたが、少し歩けば暮らしやすい静かなエリアが広がっています。注目のエリアでありながらも、住みやすい静かな環境というのは名城公園のアドバンテージと言えそうですね。
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久しぶりに記事を書いてみるとやはりその街の魅力を再発見できることに気づきます。今後も頑張っていろいろな街の記事を書こうと思います。
次回もお楽しみに!