デ・ライフインフォメーション

デ・ライフインフォメーション【港区東海通/港区役所】の暮らしやすさを専門家が分析!『本当に住みやすい街大賞』受賞エリアの実態とは?

こんにちは。名古屋子育て情報局です。

今回のデ・ライフインフォメーションは、地下鉄名港線「東海通/港区役所」駅を調査しました。

「東海通/港区役所」駅エリアは、ららぽーとをはじめとした”みなとアクルス”の再開発エリア。
“みなとアクルス”はちょうど「東海通」駅と「港区役所」駅の間にあり、注目度が高まっています。

実際、2023年にアルヒ株式会社作成のランキング”本当に住みやすい街大賞2023 in愛知“では「東海通」駅が1位になっています。

過去に別会社のランキングで”名古屋市で一人暮らしに人気の駅No.1″に「新栄町」駅が1位だったりした事もあり、私個人としてはこういうランキングには懐疑的なスタンスですが、せっかくなので上記記事の記載を参考にしつつ、「東海通/港区役所」駅周辺は住環境として本当に住みやすい街なのか徹底的に調べました!

【港区東海通/港区役所】どんなエリアなのか?

「東海通/港区役所」駅はどこにある?

「東海通/港区役所」駅エリアの場所をマッピングすると以下の通りで、名古屋駅の南にあります。

車で走ると約8.5km程度で、25分程度で到着できる位置関係です。
(平日朝8時に東海通駅を出発する想定)

思ったより名駅とはそこまで離れていませんね。

通勤:主要駅へは25分程度あれば到着できる

「東海通/港区役所」駅から以下の6駅までの所要時間をNAVITIMEで調べました。

  • 「名古屋」駅
  • 「伏見」駅
  • 「栄」駅
  • 「久屋大通」駅
  • 「丸の内」駅
  • 「金山」駅

なお、検索条件は
“2024年10月10日(木)の朝8時に該当駅に到着する”
という内容で統一しています。

ちなみに、名駅が目的地の場合、金山からJRを使うパターンが最速ですが、毎日の通勤に2路線使うのは現実的ではないので、地下鉄のみのルートとしています。

また、グラフは左から乗車順に並べています。
例えば「名古屋」駅なら
[名港線・名城線に16分乗車→名城線から東山線の乗換に5分→東山線に3分乗車→「名古屋」駅着]
という見方です。

▲最も時間がかかる「名古屋」駅でも25分弱しかかからない

名港線は栄・久屋大通・金山へ乗り換えナシで行けるのが強みで、名古屋・伏見・丸の内は乗り換えが必要なものの、物理的な距離がそこまで離れてません。
そのため、今回ピックアップした主要駅へは概ね25分あれば到着できる、というかなり良好な結果となりました。
(名古屋人的には”25分”は遠いのかもしれませんが、愛知県の通勤時間平均は40分超なので…)

水害:最大の懸念ポイント

名古屋は堀川の西側や市の南側エリアは水害に弱いのですが、「東海通/港区役所」駅エリアもこの例に漏れず水害には注意が必要です。
以下のマップは「洪水ハザードマップ」と「内水氾濫ハザードマップ」ですが、両ハザードマップともに浸水の可能性を示す色が塗られています。

なお、以下に掲載するハザードマップは、エリアイメージを掴むための概要マップで100%正確なものではありません。
実際にエリアの安全性を確かめる際には、以下のハザードマップの詳細図を必ずご確認ください。
洪水ハザードマップ→こちら
内水氾濫ハザードマップ→こちら

出典:名古屋市ホームページ掲載のハザードマップより作成(洪水ハザードマップ/内水氾濫ハザードマップ)

繰り返しになりますが、このエリアに住むことを考えるのであれば、水害に対する対策や意識付けは必須であると言えます。
(地盤的にも弱いので液状化も心配なエリアでもある)

実際、みなとアクルスエリアにある”パークホームズLaLa名古屋みなとアクルス ガーデンスクエア”のモデルルーム訪問時には、
居住棟は2mのかさ上げをしている
という説明があり、こういった対策が必要なエリアであることを物語るエピソードだと思います。

▲パークホームズLaLa名古屋みなとアクルス の各棟間の公開通路はかさ上げされておらず、その高さがよく分かる

ちなみに、各ハザードマップの定義としては、

  • 洪水ハザードマップ
    →大雨などが原因で堤防が決壊してしまった場合、浸水する恐れのある範囲や浸水の深さを知ることができるもの
  • 内水氾濫ハザードマップ
    →大雨時に下水道や水路などから浸水が想定される区域や浸水する深さなどの情報をまとめたマップ

という感じです。

近年はゲリラ豪雨が増加し、短時間に大量の雨が降った結果、内水氾濫(※)が増加傾向にあります。
そのため、後者の内水氾濫ハザードマップも重要になってきているのは覚えておいた方が良いです。

※内水氾濫:雨の量が下水道管などの排水能力を超えた時や、河川などの排水先の水位が高くなった時に雨水を排水できなくなり浸水すること

(参考)下水の排除方式:合流式

詳細は名古屋子育て情報局の特集ページを見ていただければと思いますが、以下のマップの通り、「東海通/港区役所」駅エリアの下水の排除方式は”合流式”です。

▲残念ながらほとんどのエリアが合流式となっている

合流式エリアに住んで直面するリスクを簡単に言うと、
大雨による内水氾濫等によりトイレ排水等の生活排水を含めた汚水が逆流する
という感じです。

今回のエリアでは、皮肉にも工事が遅れまくっている”みなとアクルスB街区”以外は合流式。
逆流は頻繁に発生するものではありませんが、ゲリラ豪雨が近年増加していることを考えると、こういった下水の排除方式も頭の片隅に入れておいた方が良いかもしれません。

治安:東海通駅~港区役所駅間は要注意

治安については、駅前にはスポット的に犯罪発生件数が多いエリアが点在しているのが気になるエリアです。
以下のマップは、愛知県警が公開している”犯罪オープンデータ”を使用して作成したものですが、東海通駅は名古屋市営地下鉄全87駅中50位、港区役所駅は同33位で、特に東海通駅周辺は”良好”とは言い切れないエリアとなっています。
(愛知県警の該当ページはこちら)

“犯罪オープンデータ”がどんなデータかというと、以下の7項目の犯罪がどこで発生したか、というデータです。

  • ひったくり
  • 車上ねらい
  • 部品ねらい
  • 自動販売機ねらい
  • 自動車盗
  • オートバイ盗
  • 自転車盗

今回は、これを用いて令和4年の1年間で発生した犯罪数を町丁目単位(xx2丁目という単位)で塗りつぶしています。

▲スポット的に犯罪発生数が多いエリアがある

具体的な数字を出すと、上記マップの駅半径800m以内で発生している公開7項目犯罪は東海通駅が約48件/年、港区役所駅は約36件/年で、だいたい2週間に1件以上は発生している計算になります。
そこまで高頻度で発生しているわけではないですが、いわゆる”名古屋の東側の人気エリア”と比べると相対的に多いと言えます。
※詳細な計算方法等はこちらの名古屋子育て情報局の記事をご覧ください。

交通事故(人対車):市内でも交通事故が少ないエリア

交通事故の状況も人対車に限定して分析してみました。
使用しているデータ等の詳細はこちらの名古屋子育て情報局の記事をご確認いただければと思いますが、以下のようなデータを使って分析しています。

  • 警察庁が公開している2020年~2022年の3年分の交通事故データ
  • 自動車専用道路(高速道路)の事故は除外
  • 人対車の交通事故に限定
  • 駅半径800m内で発生した事故を集計

他のエリアの状況と比較するため、少し広めの範囲をマッピングすると以下のようになりました。
なお、負傷事故のプロットは透過化処理をしているので、同一ポイントや近隣ポイントで事故が複数発生していると青色が濃くなります。

▲両駅ともに交通事故が少ない

具体的な数字としては駅半経800m内で発生した20年~22年の人対車の交通事故は
・東海通駅 : 9件( 6位)
・港区役所駅:14件(23位)
という感じでかなり優秀です。

しかも、両駅ともに3年間で半径2km以内で発生した死亡事故が0件。
これはかなり安心感があるのではないでしょうか。

【港区東海通/港区役所】駅周辺のライフインフォメーション

ここからは「東海通/港区役所」駅周辺の生活必需施設についてご紹介します。

具体的には、

  • 役所・郵便局との位置関係
  • 公園の状況
  • コンビニの状況
  • スーパーマーケットの状況
  • ドラッグストアの状況
  • 医療の状況(内科・整形外科・皮膚科・眼科・耳鼻科・歯科)

をご紹介し、「生活しやすい場所なのか?」というのを考えてみたいと思います。

なお、各施設のデータは2024年と2023年に抽出したデータを使用しています。
閉店、新規開設等で現在の状況とは異なる可能性があることにご留意ください。
(病院・役所・郵便局は2024年、それ以外の店舗は2023年時点のデータ)

郵便局・区役所:郵便局・区役所は駅前にあるが、郵便局の密度は薄い

意外と利用機会が多い区役所と郵便局の状況ですが、以下の通りとなっています。

▲数は多くないが駅近くにあり利便性が高い

上図の通り、郵便局・区役所ともに駅前にあるので利便性が高くなっています。
少し気になるのは郵便局の密度の低さで、例えば「東海通」駅北西エリアに住んだ場合は若干郵便局まで距離があったりするケースも出てくる可能性があります。

近年ようやくコンビニ交付の検討が進み始めましたが、まだ名古屋市は役所に行かないと住民票の写しや印鑑証明書が取得できないので、区役所へのアクセスしやすいのは嬉しいポイントですね。

公園:数は多くないが規模大きな公園が多い

「東海通/港区役所」駅周辺の公園の状況としては、駅から徒歩10分圏内(800m)にある1,000㎡以上の公園数自体は東海通駅:5/港区役所駅:3となっており、数としてはそこまで多くありません。(順位も低い)

▲数は多くないが…

しかし、実際に現地を訪問してみると、それぞれの駅近くに敷地的に余裕がある規模の大きな公園を有しているなど、中身は充実しており、数だけでは見えてこない良さがこのエリアの公園にはありました。

東海通駅エリアは駅北にある”南郊公園”が東西に細長いものの有料施設(テニスコート)も有する規模でしたし、港区役所駅エリアは、駅近くにある港北公園が野球グラウンドを有しているほどの大規模公園です。

▲野球グラウンドを有する公園があるなど、中身は充実していた

未就園児期に使うような”ちょっとそこまで”的な公園は少ないですが、小学生以上であればこの規模の公園が複数あるのは非常にありがたいのではないでしょうか。

公園に関する詳細は別記事の”名古屋子育て情報局dD版”に書いてますので是非ご確認ください!

コンビニ:数は多くないが困るほどではない

「東海通/港区役所」駅周辺はそこまでコンビニが多いエリアではありません。

▲数は多くないが、各駅前にはしっかりと店舗が配置されている

数は多くないものの、駅前に店舗がしっかりと配置されており、居住可能エリアを考えると良い感じに店舗が分散しているように見えます。
もちろん、”気軽に歩いてすぐ”といった密度ではないですが、後述のスーパー等の充実ぶりを考えればそこまで気にならないのではないでしょうか。

スーパー:かなり恵まれている

「東海通/港区役所」駅周辺のスーパーの状況は以下の通りですが、御存知の通りこのエリアの強みは数ではありません。

▲数もしっかりあるが…

上図の通り、数自体も両駅ともに上位1/3に入るほど店舗がありますが、
・MEGAドン・キホーテ
・ららぽーと
の2つの存在がこのエリアの魅力を大きく引き上げています。

ららぽーとにはスーパーとしてもアオキスーパーが入っていますが、当然それ以外にも様々なものを買うことができます。
さらにMEGAドン・キホーテまで揃っているため、これ以上何を求めるのか?というほど充実していると言って良いと思います。

▲なんだかんだ言ってドンキが近所にあるのは便利

特に子育て世帯の場合、夜になって
「明日学校でXXが必要なんだけど…」
的な事を突然言われる場合がありますが、近所にドンキがあれば焦る必要はありません。
(しかも、ここのドンキは朝8時から夜12時まで営業しているうえに品揃えはかなり豊富でした)

その他にも、マックスバリュ、西友、バローもあるので、本当に買い物には困らない環境だと思います。

唯一気になる点があるとすると、港区役所駅南側にはほとんど店舗がないので”徒歩でスーパーに行けないとNG”という人は気をつけたほうが良さそうです。

ドラッグストア:港区役所周辺には少ないが…

徒歩10分圏内のドラッグストアは東海通駅は6店舗ある一方、港区役所駅は1店舗と、大きな差があります。

▲南側のエリアは要注意

特に、スーパーの項でも触れましたが港区役所駅南側エリアはほとんど店舗が内ので注意が必要。

とはいえ、最近のドラッグストアが求められているのは”食料品・日用品をを安く購入できる”ということだと思います。
その観点では両駅間にドンキがあるので、それだけで環境としては充実していると言えるとは思います。

ホームセンター:近隣に複数店舗あり

名古屋市内に大手ホームセンターの店舗は33店舗しかありませんが、「東海通/港区役所」駅の2km圏内には大手ホームセンターが2件あります。

▲”コーナンプロ”は本当にプロ向け…

もともと市内にはホームセンターの数が多くないので1店舗あるだけで嬉しいところですが、複数店舗あるのは充実していると言って良いと思います。
ただし、駅北東にある”コーナンプロ”はどちらかと言うとプロの職人向けの店舗で、一般人がそこまで頻繁に使うような店舗ではないので注意です。

病院の状況

「東海通/港区役所」駅周辺の病院(内科・整形外科・皮膚科・眼科・耳鼻科・歯科)をマッピングしてみました。
結論を先に言うと、整形外科、皮膚科、耳鼻咽喉科は数が少なく、徒歩圏にあるのは協立総合病院と中部ろうさい病院のみ。
特に中部ろうさい病院は紹介状が必要とされている病院で、気軽に行けるのは協立総合病院という事になるでしょうか。

もちろん、大きな病院が複数あるのは喜ばしいことですが、数が少ない診療科があるのは若干気になるかもしれませんね。

出典:名古屋市医師会HP病院一覧および愛知県歯科医師会HP病院検索の住所より作成

まとめ

いかがでしたでしょうか?

まとめると、東海通/港区役所駅の生活環境は以下のようなものであると言えると思います。

  • 通勤の利便性は高く、主要駅まで25分あれば到着できる
  • 名古屋市の南側ということで”水害”には特に注意
  • スポット的に”治安”が芳しくない場所がある一方で、交通事故は少なめ
  • 公園は数が少ないものの大規模な公園が複数あり充実している
  • 買い物は”ららぽーと”と”ドンキ”が両方あり、この2施設で何でも揃うので文句なし
  • 病院は若干密度は薄いが徒歩10分以内のエリアに揃っており、規模の大きな病院も複数ある

冒頭で触れた”本当に住みやすい街大賞2023 in愛知”においても、上記まとめの”交通利便性”、”住環境”あたりが高得点なのは私の調査でも同様の結果でした。

一方で、超高得点だった”発展性”に関しては、度重なる”みなとアクルス2期工事”の遅延、駅西1.7kmにあるアジア競技大会の選手村跡地再開発も選手村建設見送りで先行きが不透明であるという事もあり、ここまで高得点となるのは疑問が残る結果でした。

また、この地区では避けて通れない水害に関するリスクもノータッチであるのはちょっとズルいですね。。。
(※”本当に住みやすい街大賞2023 in愛知”の評価ポイントに入っている教育関係のお話や、みなとアクルス2期工事は別記事である子育て記事で少し詳しく触れてます)

一方で、
「ららぽーと&ドンキホーテが日常利用できる」
という1点だけでも、この地区の価値を大きく引き上げており、他の要素も併せてかなり魅力的な街である事は間違いないと思います。

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その他、子育てに関連した学区等の情報は別記事でご紹介していますので、そちらもぜひご覧ください!

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ABOUT ME
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名古屋子育て情報局
1984年生まれ。企画職や事業コンサルを経て、数年前に名古屋に戻ってきた2児の父。名古屋では学区や受験などを含めた「子育て情報」があまりオープンになっていない事に気づき、名古屋の子育て情報をまとめ始める。実は良好な名古屋の子育て環境の魅力を伝えられるよう尽力中。