ナゴヤ街ブラ都市デザイン

ナゴヤ街ブラ都市デザイン【北区黒川】【緑区南大高】【清須市】…名古屋は「ジャンクション大国」だった!マニアックな高速道路JCTの魅力に迫る

こんにちは、ご無沙汰しております。みー@飛翔です。今回は都市デザイン3回目の記事です。

更新頻度が下がっておりすみません。しばらく更新がなくて都市デザインのコーナーは廃止になったのか?と思っている方もいるかもしれませんが・・・安心してください。ちゃんと存続していますよ(笑)。

今回のテーマは名古屋の高速道路、その中でもインターチェンジやジャンクション萌えの記事を書いていきます。またマニアックな感じですが、実は一般の方もうっとりするような魅力があるんです。

ジャンクション大国、名古屋

それではまずは用語を説明します。インターチェンジ(IC)とは一般道から高速道(逆も)に入るための施設です。ジャンクション(JCT)は高速道から別の高速道に入る、いわば「乗り換え」の施設です。

ではその何が魅力なのか?それはずばりかっこいいのです。ICやJCTは車がスムーズに走るため信号や平面交差がありません。基本的にすべて立体交差です。となると多種多様な方向を結ぶ道路(ランプと言います)が必要になります。

特にJCTでは狭い範囲にそのランプが入り乱れるため、もはや芸術的ともいえる美しさになります(笑)それでは見ていきましょう。

日本最大級!?「名古屋南JCT」

イオンモール駐車場から。デカすぎて全貌が写りきらない・・・

こちらは名古屋南ジャンクション。伊勢湾岸道、名二環、名古屋高速大高線が接続する一大JCTです。場所はイオンモール大高の近くです。JR南大高駅からもイオンを通ってアクセスできます。(電車でJCT見に行く人っているのかな・・・)

たくさんの高架が上空を走っていくのがかっこいいです。実はこの名古屋南JCT、ランプの数が全国トップクラスなのです。非常に見ごたえも走りごたえもあるJCTです。

複雑な高架の上を淀みなく車が流れる

こちらは停車中に助手席から撮影。真下に来るとより迫力を感じます。国道23号と国道302号の結節点でもあるため、道路構造がさらに複雑なものとなっています。

さらにおすすめは夜のJCTです。道路等がライトアップ代わりとなり、より幻想的な風景となります。今回写真はありませんが、夜のJCT鑑賞も素晴らしいです。

迷路のような複雑怪奇ジャンクション

上空から見てみましょう。普通は高速道路が十字に交わるパターンが多いですが、先ほど書いたようにここは3つの道路が入り乱れる変則的な形。東西が伊勢湾岸道、北西が名古屋高速、北東が名二環となっています。

このかっこよさの裏には緻密な計算があります。例えばランプのカーブはクロソイド曲線という数式で表すことができます。土木工学や安全工学によって計算されつくした結果、この美しい姿が出来上がるというのがとてもいいですね。

清洲・楠・名古屋西…ハイレベルなJCTが揃い踏み

いきなりかなりレベルの高いJCTを紹介してしまいました。それでは次は清州JCTです。

複雑だが規則性があって美しい

これが清州JCTです。東西が名二環、南北が名古屋高速です。公共交通はあまりないので車で訪問がおすすめです。

先ほどの名古屋南JCTと違い直交交差なので規則的な形をしています。美しく弧を描くランプはもはや芸術の域です。清州もまた名古屋を代表するJCTと言えるでしょう。

他にもおすすめはあります。お隣の楠JCTです。こちらも名二環と名古屋高速の直交交差。しかし清州とは違い変則型です。先にT字のJCTができてそこに後から道路が接続したため同じ直交交差でも形が違います。2つと同じJCTはないのです。

名古屋西JCTもおすすめ。こちらも直交交差なのですが変則です。南側の名二環は3年前に開通したばかりですので、名古屋で最も新しいJCTと言えるでしょう。

これら4つはかなりのハイレベルなジャンクションです。さらに単体のインターチェンジでも名港潮見など美しいものが存在します。東京や大阪でもここまでは充実していないと感じます。名古屋は屈指の「ジャンクション大国」なのです。

黒川IC「ネックスプラザ」で名古屋高速の秘密に迫る

街中に突如出現するランプは迫力満点

ジャンクション大国名古屋の中でも黒川は外せないでしょう。インターチェンジですがランプの構造がすごいです。

こちらが黒川ICです。先日delaDESIGNでも特集があった黒川駅から徒歩5分です。(電車でIC見に行く人っているのかな・・・)

よく見ると奥のビルにランプが巻き付くように建設されていますね。ビルからしたら高速道路に巻き付かれてなんと迷惑な・・・と思うかもしれませんがご安心を。これは名古屋高速のビルです。そして1階には素晴らしい施設が入っています。

ランプの中に建つビルに広報施設が!?

建物入口は南側

それがこちら。ネックスプラザです。NagoyaのEXpresswayということでNEXです。ここは名古屋高速が広報のために設置している無料の施設です。名古屋高速に関する様々なことが学べます。

運転シミュレーターなどもあり小さな子供にもぴったりです。夏休みの自由研究にもいいかもしれませんね。たいてい家族連れが来ていて賑やかなイメージです。

そして建築や土木好きの私としてはこれは素晴らしすぎる施設です。これ、本当に無料でいいんですかと言いたくなる施設です(笑)

1/25の精密すぎる模型が!

ネックスプラザのレポートは他にもあるのでマニアックポイントだけにしぼって解説します。まずこの超精密模型・名古屋高速道路ができるまでがいいですね。精巧すぎます。よく見ると作業員が朝礼していたりします。

高架を作るにはまず基礎から。掘削にはオールケーシングやリバース、アースドリルなどいろいろあります。その後支柱を建て、桁を載せます。桁を支えるための支保工は建築ではあまり見ないようなゴツイものですね。

東山トンネルのすべてというコーナーもあります。こちらは名古屋高速唯一のトンネルを紹介しています。吹上から半地下になって高針までつながるあのトンネルです。

四谷以東の完全にトンネルとなる部分の施工にはNATM工法が投入されました。掘削した部分コンクリートを吹き付け、地中深くまでボルトを打ち込むことでトンネル空間を支えます。地下鉄のように道路の下に造るわけではないので開削(=地上から穴をあけ、あとで蓋をしてトンネルをつくるイメージ)は使えません。しかし山岳と違って土被りがかなり薄い箇所がありシールド(=回転する円形マシンで掘り進める。外部に圧力がかかる)も困難。そこで経済性も加味してNATM工法となったようです。

市内に新しいジャンクションが誕生!?

もう一つ注目の模型展示があります。それは新しい新洲崎JCTの完成予想模型です。名駅南にある新洲崎JCTは万場線と都心環状線の交差で一部にしかランプがありませんが、名駅からのアクセスを改善するためここにランプを増設する構想があります。

名古屋で最も新しいジャンクション誕生へ!

その完成予想が展示してあります。横が万場線、縦が都心環状線です。左上が住友生命ビルという位置関係です。真ん中やや上の広い土地に今はNAGOYA the TOWERが建っています。

左上が名駅方面なのでそこからランプが伸びています。これが新設される部分です。既存のジャンクションを乗り越えて各方面につながっていることがわかります。なかなか大掛かりな工事になると思われます。これが完成すると、先に挙げた4つのJCTには及ばないものの、新洲崎は名古屋高速ではかなり大きなJCTになります。

完成時期は2031年です。当初2028年とされていましたが、労務管理の厳格化などを理由に延期されたようです。また費用も増額しているようです。できると便利になるのでなんとか完成してほしいですね。

狭い土地を有効利用するため川の上にもランプが張り出す

それでは最後に黒川ICも上から見ておきましょう。大きなループが2つあることがわかります。実はここ名古屋高速で唯一のフルインター(=上下線両方に出入口がある)です。意外かもしれませんが、他のインターは例外なく片方しか出入口がありません。そういう意味でもレアですね。

なお黒川ICはこのようにランプのカーブかきついため30km、先ほど紹介した東山トンネルはトンネル内排気ガスによる視認性の低下を踏まえ50km制限となっています。名古屋走りのメッカなので誰も守っていませんが、ちゃんと速度は守りましょうね!

ナゴヤはJCTの魅力を存分に堪能できる街

いかがでしょうか。今回は名古屋のジャンクション萌えと高速道路の秘密に迫るマニアック回でした。興味を持った方はまずネックスプラザに行ってみましょう。ファミリーも多く気軽に行ける施設ですので、ぜひ足を運んでみてください。

さらに深堀したい方は実際にジャンクションを訪れてみるのがおすすめ。記事内で紹介した4つは必ず満足できる充実のジャンクションです。航空写真でも気軽に探せるので、ぜひお気に入りのジャンクションを見つけてみてくださいね。

次回もお楽しみに!

ABOUT ME
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みー@飛翔
1996年名古屋生まれ。物心ついたころから都市開発を追っかけています。専門ブログ「飛翔~リニア時代の新しい名古屋へ」を運営しています。地形や街の成り立ちも好き。ここではビルを中心に、街を歩くのがちょっと楽しくなる街ブラ記事をお届けします。