名鉄瀬戸線「小幡」駅
今回は守山区の真ん中にある名鉄瀬戸線「小幡」駅を特集します。
「小幡」駅周辺の立地環境
守山区は宅地化が進み、名古屋市の中では3番目に人口の多い区となっています。また、名古屋市16区の中で唯一地下鉄の駅がありません。
守山区の南には名鉄瀬戸線、区域西側にはJR中央本線、北西部にはゆとりーとラインがあり、いずれも大曽根駅へ乗り換えなしで行くことができます。
「小幡」駅エリアは北東部に半島のように伸びた守山区の南側中央部にあり、守山区の中でも人気の住宅地です。
今回取材したエリアも、閑静な住宅街、公園、区役所などの公共施設、スーパーやドラッグストアがバランスよく揃っていて暮らしやすそうな印象でした。
周辺エリアの交通
「小幡」駅の南には矢田川があり、千種区との区境になっています。矢田川にかかる千代田橋の西には名城線「茶屋ヶ坂」駅があり、バス路線がつながっています。
駅から竜泉寺街道を北東へ進むと小幡緑地、竜泉寺のあるエリアです。国道302号線と名二環「小幡」インターに接続します。
国道302号線は名鉄瀬戸線との踏切で慢性的に渋滞しやすいですが、高架化の工事が進められているので将来的には渋滞の解消が期待できそうです。
「小幡」駅から北に進むとゆるやかな高台になっていて、かつて城跡があったエリアになり、地名にも「西城」「城南町」などお城の名残が見られます。
さらに北に進むと松河戸橋に向かって下り坂になり、庄内川へと近づきます。
駅の北側には東西に瀬戸街道が走っています。西に行くと東区矢田、東は瀬戸市まで続く目抜き通りです。
守山区の中心エリア
守山区役所
「小幡」駅北口から徒歩6分ほどのところに区役所があります。
すぐ隣に休日診療所や小学校、児童館も揃っています。
アクロス小幡
駅前にあるアクロス小幡は1999年〜2002年にかけてA街区、B街区、C街区の3棟が竣工されました。守山文化小劇場のほか、店舗やマンション、駐車場などが整備されています。
ちょうど同時期に「小幡」駅の駅舎も現在のものに建て替えとなり、駅前広場も整備され、再開発が進められました。
ちなみに、中川区や北区は図書館と文化小劇場が併設されていましたが、守山図書館は2駅西にある「守山自衛隊前」駅の付近にあり少し離れています。
小幡エリア特集記事
更に詳しく「小幡」駅エリアの住環境を知りたい方は、以下の特集記事をご覧ください!
店舗&おすすめスポット
「小幡」駅エリアには駐車場のあるスーパーやドラッグストアがあり、生活必需品が揃いやすい環境です。
駅付近にはこだわりの感じられる喫茶店もありましたので、今回訪れたお店をご紹介します。
古時計
ウッド調の店内に古時計やアンティーク品がひしめき合うように飾られている喫茶店。心地よいジャズが流れていて、常連さんがたくさんいる店内でも不思議と落ち着きます。
気さくなマスターがサイフォンで丁寧に淹れてくれるコーヒーも美味しいのでおすすめ。なんとモーニングサービスは1日中ついてくるそうです。
場所は「小幡」駅と「瓢箪山」駅の中間あたりになります。
ミニヨン・ローズ
「小幡」駅南口の閑静な住宅街の中にあるこだわりの喫茶店。
神戸直送の炭火焙煎のコーヒーがいただけます。アイスコーヒーはコーヒーで作った氷なので溶けても薄まらないのがうれしいですね。
香り高いコーヒーが飲みたい方におすすめです。
小幡緑地
「小幡」交差点から竜泉寺街道を北へ進むと小幡緑地西園があります。球技場や大きな滑り台などのアスレチックがある大きい公園ですが、ここは小幡緑地の一部。
北東へ進み、国道302号を超えた先にはさらに広大な小幡緑地本園が広がっています。
こちらも大きな池や公園施設、スポーツセンターなどが集まっているので、体を動かすのが好きな人におすすめです。
名古屋唯一のキャンプ場「オバッタベッタ」
小幡緑地本園には公園だけでなく、名古屋唯一のキャンプ場「オバッタベッタ」があり、都市の中にありながらアウトドアも楽しめます。
テントサイトの他、手ぶらで楽しめるバーベキュー場やレストラン「マメボシ」、バンガローも完備されているのでキャンプ初心者にも安心です。
竜泉寺の湯
小幡緑地から車で10分ほどの場所には温泉施設の竜泉寺の湯もあるので、公園やキャンプの帰りに疲れを癒すこともできます。
「小幡」駅からは車で10分ほどの距離なので、暮らしの利便性と豊かな自然のどちらも味わえそうです。休日は外で遊びたいアウトドア派にもおすすめです。
「小幡」駅周辺の歴史
小幡城址
織田家の家臣であった岡田重篤が1522(大永2)年に築城した城跡です。
小牧・長久手の戦いでも使われたそうですが、その後廃城になっているため、遺構は残っていません。
しかし、実際に歩いてみると地形の高低差が大きく、特に西側には眼下に街並みが開けているのがわかります。
いまは高台の端に老人ホームと住宅があるだけですが、かつてはここにお城があったのだろうと想像できる地形になっていました。
小幡エリアは矢田川と庄内川に挟まれた地形ですが、「小幡」駅北側は土地が高くなっていて洪水などのリスクも低いとされています。
「瀬戸電」の謎
名鉄「瀬戸線」は名鉄の中でも唯一他の路線と接していない単独路線です。
他の名鉄の路線は「〇〇線」と呼ばれることが多いのに対し、なぜだか「瀬戸線」だけは「瀬戸電」と呼ばれることも。
その歴史には尾張東部にある焼きものの街・瀬戸が大きく関わっているというルーツも絡んでいるようです。
古くから窯業が盛んな瀬戸では、明治期に入り、焼きものを出荷するために中央線の誘致に乗り出すものの失敗。
そこで、地元の実業家が出資し、「瀬戸電気鉄道」が尾張瀬戸駅から中央線のある大曽根駅までの路線を開通させるに至りました。
その後、瀬戸線は名古屋城の外堀を通って堀川駅まで追伸され、瀬戸で焼き、名古屋で絵付けを施した焼きものは堀川を下って名古屋港から世界へと出荷されるルートが完成しました。いまから半世紀ほど前には名古屋城のお濠の中を名鉄が走っていたとはにわかには信じがたいですね。
名鉄の合併を経て、1970年代には名古屋側の終点は地下鉄「栄」駅に直結する瀬戸線「栄町」駅が開業し、現在は通勤・通学路線としての需要が大きくなっています。
ちなみに「小幡」駅は瀬戸線開業当初より現在の場所に駅が設置されました。現在の駅舎は建て替えを経て、4代目となっています。
こうした独自の歴史の背景もあり、地元民からは「瀬戸電」と呼ばれて親しまれています。
編集後記
生活に便利なお店と自然豊かな公園がバランスよく点在する名鉄瀬戸線「小幡」駅エリア。
区の中心部として区役所や学校、郵便局などの施設もまとまっていて、水害リスクも少なく、大曽根や栄に1本で出られる利便性も魅力です。
また、この近辺のお店は駐車場を併設している場所が多いので、車移動もしやすいと感じました。
アウトドア好きな方もぜひ訪れてみてください。