こんにちは!みー@飛翔です。2024年最初の記事ですね。今年もdelaDESIGNの当コーナー、そして私のメインブログの方をよろしくお願いします!
私事で恐縮ですが、2023年末に一級建築士に合格しました!
クリスマスに合格発表だったのでいい形で新しい年を迎えることができ、感無量です。
ということで、これから建築や都市をますます深めていく予定です。
このコーナーももっともっと濃いものにしていければと思っておりますので、今後ともよろしくお願いします。
今回は「高岳」駅。中着駅でない久しぶりの地下鉄単独駅です。それでは早速行ってみましょう!
そもそも「高岳」駅って?
「高岳」駅は桜通線の駅です。「久屋大通」駅との距離が近く、栄エリアも余裕の徒歩圏内です。駅周辺は基本的にオフィスビルを中心とした街並み。しかし、最近の都心居住の流れからマンションも数多く建設されており、商住混合のエリアとなっています。
広大なホームがお出迎え
ではまずは「高岳」駅を降りてみましょう。すると気づくことがありますね。
ホームが広い!やたら広い!
「高岳」駅は利用客が少ないわけではありませんが、乗り換え駅でもないですし、ここまでの広さはいらないように感じます。これはなぜなのでしょうか。
正解は、道路の下に「共同溝」があるからです。
これだけではちょっとわかりにくいですね。
「共同溝」とは、電気やガスなどのライフラインを地下にまとめて埋設している構造物のこと。地上に電柱を作らなくてよいため景観が向上したり、メンテナンスがしやすいといったメリットがあります。
その反面費用が高く、都心の一部地域でのみ採用される方式となっています。
桜通の地下にはほぼ道の真ん中にこの共同溝があるため、地下鉄はそれを避けてつくらなくてはなりませんでした。そのため、地下鉄工事はそれと干渉しないように道の両側から掘り進める必要があったのです。
その結果、本来より幅の広い地下空間ができあがったというわけです。
というわけで、これから「高岳」駅を利用する際は、共同溝の存在と、それを避けながら工事をする苦労があったのだな、と思いを馳せながら利用していただければと思います(笑)
国道41号線の起点
地上に出てみます。桜通と交差している道路は空港線です。上には名古屋高速が通っています。駅の出入口はすべて交差点の東側にあります。
ちなみに国道41号線の起点はこの交差点。現地にはそれを示す看板が立っています。国道の起点看板ってなんかいいですよね。
当コーナー好きな人はわかってもらえると思います(笑)
じわじわと高層ビルが増加中
60m~80mクラスのオフィス、タワマンが建ち並ぶ
高岳の地上の景色を見ていきましょう。桜通に沿ってビルが並んでいますね。実はこのエリア高層ビルが増加中なんです。
まず右に見えるのは「新東海関電ビル」です。関西電力の名古屋地区の拠点として2012年に竣工した15階、約75mの高層ビルです。大通りに沿ってガラス張りになっているのがいかにも都会的で、一際目立ちます。
このビルが長らく高岳エリアで最も高いランドマークでしたが、最近さらに高い建物が建設されました。それがやや左に見える『プレサンスタワー久屋大通』です。23階建で80mあります。
ほぼ同時期建設されたのがその左に頭を出している『プラウド久屋大通』。18階建で約60mあります。
さらにさらに一本中に入った場所でもタワマンが増えています。右に少し見えている白っぽい建物は『プラウドタワー名古屋久屋大通公園』。こちらは22階建で70mクラスです。
このように、タワーマンションの進出によって、100mは行かないまでも高岳や桜通沿いの高層化がどんどん進んでいます。
交差点南西で新たな再開発か!?
それに続く動きとして、交差点の南西角地で建物が解体され、駐車場が出現しています。以前は「ブリヂストン名古屋ビル」というビルがあったところです。解体したのは大和ハウス工業。同社がこのまま再開発を行う可能性が高いと考えられます。
跡地には何ができるでしょうか。大和ハウスは一昔前だと住宅メーカーというイメージでしたが最近はマンション以外にもオフィス、商業などやる何でも屋さんになってきています。なのでいろんな可能性があります。
名古屋市内だと、丸の内や名駅5丁目でオフィス開発実績があります。マンションならプレミストブランドが市内に多数。ここは商住混合のエリアなのでオフィスもマンションもあり得ますね。
ちなみに容積率は800%なので結構高度化が可能です。上に書いたように最近の高岳は中高層が増えつつあるのでその流れで高い建物になるかもしれません。
ただ、すぐに着工はせずに駐車場になっているので、現場はちょっと様子見なのでしょうか。いずれにしても今後の計画の動きに注目ですね。
あと、奥の「中日ビル」がかっこいいですよね。後ろ姿もたまりません(笑)
周辺を散策すると見えてくることが
「高岳」の名前の由来となったお寺
そもそもこのあたりはなぜ「高岳」というのでしょうか。名前の由来となったお寺が実は駅から北へ3分くらいのところにあります。高岳院です。「たかおかいん」ではなく「こうがくいん」と読みます。
このお寺は徳川家康の第八子の菩提を弔うために建立されたと言われています。10歳前後で亡くなったとされる徳川家康の第八子は、仙千代と呼ばれ、その法名は高岳院でした。
そしてかつて清州にあった高岳院が清州越しにともなって名古屋の中心部に移ってきたのです。それ以来、このあたりは「高岳」と呼ばれるようになりました。しかしなぜ「こうがく」と呼んでいたのが「たかおか」になったのかはわかっていません。
ちなみに当時の高岳院は非常に広大な敷地を有していたようで、山門は国宝に指定されていたのだとか。しかし残念ながら戦災で焼失。現在は周辺の開発が進み、都会の中でひっそりと佇んでいます。
かつては鋳物師が多く住んでいた街
高岳の少し北のあたりは「鍋屋町」と呼ばれていました。今このあたりはすべて「泉」となっていますが、かつては鋳物師が多く住んでいたことから、そのような名前で呼ばれていました。
空港線沿いには調理道具専門店の「鍋屋」さんもあります。創業は永禄2年(1559)。なんと安土桃山時代です。とんでもなく歴史あるお店ですね。
また、通りの名前が現在も残っており、街灯に鍋屋町通りという名前を示すサインが取り付けられています。
このあたりは有名な花街でもありました。花街とは、今でいう芸者などが集まる歓楽街のこと。右に見える料亭はその名残を色濃く残しています。最近できた店ではない昔からあった高級料亭はなんだか風格がありますね。
鍋屋町通りを歩くと、このような店舗をいくつか見つけることができます。花街というと心配される方もいるかもしれませんが、治安が悪いわけではありません。むしろにぎやかなエリアに近いのに一本入るとそこそこ雰囲気が落ち着くので、都心居住に向いていると思います。
そのためか、特に「高岳」駅北側では今ものすごくマンションが増えています。10階~15階くらいのものが多いですね。少し歩くだけでかなりの数の建設現場と小型クレーンを見ることができます。
まとめ:賑やかな都心と落ち着いた環境が同居する街
いかがでしょうか。
「高岳」駅の駅近は再開発が進むエリア、しかし一本入るとまずます落ち着いた環境であることがわかりました。
大繁華街の栄も徒歩圏なので、ある程度落ち着いた環境を求めつつ、にぎやかな都心の便利さも享受したい、そんな方にはおすすめのエリアです。
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今年もナゴヤ街ブラ都市学会やっていきますが、駅って100近くありますもんね・・・いつ終わるのかわかりませんが、頑張っていきます。次回もお楽しみに!