デ・ライフインフォメーション

【昭和区御器所】の暮らしやすさを専門家が分析!2路線利用可で郊外と都心の間に位置する”ちょうどいい街”の実態とは?

こんにちは。名古屋子育て情報局です。

今回のデ・ライフインフォメーションは、地下鉄鶴舞線・桜通線の「御器所」駅周辺にスポットを当ててみようと思います。

鶴舞線✕桜通線の組み合わせは一見地味(?)に思えるかも知れませんが、名駅や大須に直接行けるというのは意外と便利。
教育環境の詳細は別記事でご紹介しますが、御器所は高校受験・中学受験塾が密集する場所でもあります。

そんなポテンシャルの高い「御器所」駅周辺の暮らしやすさはどうか、というのを徹底調査しました。

【昭和区御器所】どんなエリアなのか?

「御器所」駅はどこにある?

「御器所」駅エリアの場所をマッピングすると以下の通りで、名古屋駅の南東にあります。

▲名駅から8駅だが、そこまで離れているわけではない

車で走ると約6.6km、概ね21分程度で到着できる、という感じ。
(平日朝8時に御器所駅を出発する想定)

上のマップでも分かる通り、名駅⇔御器所間は遠く見えますが、車だとそこまで時間がかかるわけではないです。

通勤:主要駅へは概ね15分あれば到着できる

「御器所」駅から以下の6駅までの所要時間をNAVITIMEで調べました。

  • 「名古屋」駅
  • 「伏見」駅
  • 「栄」駅
  • 「久屋大通」駅
  • 「丸の内」駅
  • 「御器所」駅

なお、検索条件は
“2025年5月13日(火)の朝8時に該当駅に到着する”
という内容で統一しています。

また、グラフは左から乗車順に並べています。
例えば「御器所」駅から「栄」駅なら
[鶴舞線に5分乗車→鶴舞線から名城線の乗換に3分→名城線に4分乗車→「栄」駅着]
という見方です。

▲概ね15分前後で主要駅に到着可能

上の図を見れば分かる通り、御器所駅は名古屋市内でも通勤利便性はかなり良い方。
前回の千種駅も優秀でしたが、距離的に少し都心から離れていることを考えるとかなり優秀だと思います。

やはり地下鉄2路線を使えるというのは強いですね。

水害:かなり良好

御器所駅周辺のハザードマップを確認すると
「駅周辺はほぼ心配する必要がない」
と言える環境です。

なお、以下に掲載するハザードマップは、エリアイメージを掴むための概要マップで100%正確なものではありません。
実際にエリアの安全性を確かめる際には、以下のハザードマップの詳細図を必ずご確認ください。
洪水ハザードマップ→こちら
内水氾濫ハザードマップ→こちら
(※今回から2024年に更新されたハザードマップを採用しています。あまり状況は変わっていませんが、地図の正確性・解像度は上がっていると思います)

出典:名古屋市ホームページ掲載のハザードマップより作成(洪水ハザードマップ/内水氾濫ハザードマップ)

上のマップを見ると単純な洪水リスクという観点では「御器所」駅周辺は色が塗られておらず、低リスクであることが分かると思います。
強いて言うのであれば、駅南東側の少し離れたところに浸水するリスクのあるエリアが一部存在するので、そこは注意が必要です。
(※このエリアは、古いハザードマップだと浸水する想定になっていないので注意!)

内水氾濫の状況も、全くのノーリスクというわけではありませんが、駅周辺はかなり良好。
御器所駅半径800m以内はローリスクな場所がほとんどです。
少し駅から離れると、駅の西側および東側に少し浸水深が大きくなる場所があるので、駅から1-2km程度離れた場所に住む場合はハザードマップをチェックしたほうが良さそうです。

ちなみに、各ハザードマップの定義としては、

  • 洪水ハザードマップ
    →大雨などが原因で堤防が決壊してしまった場合、浸水する恐れのある範囲や浸水の深さを知ることができるもの
  • 内水氾濫ハザードマップ
    →大雨時に下水道や水路などから浸水が想定される区域や浸水する深さなどの情報をまとめたマップ

という感じです。

近年はゲリラ豪雨が増加し、短時間に大量の雨が降った結果、内水氾濫(※)が増加傾向にあります。
そのため、後者の内水氾濫ハザードマップも重要になってきているのは覚えておいた方が良いです。

※内水氾濫:雨の量が下水道管などの排水能力を超えた時や、河川などの排水先の水位が高くなった時に雨水を排水できなくなり浸水すること

(参考)下水の排除方式:合流式

詳細は名古屋子育て情報局の特集ページを見ていただければと思いますが、以下のマップの通り、「御器所」駅エリアの下水の排除方式は”合流式”です。
ただ、名古屋市でリスクの低い分流式となっているエリアは八事や本山より東で、街の中心部から離れたエリアに限られているので、仕方がないとも言えます。

合流式エリアに住んで直面するリスクを簡単に言うと、
大雨による内水氾濫等によりトイレ排水等の生活排水を含めた汚水が逆流する
という感じです。

逆流は頻繁に発生するものではありませんが、ゲリラ豪雨が近年増加していることを考えると、こういった下水の排除方式も頭の片隅に入れておいた方が良いかもしれません。

治安:概ね良好

御器所駅周辺はスポット的に犯罪発生件数が多いエリアがあるものの、基本的には”良好”と言って良い環境です。
以下のマップは、愛知県警が公開している”犯罪オープンデータ”を使用して作成したものですが、色が塗られていない(=犯罪が発生していない)エリアが多く、かなり優秀です。
順位的には、「御器所」駅は名古屋市営地下鉄全87駅中51位とそこまで高くありませんが、これはスポット的に犯罪が多いエリアがあるからだと思います。
(愛知県警の該当ページはこちら)

“犯罪オープンデータ”がどんなデータかというと、以下の7項目の犯罪がどこで発生したか、というデータです。

  • ひったくり
  • 車上ねらい
  • 部品ねらい
  • 自動販売機ねらい
  • 自動車盗
  • オートバイ盗
  • 自転車盗

今回は、これを用いて令和4年の1年間で発生した犯罪数を町丁目単位(xx2丁目という単位)で塗りつぶしています。

▲犯罪の発生していないエリアが多い

具体的な数字を出すと、上記マップの駅半径800m以内で発生している公開7項目犯罪は約49件/年という感じ。
だいたい7日に1件前後という計算になるので、そこまで気にならないのではないでしょうか。

前回の「千種」駅はこの倍以上の犯罪発生件数があった事を考えると、「御器所」駅周辺は利便性と環境の良さを兼ね備えたエリアだと言えるのではないでしょうか。

※詳細な計算方法等はこちらの名古屋子育て情報局の記事をご覧ください。

交通事故(人対車):駅周辺は気になるほどの多さではない

交通事故の状況も人対車に限定して分析してみました。
使用しているデータ等の詳細はこちらの名古屋子育て情報局の記事をご確認いただければと思いますが、以下のようなデータを使って分析しています。

  • 警察庁が公開している2020年~2022年の3年分の交通事故データ
  • 自動車専用道路(高速道路)の事故は除外
  • 人対車の交通事故に限定
  • 駅半径800m内で発生した事故を集計

他のエリアの状況と比較するため、少し広めの範囲をマッピングすると以下のようになりました。
なお、負傷事故のプロットは半透過化処理をしているので、同一ポイントや近隣ポイントで事故が複数発生していると青色が濃くなります。

▲気になるような多さではない

具体的な数字としては駅半経800m内で発生した20年~22年の人対車の交通事故は22件(48位)という感じで、ランキング的には真ん中ぐらい。
どちらかと言うと駅の南側で発生しているような印象を受けますが、死亡事故は発生しておらず、件数もかなり少ないので、そこまで気にする必要はなさそうです。

【昭和区御器所】駅周辺のライフインフォメーション

ここからは「御器所」駅周辺の生活必需施設についてご紹介します。

具体的には、

  • 役所・郵便局との位置関係
  • 公園の状況
  • コンビニの状況
  • スーパーマーケットの状況
  • ドラッグストアの状況
  • 医療の状況(内科・整形外科・皮膚科・眼科・耳鼻科・歯科)

をご紹介し、「生活しやすい場所なのか?」というのを考えてみたいと思います。

なお、各施設のデータは2024年と2023年に抽出したデータを使用しています。
閉店、新規開設等で現在の状況とは異なる可能性があることにご留意ください。
(病院・役所・郵便局は2024年、それ以外の店舗は2023年時点のデータ)

郵便局・区役所:区役所は反則的な便利さ

意外と利用機会が多い区役所と郵便局の状況ですが、以下の通りとなっています。

▲駅に区役所があるのはズルい

上図の通り、「御器所」駅は
駅のすぐ横に区役所がある
という反則的な環境となっています。

▲駅からすぐのところに区役所がある

この記事を書いている時点では名古屋市は未だに住民票の写し・印鑑証明書がコンビニで出せないので、役所に行くのはそう珍しい事ではありません。
ちなみに、「御器所」駅周辺は昭和区ですが、駅の南側は瑞穂区(隣の桜山駅付近が区境界)、北側は千種区(隣の吹上駅付近が区境界)です。
瑞穂区の場合は”瑞穂区役所駅”というそのまんまの名前の駅がある通り、役所へは行きやすいですが、逆に、北側の千種区の場合は役所がかなり遠いので注意が必要です。

なお、最近は居住している区の役所以外でも対応可能な手続きが多いですが、マイナンバーカード更新手続きなどは”住んでいる場所の役所”で行う必要があります。
(例えば、住んでいるのが千種区だった場合、近くても昭和区役所でマイナンバーカードの電子証明書更新はできない)

一方で、郵便局は駅前には無いので少し注意が必要。
ただ、マップを見ると分かると思いますが、良い感じに分散して配置されているので、そこまで困るような環境ではないと思います。

公園:かなり少ない

「御器所」駅周辺の公園の状況としては、駅から徒歩10分圏内(800m)にある1,000㎡以上の公園数は”2″となっており、かなり少ないです。

▲公園の少なさは数少ない御器所の弱点

以前、「桜山」駅特集でも書いた気がしますが、桜通線の吹上~桜山あたりは公園の数が少ないエリアとなっており、公園以外の環境は整っている分、この”公園がかなり少ない”というのは残念でなりません。

詳細は子育て環境をまとめた別記事でご紹介しますが、2つある公園もそこまで規模が大きいものではなく、小学校高学年が思いっきり遊ぶには少し物足りません。
“子どもが中学生以上しか居ない”という状況であれば気にならないかもしれませんが、そうではない場合は頭に入れておいたほうが良いかと思います。
(気にならない、という方もいらっしゃるかと思いますが…)

コンビニ:駅前に沢山の店舗がある

「御器所」駅周辺のコンビニの状況は以下の通り。

▲駅前にコンビニが多い環境

「御器所」駅周辺のコンビニ数は多い方で、駅前に沢山の店舗があるので困ることは無いと思います。
強いて言うのであれば、駅から少し離れた北西、南西方面は空白地帯のように見えますが、そこまで求めるのは酷なような気がします。

スーパー:26年12月には西友が再オープン予定

「御器所」駅周辺のスーパーの状況は以下の通りでした。

▲西友の開店が待たれる…

現時点でも駅半径800m以内に3店舗あり、最も近いマックスバリュも徒歩7-8分で行けるという恵まれた環境です。

さらに、2022年11月に閉店した西友も2026年12月には再オープン予定なので、今後さらに利便性が高まる事になります。
(これは、名古屋市に提出された届出書で確認することが出来ます)

西友は基本的に”年末年始も一切休まず24時間営業”という狂気の営業を行うので、近所にあるとかなり嬉しい施設。(働いている方々の事を思うと複雑ですが…)
計画通り再オープンすればかなり利便性の高いエリアとなるのは間違いないと思います。

ドラッグストア:複数の選択肢があり充実

徒歩10分圏内のドラッグストアは5店舗あります。

▲選択肢が多い

上図の通り、駅前に21店舗、少し離れたところに3店舗あり、充実していると言えます。

近年の物価上昇で食料費が上昇していますが、ドラッグストアは化粧品・医療品で利益を取ることが出来るため食料品は安くなっている事が多く、近所にあると心強い存在。
近年はアプリ等で定期的に値引きクーポンも配布してくれるので、これだけ選択肢があるのは嬉しいポイントですね。

ホームセンター:駅の東側に店舗がある

「御器所」駅の2km圏内には大手ホームセンターは1件あります。
もともと名古屋市内に大手ホームセンターの店舗は33店舗しか無いため、近所にホームセンターがある方が珍しいのですが、車で10分かからない場所にホームセンターがあるのは恵まれていると言えます。

▲ホームセンターも車で10分あれば行ける

また、駅西にもDCMがあるため、駅の西側に住んだ場合でもホームセンターに行きやすいのも良ポイント。
なんだかんだ言って、引っ越し直後の買い出し、夏休みの自由研究等でホームセンターに行く機会はそれなりにあるので、すぐに行ける場所にあるのは嬉しいと思います。

病院の状況

「御器所」駅周辺の病院(内科・整形外科・皮膚科・眼科・耳鼻科・歯科)をマッピングしてみました。

出典:名古屋市医師会HP病院一覧および愛知県歯科医師会HP病院検索の住所より作成

上図の通り、耳鼻咽喉科が駅の近くにありませんが、それ以外は複数の選択肢があり、環境としては良好だと思います。
なお、詳細は子育て記事の方で触れますが、小児科もしっかり揃っており、困ることは無いと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

まとめると、「御器所」駅の生活環境は以下のようなものであると言えると思います。

  • 通勤の利便性は高く、主要駅まで15分程度あれば到着できる
  • 水害には強いが一部リスクが高いエリアがあるので要チェック
  • 犯罪発生件数は都心部よりは格段に少ない
  • 駅周辺の交通事故の発生件数はそこまで多くない
  • 買い物はコンビニ等の環境が整っているうえ、26年12月には西友が再オープン予定という恵まれた環境
  • 病院は必要十分な数が揃うので心配なし
  • ほぼ唯一と言って良い弱点は”公園の少なさ”で、未就学児・小学校低学年の子どもがいる場合は要注意

表題でも書いていますが、「御器所」駅エリアは郊外と都心の間の”ちょうどいい”場所です。
これまでご紹介した通り、都心までの距離が近いので通勤利便性は高く、それでいて治安の良さも両立している稀有な街です。

もちろん、住居のお値段も高いですが、将来的には西友も再オープンし、さらに便利な街になるので検討する価値は十分あると思います。

さて、今回の「御器所」駅周辺は個人的にはそこまで縁があるエリアではないのですが、恒例となりつつある”その駅の有名店・人気店”を少しだけご紹介します。

今回訪問したのは御器所駅から歩いてすぐのところにある
「すすきの亭」さん
です。(リンク先は食べログページ)

このお店は店名で分かる通り、味噌ラーメンが有名なお店です。
11:30に訪問したところ、まだ席に空きはありましたが、駐車場は満車でした。
そして12時前には座席も満席になり、行列が出来ていたほどの人気店でもあります。

今回は味噌ラーメン+トッピングチャーシュー+バターにしました。
ちなみに、お店は醤油ラーメン、塩ラーメンもありますが、店員さんにオススメを聞くと「ほとんどの人が味噌を注文されます」とのこと。

ラーメンとしては少しピリ辛な感じですが、バターを入れるとまろやかになるので、辛いのが苦手な人でも大丈夫。
スープは濃厚で、太麺との相性も抜群。
チャーシューは薄切りのバラチャーシューで、ご飯が進みます。
ランチタイムは100円でライスを付けられるので、食欲に自信がある方は注文すると良いと思います。

ちなみに、味噌ラーメンは標準でも充分濃いですが「濃いめ」も可能なので、2回目以降はチャレンジしてみても良いかも。(「麺硬め」も可能)
今回食べた味噌ラーメンは「美味しい味噌ラーメンってこういうのだよね」という感じの王道の非常に美味しいラーメンで、近くまで来た際には立ち寄る価値はあると思います。

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その他、子育てに関連した学区等の情報は別記事でご紹介していますので、そちらもぜひご覧ください!

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ABOUT ME
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名古屋子育て情報局
1984年生まれ。企画職や事業コンサルを経て、数年前に名古屋に戻ってきた2児の父。名古屋では学区や受験などを含めた「子育て情報」があまりオープンになっていない事に気づき、名古屋の子育て情報をまとめ始める。実は良好な名古屋の子育て環境の魅力を伝えられるよう尽力中。